小沢真珠と巡る!開運「御朱印」入門ガイド
まだまだ続くコロナ禍だが、ずっと家の中に閉じこもっているわけにもいかない。しかし、人出の多い観光スポットなどに出向くのは避けたいところ。そこでオススメしたいのが、「社寺巡り」だ。落ち着いた雰囲気の境内を歩くだけで、心がリフレッシュされ、運気もアップする大人の趣味だ。さらに、その際、「御朱印集め」をしてはどうだろう。特別な準備なしで今すぐ始められる、奥深〜い「御朱印集め」の楽しみ方を伝授する!
■必要なものは「御朱印帳」だけ!誰でも気軽に始められる趣味
「神社やお寺を、澄んだ空気に触れながら参拝して御朱印をいただくと、とても落ち着きます。良い気を吸収して、運気が上がるのも分かりますね」
こう語るのは、御朱印集め歴10年以上になる女優の小沢真珠さん(44)だ。彼女を筆頭に、近年、御朱印集めが人気という。その理由について、御朱印や神社巡りに関する著作の多いトラベルライターの大浦春堂氏は、こう解説する。
「平成の後半に高野山の開創1200年や、伊勢神宮、出雲大社の遷宮など社寺に関するトピックスが話題になり、多くの人が社寺に参拝するように。その前後から参拝の記念に“御朱印”をいただく人が増えてきました。そんな中で、令和へ改元され、“令和”と書かれた参拝の証を求める人が増え、さらに人気が出たんです」
では、御朱印集めを新たに始める場合、まず何が必要なのだろうか?
●アーティストのコンサートグッズでも売られている
「御朱印は、神社やお寺へ参拝した証しとして、御朱印帳に入れていただくものです。御朱印帳さえあれば、誰でも始めることができますよ」(前出の小沢さん)
では、御朱印帳は、どこで購入できるのだろうか?
「神社やお寺でお分かちいただけます。まれにないこともあるので、公式サイトや書籍などを見ておくのがよいかと思います。また、文房具店や通販でも購入できます。最近はアーティストのコンサートグッズなどでも御朱印帳が売られています」(前出の大浦氏)
そして御朱印そのものにも、いろいろな種類がある。
「社寺の名前には、なんらかのゆかりのモチーフがありますし、建造物や国宝の名前が入る場合もあります。それらを調べていくと、歴史的な知識が増えますし、新たな発見もありますよ。また、必ず日付が記入されますから、いつ行ったかの記録になります」(前同)
つまり、一つとして同じ御朱印はないのだ。同じ神社の御朱印だけを一冊に記帳している人もいるそうで、読者の皆さんも、自分らしい唯一無二の御朱印帳を作ってはいかがだろうか?
■あくまで御朱印は「参拝の証」マナーを守ることを忘れずに
御朱印集めをするにあたって、気をつけるべき点やマナーには、どういったものがあるのだろうか?
「神社やお寺の“参拝の証”として、いただくものであることを忘れないでください。いきなり御朱印だけを取りに来る人もいるんですが、お参りがあってこそですから」(大浦氏)
値段(神社では「初穂料」、寺では「納経料」「志納金」「志納料」等)は、300円程度が一般的だ。
「御朱印をいただくときは小銭を用意しておくようにしています。小さな神社だと、お釣りを用意していないこともあるので。1000円札ならともかく、5000円札や1万円札を出すのは避けたいところですね」(小沢さん)
最近では、“ガイド本に載っている御朱印と違うじゃないか”と文句を言う観光客もいるという。
「1枚1枚手書きであるわけですし、書き手や時代によって御朱印も変わります。何かに掲載されているものと多少、変わることがあるのは当たり前です。異なる筆致を楽しんでみてください」(大浦氏)
中には、じっとしていられない人もいるようだ。
「待っている間に、持ち込んだお菓子を食べたり、筆記される様子を勝手に動画で撮影したりする人もいるようですが、やはりマナー違反ですね。喫煙はもちろん、決められた場所で行ってください」(前同)
最近はコロナ禍のため、御朱印帳に書き込むのではなく、別紙にあらかじめ書かれたものを渡す社寺もあることは理解しておこう。
また、御朱印帳とは長いつきあいになっていくが、どういった保管方法がいいだろうか?
