有田哲平『脱力タイムズ』で「テレビ史を変える」芸人ガチ泣き神回

 4月30日放送の『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)に、次長課長の河本準一(46)と女優の北乃きい(30)がコメンテーターとして出演。

 本来は「専門家を招き政治家の高額接待問題を徹底討論」という内容を変更し、名物企画「脱力こども相談室」を放送。これがテレビ史に残る“神回”と評判になっているという。

「いつもの『脱力タイムズ』は、メインMCのくりぃむしちゅーの有田哲平(50)が、あたかも報道番組のようなノリで出演者らが時事ネタを踏まえつつコントを進行していくニュースバラエティ番組。

『こども相談室』は、河本をゲストに迎えた際の恒例企画。純真無垢な子どもが、実にデリケートな時事ネタを河本に尋ねて困らせる、という体裁のコーナーですが、今回はいつもと様子が違っていました」(女性誌記者)

 序盤こそ子役が、

「加藤浩次さんにお手紙を出そうと吉本興業に問い合わせたのですが、担当者から“円満に退所した”と言われました。“円満”ってどういうことですか?」

「最近ゆきぽよさんの元気がないのはどうしてですか?」

 と、“素朴な悩み”として、答えに困るデリケートな質問を河本にぶつけてくるいつも流れに、河本は苦悩しながらも答え続けるいつもの流れ。しかし、後輩芸人とろサーモンの村田秀亮(41)が“5歳のひであきくん”として登場し、河本が「(経験)ないパターンだ」と困惑したあたりから、番組は大きな変化を見せてゆく。

■いきなりの暴露に河本は涙

「最初こそ、“昔タコ焼きパーティしたときに、同席していたセクシー系女優のヒザに16回もキスしたのはなぜ?”という暴露ネタで笑いに包まれていたんですが、この件を河本が弁解して次の子どもに移るかと思いきや、“このVTRにも続きがあります”と、村田の収録後トーク(という設定)を流したところから、大きく流れが変わりました」(前出の女性誌記者)

 当初こそ、さらに切り込んだ暴露話が来るかヒヤヒヤしていた河本だったが、

「こんなこと言うてますけど、なかなか付き合い長いし。河本さんに相当な感謝の思いがある」「自分がどんだけしんどくても、1番後輩を気遣ってくれる兄さん」

 と、マジメなトーンで話す村田に、河本は困惑。さらに、

「僕が11年前に東京に来た時、仕事まったくなくて、お金もなくて。誰からも面白いとも言われないし、賞レース『M-1』も『キングオブコント』も『THE MANZAI』も軒並み落ちて」

「何もうまいこといってない時期に、河本さんは劇場の袖でとろサーモンの漫才を絶対に見てた。袖にはけたら、“めっちゃおもろいな””やっぱお前らの漫才絶対おもろいわ“って言ってくれてて。あれが無かったら、僕は超絶病んで、たぶん芸人辞めてたと思う」

 と、河本への感謝を熱く語ったのである。

「“僕らの漫才を見てくれた”のあたりから、ワイプの河本は「なんだよ……」「どうしたんすか今日」と涙を見せていましたが、村田のVTRはまだまだ続いた。河本が助言した後も、とろサーモンは芽が出ずに、しばらくくすぶり続けていて、村田は芸人を辞めることも検討していたことを明かしたんですが、その際にも河本が救ってくれた、と語ったんです。」(前同)

■「おめでとう良かったな。待ってて、良かったな」

 それは、河本と村田が食事をして、帰路につくタクシーでの出来事だったという。河本は、タクシーの助手席に座った村田に後部座席から突然、

「もうちょっと待っとき。絶対大丈夫やから。もうちょっと待っとき。絶対大丈夫」

 と、一度も相談したことないはずの引退を知っていたかのように、後ろからささやくように言ってくれたという。村田はその言葉に、河本に気付かれないように窓の外を見ながら号泣していたという。

 その後、17年に『M-1』でとろサーモンが優勝した際は、誰よりも早く河本は電話をかけてきて、声を震わせながら、

「おめでとう良かったな。待ってて、良かったな」

 と、祝福してくれたという。

「この感動エピソードに北乃も涙し、河本は“つられるから…(『脱力』は)こんな番組じゃないんや!”と、さらに号泣していました。しかも、河本は涙ながらにこのVTRについて“言わなくていいんですよ。芸人やってて、いい話なんかいらないですから”とコメント。これぞ芸人、というスピリットを見せてくれて、実にカッコよかったですね」(前出の女性誌記者)

 番組はそれだけで終わらなかった。次のVTRではオリエンタルラジオの藤森慎吾(38)が、さらに畳みかけた。

「オリラジはリズム芸『武勇伝』でデビュー後すぐブレイクを果たしましたが、そのせいで多くの先輩芸人らからは反感を買っていた時期がありました。しかし、そんな藤森に対し河本は“はじめて吉本の先輩で優しく声をかけてくれた”そうです」(前同)

■「好きなように羽ばたきなさい」

 とある番組の収録で、芸人を辞めたくなるレベルのとんでもないスベリをした際に河本は廊下で、

「今日のスタジオひどかったなぁ。でも、オリラジ何か変わった気がしたわ。がむしゃらにやってるやつは、絶対見捨てへん」

 と、励ましてくれたという。藤森は、自然にポロポロと目から涙がこぼれたそうだ。

「さらに、藤森は昨年末に吉本興業を退所しましたが、それを悩んでいた時期に、河本から電話がかかってきて、やはり相談したことがないにもかかわらず“何か悩んでるやろ”“だいたい分かるわ”と言われたというんです。村田の件もそうですが、本当に後輩思いでよく見ているんですよね。それにしても、河本の泣きっぷりはテレビで見たことがないほどで、テレビ史に残るようなインパクトでした」(前出の女性誌記者)

