日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断/「清水との黄金コンビ」松浦がダービー初V

【京王閣「日本選手権競輪」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人】

◎松浦悠士/○郡司浩平/▲平原康多/△清水裕友/和田健太郎/守澤大志/山田英明/浅井康太/稲川翔/古性優作/新山響平/吉田拓矢

 ダービーは賞金が高く、2、3着でもSS班が見えてくることになる。今年はGWに行われるGIの最高峰「日本選手権競輪」(京王閣/5月4日【火】~9日【日】/通称ダービー)。中心はSS班の7人だが、まだ誰もここを勝っていない。GIの中では賞金も群を抜いて高く、決勝戦2、3着でも来年のトップ9が近づいてくるだけに、激戦が相次ぐ6日間になりそうだ。

 本命には松浦悠士を推す。多彩な戦いぶりに隙はなく、その自在な動きは鋭さを増すばかり。清水裕友との黄金コンビで日本一の称号を手にする。対抗は郡司浩平。みずから仕掛けなければいけない分、割り引いたが、南関の先行が勝ち上がるようなら番手まくりでGI連覇がある。あとは、平原康多の好位抜け出しと、清水のまくり一撃を警戒したい。

 守澤太志がSS班の自信と責任感で好走している。もともとレースはうまかったが、位置を主張できるようになり、ゴール前の差し脚にスゴみが加わってきた。全日本選抜3着の再現があってもおかしくない。劣勢の近畿勢では、古性優作が健闘している。松阪ウィナーズCは、まさに技ありの2着だった。勝負強さと展開の読みは名人級。大舞台を盛り上げる名脇役として注目したい。

 伏兵の1人目は鈴木庸之(新潟・92期)。昨年11月の競輪祭、1月には立川と大宮の両記念で決勝戦に乗ったように、2班では屈指の戦績を誇る。予選を突破し、関東の一員として戦う姿が見られそうだ。

 野口裕史(千葉・111期)が前走の西武園【1】【1】【1】【1】で記念初優勝を飾った。それも準決勝では平原を破ってのもの。体重100キロ前後の機動型で、スピードに乗れば止まらない。GI初登場の上田尭弥(熊本・113期)は、7月から待望の1班になる。3月大垣記念【1】【2】【2】【8】の準決勝では郡司にまくられたが、よく粘っていた。初日は1着で狙いたい。

 3日目の「ガールズケイリンコレクション」は、ここまで17連勝中で、6場所連続Vの児玉碧衣が断然の主役を務める。相手は○久米詩、▲荒牧聖未、△佐藤水菜の争いだろう。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

2021/4/28 17:58

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