「神棚や仏壇があれば、そこへ置きますが、なかなか持っている人は少ないでしょう。本棚の一角にスペースを設けるか、専用のケースに入れて、風通しの良いところに置いておくのがよいと思います。和紙ですから、湿気には要注意ですね」(同)
■自分流のテーマを決めて旅をすれば、より楽しみが増える
休日を利用したり、遠方の旅先の場合、1日に複数の寺社を回ることもあるだろう。
「日によっては4か所、回りました。参拝時間が朝10時から夕方の16時くらいまでと決まっていますし、慌ただしくなるのはよくないですから。それくらいが最多です」(小沢さん)
地方の電車やバスは、本数が少ないので時間を合わせる必要があるが、できるだけ時間には余裕を持って行動したい。
「私は木々が好きなので、御朱印をいただいた後も木を見ながら参道を散歩することがあります。神社内や沿道におしゃれなカフェがあると、そこで、ゆっくりしたりもします」(前同)
ガイド本には載っていないような小さな社寺ならではの楽しみもあるという。
「混んでいないときは、御朱印を書いていただく前後に神職の方と歓談したりできます。また、待っている間に、お茶をいただきながら歓談したこともありました」(大浦氏)
宿坊のある社寺ならば、宿泊してみるのもいい。皆さんにとって、貴重な体験になるはずだ。
また、単に場所的に近い社寺を巡るというのではなく、テーマを決めて回ってみるのも楽しい。
「結婚したばかりの頃は、安産祈願の神社を中心に回りました」(小沢さん)
女性には縁結びの神社も人気があるようだ。男性には金運や商売運、仕事運の神社の人気が高いとか。右ページのコラムにオススメのモデルコースを作ってみたので、参考にしてほしい。
「ガイド本などを参考に、自分の趣味にちなんだところなどを回るのも楽しいと思います。歴史が趣味の方だと、好きな戦国武将ゆかりの神社を巡ったり、下町の『鬼平犯科帳』ゆかりの地巡りなども人気なようですよ」(大浦氏)
御朱印は“旅の記録”とも言える。社寺を訪問する行程は人それぞれ、自由でいいわけである。
「御朱印がたまっていくと、御朱印帳を見返すだけでも思い出がよみがえりますし、楽しいんです。また、元気になれますね」(小沢さん)
寺社でいただいた“運気”がまた、思い出とともによみがえるのかもしれない。
■御朱印巡り歴10年以上 小沢真珠「今、家族が円満に過ごせるのは神社巡りで得た運気のおかげかな」
――御朱印との出合いは?
「30歳になったとき、たまたま番組のロケで、羽田空港近くの穴森神社へ行くことがありました。そこで御朱印の存在を知り、かわいい御朱印帳を入手したのが、御朱印集めを始めたきっかけです。20代までは、がむしゃらに仕事をしてきましたが、当時は落ち着いて人生を考えるようになった時期だったので、一人だけの小さな旅の時間をゆっくり過ごすことができる、神社巡りにハマっていきました。その直後にドラマの撮影で京都に数か月滞在することになり、たくさんの神社仏閣を回って御朱印をいただきました」
――特に印象深い御朱印はありますか?
「京都の下鴨神社です。緑の葵の御紋(社紋)が入っていて、デザインも美しいんです。これが個人的なナンバーワンですね」
――小沢さんにとっての御朱印の魅力とは?
「もちろん御朱印自体も好きですし、いただくまでの参道を歩くときのワクワク感が楽しいですね。歩きながら、いい“気”を体に取り込んでいる感じもしました。最近は子育てが忙しく、以前ほど趣味に時間が割けないんですが、今も家族みんな、円満に過ごせるのは、30代の神社巡りで得た運気のおかげかなと思っています」
――これから御朱印集めを始めたい人へのアドバイスをお願いします。
「手を洗う機会が多いので、ハンカチやハンドタオルは必ず持っていたほうがいいですね」
●早稲田の穴八幡宮へ
――今後は、どういう御朱印集めをしたいですか?
「神楽坂で育ったので、今日、お邪魔した赤城神社には昔からよく来ていたんですが、早稲田の穴八幡宮には行ったことがないんです。そうした、近くの行ったことがない神社に行ってみたいです。子どもも神社が好きみたいですし、もう少し大きくなったら一緒に回ることもできそうですね」
●小沢真珠 おざわまじゅ 1977年1月3日生まれ。東京都出身。1993年『神様の罪滅ぼし』で女優デビュー。現在までドラマ、映画をはじめ、バラエティ番組などでも幅広く活躍。今年は大ヒットドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)の劇場版の出演が控える。2014年に結婚し、現在は二児の母親でもある。