吉岡里帆『レンアイ漫画家』惨敗視聴率でも「センス爆発」の“間”

 今クールはユニークな試みを入れたドラマが多いせいか、少々、困惑を伴うことも多い。鈴木亮平(38)主演の『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)も、本来なら20代前半を主役にするような恋愛ドラマなのに、あえて40近い実力派の彼を持ってくるという意外なキャスティング。

 どう出るかとドキドキしながら見たが、私はがっつりハマった。

 平均視聴率(ビデーリサーチ調べ/関東地区/世帯/リアルタイム)は初回の6.5%からユルユルと下がり、22日放送の第3話は4.8%。視聴率だけみれば惨敗といえるだろう。確かにストーリー的に現実味はないし、疑似恋愛を遂行するという設定もどうかと思う。


 しかし、ヘンにリアルに捉えなければ、見ていて本当にラクなドラマなのだ。久遠あいこを演じる吉岡里帆(26)の百面相と、いろんなタイプのファッションの着こなしはひたすらかわいい。そして、セリフや行動の「間」が素晴らしい。彼女のコメディエンヌのセンスを感じる。 

 また、他のドラマでもあまり見たことのない、不器用でオドオドした目の鈴木亮平の演技はひたすら萌える。鈴木演じる漫画家・刈部清一郎がだんだん笑顔になり、あいこと距離を縮めていくというシンプルな展開もラク。編集・向後役の片岡愛之助も(49)いいスパイスになっているし、なにより弟の息子のレン(岩田琉聖/10)が、けなげ! この4人が集まったシーンはほのぼのし、ファミリードラマの要素も押さえている。

■闇落ち展開は不要!

 またキスやハグなど「ザ・ラブシーン」といえるラブシーンがないのもラクポイント。濃厚ラブシーンを照れつつキャーキャー見る気力がない今、このライトな感じがちょうど。毎回、清一郎のあいこに対する素直な気持ちや行動が表れるシーンを、あえて切り取ってラストに持ってきているのもいい。だいたい想定内の内容なのだが、胸キュンの答え合わせを楽しんでいる。

 ということで、恋愛ドラマ、人づきあいベタな男が心を開く人間ドラマ、ファミリードラマ、出版社の裏事情、これまでとは違う鈴木亮平のカッコ良さ、吉岡里帆のかわいさとコメディエンヌぶりがふんわりと楽しめるバラエティパック感が本当にラク。私の今クールのオアシスタイムとなっている。

 最終回までのんびり楽しみたいので、急な闇落ち展開などないように願う。(田中稲)

2021/4/28 10:00

この記事のみんなのコメント

2
  • テレビいまだに見ている人いるんたあ~❔

  • 平安貴族

    4/28 19:44

    ドンぎつね以外に需要無し

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます