「視力が落ちた妻の髪を巻いてあげたい」美容学校の門を叩いた79歳男性に「これぞ真の愛」(カナダ)

カナダのアルバータ州レッド・ディアにある美容学校「デルマー・カレッジ・オブ・ヘアー・アンド・エステティックス(Delmar College of Hair and Esthetics)」に先月22日、初老の男性が「レッスンを受けたい。学校長と話ができないか」とやってきた。

学校長のキャリー・ハンナさん(Carrie Hannah)は「男性に話を聞くと、『妻の視力が低下し、これまでのように髪を巻くことができなくなった。またカールアイロンで何度も熱傷を負っている。僕が妻の代わりに髪を巻いてあげたいから、ここでレッスンを受けることができないだろうか』と言うではありませんか。私はこの業界で31年間も働いていますが、あんな生徒は初めてでしたよ」と当時を振り返る。

驚きながらもキャリーさんは、生徒の一人であるブリトニー・スミスさん(Britney Smith)に男性のインストラクターになってもらい、マネキンを使ってカールアイロンを使った髪の巻き方を教示した。また「マスカラを塗る時に、目を刺してしまうようだ」という話を聞いて、マスカラのレッスンもしたという。

キャリーさんは「男性はそのうち、財布の中に入っていた妻の写真を取り出してみんなに見せてくれました。『これが僕の美しい妻だよ』とね。本当に誠実で、まじめな人柄が伝わってきましたよ」と述べ、このように続けた。

「男性がやってきたことでみんなの士気が高揚し、本当に気分が良かったですよ。こんな時代ですし、ちょうど明るい話題が必要でしたからね。それに『おしゃれが大好きな妻をどうしても助けたい』という心遣いを感じ、インストラクターとして冥利に尽きるものがありました。」

『Good News Movement』によると、男性は妻と結婚して50年になるという。キャリーさんには「名前を出さず、顔がはっきりとわからないようにすること」を条件にSNSへの投稿を許可してくれたそうで、キャリーさんは最後にこのように語った。

「男性はあの日、妻についてとても嬉しそうに話していました。きっと心から愛しているのでしょうね。」

「その後、男性のことをFacebookに投稿すると大きな反響がありました。10年前に卒業した生徒からもメッセージが届き、そのうち携帯の電源を切ったほどです。ただこんな素敵なラブストーリーを聞くこともそうはないでしょうから、多くの人にシェアしてもらえたことを嬉しく思っています。」

ちなみにこの投稿には、「これこそ真の愛」「私もこんな夫婦になりたいな」「美容学校に1人で行くなんて勇気がいっただろうね」「男性の妻は幸せ者だね」「心があったかくなったよ」といったコメントがあがっている。

画像は『Mirror 2021年4月29日付「Loving husband asks stylist to teach him how to curl hair as wife can’t do it anymore」(Image: Facebook)』『Hair Design By Britney 2021年4月23日付Facebook「This lovely gentleman came in today to learn how to curl his wife’s hair.」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2021/5/4 6:00

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