3度目緊急事態宣言、経済損失4400億円以上首都圏へ適用拡大懸念、ワクチン接種急げ!

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東京と大阪、兵庫、京都の4都府県に2021年4月25日から5月11日まで、3度目の緊急事態宣言が発出され、ゴールデンウイークは2年続けて新型コロナウイルスに翻弄されることになった。

大型連休に見込まれていた消費が控えられることもあり、経済への打撃は避けられない。

大都市圏にある4都府県のGDP(国内総生産)は合わせると日本全体の3分の1を占める。民間のシンクタンクからは、今回の緊急事態宣言で4400億円~6900億円余りの損失が出るとの試算が発表されている。

失業者2万5000人増か?

第一生命経済研究所は4月23日発表のレポート「繰り返される緊急事態宣言の発出と解除 ~今回の影響だけでも+2.5万人の失業増。さらなる地域・期間拡大の可能性~」で、宣言による消費の押し下げ圧力が、今回と同じく休業要請を伴った昨年4~5月と同程度と仮定した場合、個人消費は5218億円程度失われると分析。GDPの減少額は4460億円となり、それに伴い3か月後に失業者が2万5000人増えると試算した。

このレポートによると、過去の個人消費と消費総合指数を参考に、休業要請があった最初の緊急事態宣言時の個人消費は、宣言がなかった場合と比べて、4兆4000億円ほど押し下げられた。しかい、時短要請にとどまった2回目の宣言(2021年1~3月)の押し下げ効果は9000億円と1回目の5分の1にとどまり、今回も休業要請の影響が大きいとみている。

調査に当たった首席エコノミストの永濱利廣氏は、

「今回発出地域以外でも新型コロナウイス陽性者数が増加傾向にあること等も勘案すれば、発出地域も広がる可能性があり、発出期間も長期化することを警戒すべき」

と警鐘を鳴らす。

大和総研は4月22日、「三度目の緊急事態宣言発出による日本経済への影響」(シニアエコノミストの神田廣司氏、エコノミストの山口茜氏)と題するレポートを公開。GDPへの影響としては、1か月あたりで計算すると6000億円程度押し下げがあると試算した。

1回目の緊急事態宣言では、GDPへのマイナスの影響を1か月あたり3兆1000億円程度と試算。それに比べると今回は額がかなり小さい。

このレポートは、今回の緊急事態宣言が飲食店や大型商業施設、遊興施設などに休業や酒の提供を控えるよう求める一方で、家電量販店や自動車販売店などが休業要請の対象になっていないことを指摘。「耐久財消費は足元でも供給制約が生じておらず、宣言発出後も底堅く推移するだろう」と分析した。

ウイルスの変異株は全国各地で確認されていることなどから「宣言の対象区域が今後、拡大される可能性が高い」と指摘。首都圏3県を加えた7都府県に拡大した場合を想定すると、GDPへの影響としては、1か月あたりで計算すると、8000億円程度押し下げがあると試算した。

「7都府県で2か月の緊急事態宣言」を仮定

野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は4月23日、「より強い措置を伴う3回目の緊急事態宣言とその経済への影響」と題するレポートを公開。経済損失の試算によると、4月25日から5月11日までの17日間で関西3府県での経済損失は2880億円、東京都では4110億円となり合計6990億円で、年間のGDPを0.13%押し下げる、としている。

木内氏の過去の緊急事態宣言による経済損失の試算値は、1回目が6兆3700億円、2回目は6兆2800億円。また、まん延防止等重点措置の経済損失について、緊急事態宣言に転換した地域の効果を除き、新たに適用された松山市や、適用期間を延長した宮城・沖縄両県の効果を含め5540億円と試算した。

「3回目の緊急事態宣言の経済損失は、現時点では1回目、2回目よりも小さく、まん延防止等重点措置による経済損失をやや上回る程度」

としている。

木内氏は、3回目の緊急事態宣言について、さらに論じて「過去2回と同様に対象区域のさらなる拡大や期間の延長がなされる可能性が高いだろう」と予想。現状の4都府県に、神奈川、埼玉、千葉の首都圏3県が加わる「7都府県で2か月の緊急事態宣言」を仮定すると、経済損失は3兆8640億円になるという。

「緊急事態宣言の対象区域と期間がさらに拡大していけば、4~6月期の実質GDP成長率が2四半期連続でマイナスとなる、いわば『景気の三番底』の可能性も出てくる」と指摘。政府に対し、緊急事態宣言の発出と解除の繰り返しを避けるためにも、ワクチン接種率を上げる取り組みの、さらなる強化を求めている。

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