100均ショップ浄水器の意外な評価。東京、千葉の水道水と飲み比べ
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◆東京の水はまずい?
水道水、飲めますか? 引っ越しシーズンになるとよく聞くのが「東京の水はまずい」という言葉。地方から就学や就職で上京してくると大抵の人が水道水は美味しくないと言います。
ですが、東京都は多摩川水系から利根川・荒川水系がメインとなり浄水施設も進化、高度浄水処理が導入された現在では昔ほどまずいと言うことはなく、今ではミネラルウォーターと同等の美味しさなんて言う人も居ます。
そしてこの美味しくないと言われる東京の水よりもさらに美味しくないと大多数の人が言うのが千葉西部の水。印旛沼水系は高度経済成長時代の工業排水などにより水質汚染が進み、ワースト上位に入るほど。
平成20年より千葉県水道局水道事業安全計画に基づき高品質の水道水にするべく水質浄化に努めていますが、まだまだおいしい水に慣れた人の口には合わないのが実態のようです。
◆味の違いを確かめてみた
もちろん、マンションなどの集合住宅に採用される貯水槽水道方式と水道管直結給水方式では水の味も変わってしまうため、同じ水系でも住む場所によって水の味に違いが出てしまいます。
さてそんな「東京の水がまずい」と言う筆者の知人達が本当に味の違いが判っているのかテストしてみました。
用意したのは、
・東京都 下町の水道水
・千葉県 北西部の水道水
・100円ショップ浄水器を通した水道水
・蛇口直結型浄水器を通した水道水
・ミネラルウォーター 軟水
・ミネラルウォーター 硬水
紙コップに少量ずつ水を入れ、味の違いがわかるか味の違いや飲める飲めないを示してもらいました。
結果はと言うと、水道水は薬品臭がするのですぐに判るという答えが大多数で、東京の水と千葉の水は明確に判るほど薬品臭に差があるようです。ただし蛇口直結型浄水器を通すと薬品臭等が消えるようでミネラルウォーター軟水とは判別がつかなくなると言った結果になりました。
ただし、硬水はのどに残る違和感がある為、違いが判別できる模様。
◆100円ショップ浄水器の意外な評価
意外な結果だったのが、100円ショップ浄水器。全員が普通にすんなり飲めて美味しいと言った感想を示しており簡易浄水ながら性能の高さをアピールしていました。ぶっちゃけ、110円で購入できて2ヶ月間この性能を維持できるなら導入を検討したいと言った意見もありました。
水道代を払っているとはいえ、ただで飲める水なのにわざわざミネラルウォーターを買ったり浄水器をつけたりと言った事は水の味に鈍感な筆者にはなかなか理解しにくい部分もありますが、水に文句を言う知人達がこうも的確に味を当てているのを見ると考えを改める必要がありそうです。
おいしい水はリラックス効果やデトックス効果が期待できるなんて話もあります。人間の生活に欠かせない水について考えてみるのも良いかもしれませんね。
<文/板倉正道>
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【板倉正道】
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク