「アイドルの名曲」総選挙BEST30(1)斉藤由貴「卒業」で付け足された名フレーズ

 1971年6月、南沙織が「17才」でデビューしたことで、日本でも「アイドル」という言葉が定着。今年は記念すべき元年から50年を迎えるが、「80年代アイドル」以降の名曲を「アサ芸シークレット」調べのランキングで大発表!

     

 40年のアイドル史において、キラ星のごとく生まれた名曲たち。そこから厳選に厳選を重ね、トップ30を選出した。栄えある1位に輝いたのは、斉藤由貴のデビュー曲「卒業」(85年)だ。日本歌手協会理事で、アイドルコンピCDも構成する合田道人氏が言う。

「高校卒業を目前に、まさに正統派の旅立ちにふさわしい曲。歌のテーマ性、その可愛い容姿、支えてあげたくなる歌唱力、そこから醸し出す歌心、どこをとっても優等生アイドルとしての傑作のひとつだと言えます」

 作詞・松本隆、作曲・筒美京平の黄金コンビだが、ディレクターを務めた元甲斐バンドの長岡和弘氏が意外な真実を明かす。

「サビの『ああ卒業式で泣かないと~』は本来、『卒業式で』だったんです。ところが、レコーディングで筒美さんが急に『ああ』を入れようと言い出し、印象的なフレーズになりました」

 2位は本ランクの起点となる松田聖子で、膨大なヒット曲から「赤いスイートピー」(82年)を選出。

「ぶりっ子だった聖子ちゃんカットもショートにして、大人の歌手の階段を昇った1曲。それまで男の子のファンで占められていた聖子が同性にも好かれる歌手になった名曲です」(前出・合田氏)

 そして3位は、松本伊代のデビュー曲「センチメンタル・ジャーニー」を選んだ。元「ジャズ批評」編集長で、音楽評論家の原田和典氏が分析。

「鼻にかかった低く細めの声と、50~60年代のアメリカン・ポップス)を思わせる軽快な曲調が絶妙な相性を示す。『伊代はまだ16だから』と、歌手自身の下の名前と年齢を同時に盛り込んだ歌詞は、今なお掟破り」

 当時、NHKの歌番組では該当するフレーズを歌えなかったが、革新性という点で評価できる。そして4位は、森高千里の「私がオバさんになっても」(92年)だ。前出・原田氏が魅力を語る。

「詞世界はキャロル・キングの『ウィル・ユー・スティル・ラヴ・ミー・トゥモロウ』やビートルズの『ホエン・アイム・シックスティ・フォー』などにも通じる普遍的なものだが、それが森高自身の手にかかると、レトリックなど眼中にない的なストレートな言葉遣いで表現され、こんなに新鮮に。作詞家・森高はアイドルソングの新たな次元を開きました」

 

 超ミニの太腿もしっかりと目に焼きついている。

2021/5/4 10:00

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