「自分の心に素直に」って、本当にいいことなんですかねぇ?

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―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

◆「自分の心に素直に」って間違っているんじゃないのか?

 今回はちょっと理解されづらい話をします。

 それは、「自分の心に素直に」とか「自分の感情を大事に」みたいなことが言われたりしますが、それは間違っているんじゃないのか?という話です。

 動物は食欲や睡眠欲や性欲やらの本能の赴くままに行動していたりします。もちろん人間には理性や自制心がありますが、とはいえ動物なので本能もあります。

 なので、例えば「痩せたい」と言っている人でも「おいしいものが食べたい」という本能に負けて食べ続けてしまう人がいますよね。これは「痩せたい」という本人の意思よりも食欲のほうが強いからですね。

 他にも「一目惚れ」という言葉がありますが、ほぼ全ての動物は友達からスタートとかではなく一目惚れでパートナーを見つけますから、一目惚れする人も本能に従っているわけですね。

◆本当の意味での自分の意思とは

 というわけで、「自分の心に素直に従う」というのは、実は本能に動かされているだけだと思うし、本当の意味での自分の意思というのは、「本能から来る欲望を無視して、他のことを優先できるのか?」ということだと僕は考えているわけです。

 いくらお腹がすいていたとしても、八百屋の店先に並んでいる果物をイキナリ食べないように、人間はある程度本能を抑制する方法を知っている動物です。店先の果物を食べたいと思ってもいきなり口に入れるのではなく、レジでお会計をするという手順を守ります。

 そういう我慢できる能力を本来は持っているのに、「自分の心に素直に」とか「自分の感情を大事に」という言葉を都合よく理解して、本能の赴くままの行動を正当化しようとする大人も多いです。そういう人を見ていると動物から人間に成りきれていないんだなぁ……と思ってしまいますよね。

 子供は理性がなく本能に従って行動するので、何かを欲しいと思ったときに、「それは自分自身の考えで欲しいのか? 本能に動かされて欲しいと思っているのか?」を考えないですし。

◆「なぜそう思うのか?」を言語化して文章にさせる訓練をしてみる

 つまり本能のままに行動する人は、こういう確認ができないまま大人になっている人なわけで、そういう人は、「本能」と「意思」を勘違いしているというか、自分をごまかして正当化しようとします。こういうのはトラブルのきっかけになることもあるので、子供にそうなってほしい親は少ないと思います。

 んじゃ、「どうやって訓練をすればいいのか?」と聞かれたら、例えば子供が何かが欲しいと言ったら、「なぜそう思うのか?」を言語化して文章にさせる訓練をしてみる方法がいいかと思います。

 そして、第三者に納得してもらえる説明ができれば、それを買ってもいいと判断してもいいと思うのですね。

◆合理的に考える癖がつく

 この確認ができるようになると、本能が欲しがるものではなく、自分自身が欲しいと思うものにお金を使えるようになるし、欲望よりも手順や考えを優先するので、トラブルを起こしにくくもなる。

 物事を整理して合理的に考える癖もつくので、お金の面だけでなく他人への説明も上手になったりします。

 もちろんアラブの石油王みたいにお金がいっぱいあるなら、本能の赴くまま何でも買いまくればいいと思いますが、普通の人はお金が無限にあるわけではないので、いつか足りなくなります。そして本能と素直を誤解して痛い思いをしてしまうのです。

 事実、本能の赴くまま不倫やらをして、失脚してしまう芸能人とかもいるので……。

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねる・ニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト『4chan』現管理人。SPA!誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)など

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  • 日刊SPA!

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