【地上波洋画劇場】すべてのサメ映画の原点にして頂点!『JAWS/ジョーズ』(1975)

拡大画像を見る

今宵の地上波洋画劇場は、巨匠スティーヴン・スピルバーグの名前を一躍世に知らしめた『JAWS/ジョーズ』の魅力を紹介!近年、多くのサメ映画が製作され続けているが、その原点にして頂点に君臨する作品こそが本作なのだ。

【地上波洋画劇場】とは、地上波洋画放送全盛の時代とは異なり、いまやTVで映画を楽しむ機会が減ってしまった全日本人にもう一度、映画の楽しさを再発見してもらいたい一心で始まった企画である。
ここでは、「午後のロードショー」や「金曜ロードSHOW!」、「土曜プレミアム」などで放送が予定されている作品の見どころや鑑賞の際のポイントを紹介していく。

今宵の【地上波洋画劇場】で取り上げる作品は、「午後のロードショー」にて2021年4月30日に放送予定となっている、1975年公開の映画『JAWS/ジョーズ』。

いかにして『JAWS/ジョーズ』は誕生したのか?

『JAWS/ジョーズ』は、1974年に出版されたピーター・ベンチリーによる同名小説を原作としている。
企画発足当初、ユニバーサル・ピクチャーズのプロデューサーは、映画『老人と海』(1958)などで海洋冒険映画を手掛けることに定評のあったベテラン監督ジョン・スタージェスを監督に起用することを考えたが、当時、駆け出しだった『男の出発』(1972)の若手監督ディック・リチャーズにオファーを出すことになる。
ところがそのリチャーズも紆余曲折を経て、結局降板することになり、最終的に『JAWS/ジョーズ』の企画自体に興味を示していた、当時26歳のスティーヴン・スピルバーグが監督に抜擢される運びとなった。

『JAWS/ジョーズ』(1975)

https://www.imdb.com/title/tt0073195/mediaviewer/rm1064386048?ref_=ttmi_mi_all_pos_332

この起用が大成功を収める要因となったことは言うまでもなく、巨大なサメの模型を作るなどのリアリティにこだわった撮影が功を奏し、圧倒的恐怖を醸し出す作品へと仕上がった。
しかし、撮影中は多くの苦難にも見舞われた。本作は、海で撮影が行われた最初の大作映画なのだが、それ故、サメの模型が海水によって幾度となく故障してしまう事態に見舞われたのだ。
そこでスピルバーグが思いついた巧みな対応策には驚かされる。なんと、極力、サメの姿を見せないようにしようとしたのだ。
この策もまた妙案となり、その後の恐怖映画の在り方さえ変えてしまったのである。

リゾート地が、あれよあれよと地獄絵図に変わる

映画『JAWS/ジョーズ』の物語の舞台は、澄んだ空気と海で有名なリゾート地・アミティ島。
ある日、女性の遺体が打ち上げられ、あまりにも見るも無残な姿で発見されたことから、サメの仕業であると断定される。
島の警察署長を務めるマーティン・ブロディ(ロイ・シャイダー)は、人々の安全を考慮してビーチの閉鎖を申し出るが、観光収入を第一に考える市長を初めとした有力者たちに反対されてしまう。
それどころか、サメ退治に3000ドルの懸賞金をかけようとさえするのだ。
いてもたってもいられなくなったブロディは、若き海洋学者のマット・フーパー(リチャード・ドレイファス)とプロのサメハンターであるクイント(ロバート・ショウ)に協力を依頼し、巨大ホオジロザメ撃退へと乗り出すのだった・・・。

『JAWS/ジョーズ』(1975)

https://www.imdb.com/title/tt0073195/mediaviewer/rm3059331072?ref_=ttmi_mi_all_sf_15

観光客で賑わうリゾート地が、あれよあれよという間に最悪の地獄絵図となってしまう様子を映し出しているのが本作だが、前述のように、やはり恐怖の対象である‘‘サメ’’を極力見せないようにしているところに、言いようのない恐怖を覚える。
アクシデントから浮かんだアイデアだとは思うのだが、この‘‘見せない恐怖’’こそが『JAWS/ジョーズ』成功の最大の要因だったように思う。
こういったところに、当時まだまだ一端の若手監督だったスピルバーグの才能を大いに感じさせるのだ。

『JAWS/ジョーズ』(1975)

https://www.imdb.com/title/tt0073195/mediaviewer/rm1977785089?ref_=ttmi_mi_all_bts_277

一本の「恐怖映画」として成立しながらも、同時に環境問題への警鐘を描いているのもまた見事。
大海原を我が物顔で商業に利用する人間たちに対しての海からの復讐を‘‘サメ’’という形で具現化しているのだ。
後年、スピルバーグ作品からは「反戦」や「自然保護」といった痛烈なメッセージが伝わってくるものが多いが、この頃からすでにそのスタイルは確立していたと言えるだろう。

3人の登場人物の感情を浮き彫りにした描写

映画『JAWS/ジョーズ』の主演俳優として、日本でも根強い人気を誇るのは、やはりブロディ署長役に扮した、ロイ・シャイダーだろう。

『JAWS/ジョーズ』(1975)

https://www.imdb.com/title/tt0073195/mediaviewer/rm3521787648?ref_=ttmi_mi_all_sf_157

何事にも屈しない寡黙な男が、ビーチを襲ったサメの存在に戦慄し、冷静な判断さえ下せなくなってしまう様子が、非常に説得力のある演技で演じられており、観る者の恐怖をより一層煽る。
その存在感たるや圧倒的なものがあり、カリスマ性にも目を見張るものがある。

『JAWS/ジョーズ』(1975)

https://www.imdb.com/title/tt0073195/mediaviewer/rm552285952?ref_=ttmi_mi_nm_sf_51

後にスピルバーグとは『未知との遭遇』(1977)でもタッグを組むことになるリチャード・ドレイファスは、古臭さを感じさせない小気味いい演技を披露し、屈強な船乗りのクイント役に扮したロバート・ショウは男も憧れる渋い演技でクイントというキャラクターを体現して魅せる。
特に注目は、やはり船内でクイントが自らの過去を語る場面だ。
ここでのショウの演技からは、まるで実体験であるかのようなリアリティが感じられ、思わず見入ってしまうこと請け合いだ。
後半はほとんど海上で展開されるのだが、警察署長、海洋学者、漁師という3人の男たちの感情を浮き彫りにした描写が見事である。

ジョン・ウィリアムズの効果的な音楽も相まって、これ以上ない完成された恐ろしさを醸し出すことに成功している、映画『JAWS/ジョーズ』。
ちなみに「ジョーズ」とは、「顎」のことを意味している。
この映画を観て、海が怖くならない人間は果たしているのだろうか?

午後のロードショー『JAWS/ジョーズ』は、2021年4月30日放送予定。

(文・構成:zash)

過去の【地上波洋画劇場】

関連リンク

  • 4/29 19:00
  • 映画board

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます