地域の自治会への加入を断ったら「ゴミ捨て場使うな」。嫌がらせが怖すぎた
同じ地域に暮らす住民たちが親睦を深め、互助活動などを行う自治会や町内会。全国のほとんどの地域にありますが任意団体なので、その土地に住んでいるからといっても加入義務はありません。
ですが、自由意志といっても加入している世帯のほうが多いのも事実。そのため、ほかの住民たちから加入をしつこく迫られるケースも多いようです。
◆いきなり自治会の役員がやってきた
ドラッグストアでパート店員として働く主婦の杉崎淳子さん(仮名・36歳)は、今から5年前に戸建てマイホームを購入。地方都市の隣町にある住宅地に引っ越します。すると、住み始めてから1か月ほど経ったある日、自治会の役員を名乗る初老の男性と50代くらいの女性の2人が自宅を訪ねてきたといいます。
「その日はパートが休みで家に居たのですが『加入手続きがまだですよね?』といきなり申込用紙を渡され、その場で書くようにうながされました。
この時点でずいぶん強引な方たちだなと内心イラッとしましたが、こんな人たちと付き合わなきゃいけないのかと思うと、流されるまま申込用紙を記入する気にはなれませんでした。そこで『主人と相談しますので』と話し、その場をやり過ごすことにしたんです」
◆古くからの住民と転入組にすき間
彼女が越してきた地域は古くからの住民が多いそうですが、近年になって宅地開発が進み、3割ほどの世帯はほかの土地から移り住んだ人たち。自分たちと同じ転入組の世帯の自治会加入率は半数程度とそれほど多くなかったとか。
夫には家を訪ねた役員たちの一件を伝えたうえで、「正直、加入を躊躇(ちゅうちょ)している」と自分の気持ちを打ち明けます。
「彼は私の意見を尊重してくれ、『加入しない世帯も多いんだし、孤立することにならないなら無理して入る必要もないよ』と言ってくれ、加入を見送ることにしました。
実は、ウチよりも1年早く引っ越してきたお隣の家も自治会に入っていないんですけど、そこの奥さんは『住んでみて気づいたけど、すごく閉鎖的なところがあるよね』と言ってたのですが、ホントその通りだと感じました。
私たちの住宅が造成されたエリアは、昔からの家がある地域とは通りを隔てた隣のブロック。だから、住民同士の交流もそれほど多くなかったんです」
◆挨拶しても無視された
申込用紙は非加入の場合もそこに○をつけて提出することなっていたため、指定された公民館に備え付けられた専用ポストに投函。でも、それからというもの例の自治会役員2人からは路上ですれ違った際に挨拶をしても無視されるようになります。
「そのとき道には私たちしかいませんでしたし、気づかない聞こえないってことは絶対にありえない状況でした。何度かそういうことがあったので、向こうがそういうつもりならと私もそれからは挨拶することをやめました」
しかし、この話には続きがあります。なぜか「淳子さんが役員たちから挨拶されても無視した」という、完全に逆の話となって悪評が地域に流されていたのです。
「隣の奥さんから聞かされてビックリしました。まあ、事の経緯を説明したら付き合いのある転入組の奥さんたちは私のことを信じてくれたし、悪影響はほとんどなかったですけどね。無視するだけならまだ構わないですけど、こういう形でヘンな噂を流すなんて非常に陰湿だと感じました」
◆ゴミステーション利用禁止の圧力も
ただし、自治体から「非加入世帯はゴミステーションの利用を認めない」との通達があったときはかなりあせったといいます。
「タチの悪い嫌がらせだと思いました。清掃は当番制で私も掃除していましたが、一応自治会が管理している形になっていたので向こうにも言い分があります。
そこでほかの非加入世帯の奥さんたちと話し合い、自治会の加入に関係なく利用できる新しいゴミステーションを設置してもらえるように町に頼んだです」
しばらくして認可が下り、以降はその場所にゴミを捨てているとのこと。それからは自治会からの横やりもなくなり、今はトラブルもないそうです。
「以前から住んでいる方でも個人的に仲良くなった同年代のママさんは増えたし、それなりに上手くやっています。年配住民の方とは相変わらず冷え切った関係ですけど(笑)」
自治会や町内会について引っ越し前にチェックする方は少ないと思いますが、トラブルを避けるためにも事前のリサーチはやっぱり必要なのかもしれませんね。
―シリーズ「ご近所・ママ友とのトラブル」―
<文/トシタカマサ イラスト/カツオ>
【トシタカマサ】
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
いち(
5/6 10:43
酷い話しやね。地元は特に勧誘も強要もしてませんね。加入してる人もしてない人も平等に自治会館利用できますし。街灯なんかの維持管理は町会なので会費ぐらいは払って欲しいですね。