 退所しようか悩む藤森に対して河本は、

「好きなようにやりなさい。絶対に大丈夫。弟のようにかわいがってきた後輩だから。好きなように羽ばたきなさい」

 というメッセージを送ったことが藤森から語られた。

 むせび泣く河本と一緒に涙する北乃は「ほんとに今日来てよかった 芸人さんの絆を感じました」と感動し、有田も「後輩をかわいがっているイメージがない」と、今回のエピソードを意外そうに聞いていた。

■感動話のオンエアを拒否する男気

「この村田、藤森らのVTRに対して河本は“こんなこと、テレビでやらなくていいですから。これ(質問コーナー)やらせてください”と、あれだけ嫌がっていた質問コーナーをやりたがっただけでなく、“ (感動話)は全部切ってください。セクシー女優(のネタで)でいいから”と、本来なら視聴者の好感度爆上げ間違いなしのこれらを全部カットするように懇願していました。

 善人エピソードを表に出さず、汚れ仕事をやろうとする河本の姿は、素直にカッコよかったですね」(前出の女性誌記者)

 最後に、ダメ押しと言わんばかりに番組では河本の息子と娘からの手紙を朗読。どちらも「お父さん頑張ってね」というメッセージが綴られており、息子の名前が読み上げられた瞬間に、河本は口を抑えてむせび泣くのを必死でこらえていた。

「こんな攻め方あったのか、脱力さんよ!」「もうやめてください…質問をやらせてください。質問させてください、頼むから! 質問を……」

 と、何度も声を詰まらせ、鼻水をすすり涙する河本。朗読が終わったあとには、

「エンジンのギアを入れましょう、という感じにさせていただいてありがとうございます」

 と、番組にお礼を言う姿もあった。

「ここまでの流れは本当に感動的で、ネットでも《泣いた》《今日の『脱力タイムズ』やばい…》《河本が好きになった》と大絶賛の嵐でした。しかし、この番組がそんなキレイに終わるはずがなかったんですよ……(笑)」(前同)

■衝撃のラスト

 質問コーナーに戻るようにうながした河本だったが、VTRがもうない、とスタッフに告げられ、不満げに「子どもの話をやらずに感動話ってなんですか今日」と嘆く河本。

 有田は「まとめましょうか」と、番組を締めに入ったが、そこで有田が取り出したフリップに、河本は「はい!?」と状況が呑み込めず、しばらく茫然としていた。

「有田が出したテロップには『徹底検証! お笑い芸人はテレビの前で泣く?』とあって、真の企画が明らかになりました。しかも、事前に河本が泣くか泣かないか、スタジオの他のメンバーが賭けていて、有田だけが“泣く”に賭け、他は“泣くわけない。芸人なら最後まで笑いに走る”“もっとエグい質問こんかい!(と言う)”と予測していた、という体裁で実に手が込んでいましたね(笑)」(前出の女性誌記者)

 賭けに独り勝ちした有田は、5万円相当の高級松阪牛をゲット。

「泣いた泣いた!」「一緒に食おうぜ!」と喜色満面の有田だったが、「何がよっしゃだよオイ!」「食えるわけないでしょうが!」と、河本は叫んでいた。

「北乃が流していた涙も全部お芝居で、“泣く場所も決まってました”というカミングアウトに“もうヤダよ!”と河本は嘆いていました。ただ、VTRの内容と河本の反応は本当に感動的だったので、決まっていた、という北乃の言葉をどこまで信じていいのかは疑問です(笑)」(前同)

■最後のコメントに表れた有田の人間性

 あまりにも完ぺきな構成に、

《脱力の企画力は流石だわ…恒例の河本こども相談室は以前嫁さん出てきたから芸人仲間によるリーク展開あるだろうと思ってたけど、鞭のみ→飴と鞭→飴のみ→ちゃんとお笑いで落とす流れが素晴らしかったわ》《毎度毎度有田さんとプロデューサーさんの手腕に舌を巻いてしまう。》《この番組は本当にすごいですね総合演出 有田哲平の球種の豊富さ》

 と、有田の圧倒的センスに感嘆する視聴者が多くネットでコメントしていた。

 エンディングのテロップが流れたあとのエピローグ映像では、スタッフの「はいありがとうございます!」という収録終了の声がかかったあと、机につっぷす河本に向かって、有田は、

「今日は普通に泣けましたよね。あれは普通に泣けた」

 と、コメント。

「そこに、有田さんの人間性が表れていますよね。番組としては、河本さんの感動話で終わらせるわけにはいかない。そのために、全体として“泣くかどうかの検証”というパッケージを用意したんですが、それを超えた感動だった、すばらしかったよ、と河本さんに伝えたわけです。有田さんの芸人に対する深い愛情が感じられますよね」(映像制作会社スタッフ)

 事前告知なしゼロでのアンタッチャブル復活や、今回の河本泣かせなど、視聴者の予測を超えてくる『脱力タイムズ』。これからも、有田の神がかり的なセンスに期待したい!

2021/5/4 7:45

この記事のみんなのコメント

1
  • 玉葱

    5/5 5:10

    ずっと批判が続いて許されてない雰囲気が続いてる河本を引き揚げようとしてる意図は見えたけど…。良い面を見て白く見せようとしても、一旦黒を混ぜたら圧倒的に白が負ける…絵の具みたいなんだよね…。河本の場合特に、黒が強過ぎて…。そう思いながら見てると、逆に意図が嫌らしく感じるんだよな…。

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