長谷川博己の亡父への思い、戸田恵子や松坂慶子の介護、チェッカーズ昔話……「日本の高齢化」を反映する女性週刊誌

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 「女性自身」表4(後ろの表紙)をめくってびっくり。巻末グラビア頁に作家の室井佑月、51歳の白無垢姿と顔写真がデカデカと載っていた! 実はこの結婚式に筆者も参加していて、確かに実物もお綺麗だったが、ここまでアップでしかもカラーで掲載って――。連載作家への熱いお祝いの思いが溢れた「女性自身」グラビアだった。

第550回(4/25〜4/27発売号より)
1位「長谷川博己 3日フル実家大整理に『亡父との約束』感涙秘話」(「女性自身」5月11・18日合併号)
同「戸田恵子50年前離別の90歳父をワンオペ介護中」(「女性自身」5月11・18日合併号)
同「松坂慶子『恩讐を超えて』あの絶縁母を自宅で看取るまで」(「女性セブン」5月6・13日合併号)
2位「藤井フミヤの“チェッカーズ曲”解禁で高まる再結成の気運」(「週刊女性」5月11・18日合併号)
3位 ほかにも沢山! 女性週刊誌の“過去振り返り芸能企画”の数々

 ゴールデンウイーク直前だからか、緊急事態宣言の直前だったからか。女性週刊誌には大したネタが載っていない。そして目に付くのが、芸能人たちの“親ネタ”だ。芸能人自身の近況やスキャンダルなどではなく、彼らが直面している親の介護や看取りなどを取り上げ、それが企画となり記事となる。

 まずは大河ドラマも一息つき、長年の恋人・鈴木京香との関係が取りざたされている長谷川博己。しかし「女性自身」の記事には鈴木の名前はおろか、その存在についても一切触れられてはいない。代わってモチーフとなっているのが2年前に逝去した長谷川の実父の存在だ。

 亡父の三回忌当日、長谷川は東京郊外の実家でひとり荷物を運び出すなど家の大整理を行ったという。この実家に関しては父親の死後、母親が相続したが、しかし昨年2月、息子の長谷川がこれを“相続”したのだ。そして記事には、生前の父親と長谷川との関係や確執、亡父の家に対する思い、それを相続した長谷川の思いなどが綴られていく。

 そして次は女優の戸田恵子。戸田は16年前に他界した母親を自宅で介護したという経験を持つが、今度は実父の介護を行っていると記事では紹介されている。すでに50年も前に母親とは離婚した父親だったが、数年前に脳梗塞で倒れ、名古屋の施設に入居していた。しかしコロナ禍では見舞いもままならない。そのため東京の介護施設に入居させ、足繁く通い通院に付き添い、会えない日は電話をする日々――。

 そして、これまた女優の松坂慶子。ご存じのように松坂は1991年、ギタリストの高内春彦との結婚に大反対した両親と長く絶縁状態にあったが、約20年後の2012年になって母の介護のため、家族全員で実家に戻ることに。それ以前の06年、父親が糖尿病で寝たきりになり、松坂はその介護もしたが、父親は婿の高内と和解しないまま逝去。高内も子どもたちも松坂を支え続けたが、2年ほど前から寝たきりになった母親は、今年春に逝去したという。

 似たような親の介護・看取り記事が3本も――。もちろん現在の日本が異例の超高齢化社会ということもある。そして介護問題が大きな社会問題となっていることから、こうした記事に需要がある。そして、もうひとつ。紙媒体である女性週刊誌の雑誌の購買層、読者層もまた高齢化しているということもあるだろう。

 だから高齢者層、そしてそれを支える中高年層に訴えかけるという記事が成り立つ。“芸能人だって介護に直面している。自分たちだけではない”とシンパシーを感じる読者も多いだろうから。

 こうした現象は女性週刊誌だけではない。「週刊新潮」(新潮社)や「週刊ポスト」(小学館)といった一般週刊誌も同様だ。ネットがこれほど普及した今、紙媒体の未来はどうなるのか――。わかっているつもりだが、改めて悲しい気分になった3本の“芸能人介護ネタ”だった。

 ここ最近、女性週刊誌でやたらと取り上げられているネタ。それが、藤井フミヤがこれまで封印してきたチェッカーズ時代の歌を解禁したということ、そして、それに絡めてチェッカーズの再結成があるか否か、というものだ。

 まずは「女性自身」(4月13日号)。チェッカーズ時代のヒット曲(『ギザギザハートの子守唄』や『涙のリクエスト』など)を手がけた作曲家・芹澤廣明氏にインタビュー。フミヤとの確執の真相、そして昨年の和解電話と会食について語っている。また「女性セブン」(4月29日号)では、フミヤ本人に直撃取材を敢行、チェッカーズ時代の歌を封印していたのは自分一人がビジネスにするのは抵抗があったからであること、芹澤氏とは行き違いがあったことなどを語らせている。

 そして今週は、ついに「週刊女性」もチェッカーズネタを取り上げた。もちろん先行2誌の差別化を図る必要があったのだろう。「週女」ではチェッカーズのリーダーだった武内亨を直撃している。そこで武内は、自身がフミヤと芹澤氏の架け橋になっていたことを明かし、04年に若くして亡くなったメンバーの徳永善也が「もういない」ことを理由に再結成を固く否定した。

 さらに、かつて暴露本まで出し、フミヤとの確執を隠さなかった高杢禎彦にも直撃、高杢本人からはコメントはもらえなかったが、その妻から「チェッカーズのみなさんとは現在、距離を置いていますので何もわかりません」というコメントをゲットしている。

 それにしても、どうして女性週刊誌は、こぞってチェッカーズネタをここまで熱心に取り上げるのか。もちろんフミヤは現役の人気アーチストだ。しかし、チェッカーズはすでに92年、実に今から30年も前に解散したグループ。いくら伝説的グループとはいえ、これほどまでに力を入れるとは――。

 これもやっぱり読者層、そして女性週刊誌の作り手(編集や記者)の世代が大きいのかも。チェッカーズ世代、ね(笑)。

 さらに、今週の女性週刊誌全体に目についたのが“過去振り返りネタ”だ。「女性自身」では 80年代振り返り連載「私たちの80年代」でドラマ『スチュワーデス物語』を取り上げ、「週刊女性」ではピンクレディとキャンディーズの解散まで遡った「アイドルグループ解散の“事情”」や90年代のヒット曲の裏側特集企画。

 芸能関連でなくても介護や認知、年金やシニアソロ活など、高齢者をターゲットにしたようなテーマが盛りだくさん。冒頭の室井“白無垢”姿も含め、いい意味でも悪い意味でも、日本の高齢化の現状を目の当たりにした今週の女性週刊誌だった。

  • 4/27 21:00
  • サイゾーウーマン

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