日本男児も大活躍!アイドル選抜番組“中国版プデュ”でデビューする11人を一挙紹介

 世界中に配信され、番組総再生回数は50億回を突破した中国のサバイバルオーディション番組『創造営2021』(ソウゾウエイ ニーゼロニーイチ)。テンセントグループのWeTVで配信中の同番組、最終回が4月24日に配信され、視聴者投票によって日本人を3人含む11人の男性アイドルグループ「INTO1」(イントゥーワン)が誕生した。

 このオーディション番組は、90人の候補生が様々なコンセプトでのグループバトルを行い、視聴者投票によって結果が決まる。韓国のオーディション番組『PRODUCE101』と似ているので、中国版プデュ(『PRODUCE101』の愛称)とも呼ばれている。

 『創造営』は2018年に初回が開催され、回を重ねてきたが、今回は日本人が17人も参加。中国本土ですでに人気のある芸能事務所の練習生たちが参加するなか、全く無名でありながら、圧倒的な実力を見せ、エイベックスに所属しているサンタ、力丸、ミカの3人がデビューの座をつかんだ。

 エイベックスに所属しているとはいえ、彼らのことを知らない人も多いことだろう。しかし、サンタと力丸は日中混合のグループ「WARPs UP」(ワープスアップ)のメンバーとしても活動している。

 そこで、「INTO1」のメンバー11人を一挙に紹介しよう。

◆サンタ ダンスバトル大会の世界チャンピオン

 サンタは著名なダンスバトル大会で世界チャンピオンとなった経験もあり、SHINee、テミンのバックダンサーを務めた経験を持つ。輝かしい実績がありながらも、番組の後半でサンタは「中国に来るまで、ファンは100人もいなかった。でも今は本当に多くの人が観てくれている」と話し、これまでが苦節の日々だったことを話している。

 彼はことあるごとにストリートダンサーであることを口にしていたが、誇りを持ち、ダンサーにも光が当たる未来を望んでいたからこそのことだろう。

◆力丸 振付師として活躍

同じく、“WARPs UP”のメンバーとして活動していた力丸の年齢は現在27歳。SHINee、NCT127の振り付けをするなど振付師として活躍。

 オーディションでは、練習生たちにその技術を惜しみなく伝授。徐々に中国語をマスターしていき、同じくデビューメンバーに選ばれたAKへ愛のこもった手紙を訳してもらい、朗読するなど心優しい一面も注目されていた。

 年齢相応に見えない肌を、メンターから羨ましがられるシーンも。

◆MIKA 親友の脱落に涙

 そしてもう1人の日本ルーツなのは、INTERSECTIONのMIKA。彼はアメリカと日本のハーフであり、他のメンバーであるCaelan、Kazuma(途中辞退)とともに参加。

 番組ではお調子者な一面もありながら、オーディションを思う存分に盛り上げてくれたラッパーの曽涵江(ハンジャン)と親友になり、曽涵江が脱落したときはボロボロと泣くシーンも。同じ夢を目指しているからこそ、国境を超えて、そして言葉の壁を超えて本当の友情をはぐくんでくれるのもサバイバルオーディションの魅力だ。最終回で、MIKAの発表を誰よりも興奮して観ていた姿も印象的だった。

 最後に、ずっと一緒に過ごしてきたINTERSECTIONのcaelanが選ばれず、離れ離れになるシーンはこれまで番組を見てきた視聴者の多くが涙したことだろう。

◆劉宇(リュウ・ユ)1位にふさわしい優しさとまっすぐな性格

 このオーディションで1位を獲得したのは、優雅で美しい雰囲気をまとう劉宇(リュウ・ユ)。

 中国の伝統的なパフォーマンスを取り入れたダンスで圧倒するだけでなく、優しさが滲むあたたかい空気感の中に、凛としたまっすぐな性格が表れる彼は、まさに1位に相応(ふさわ)しい人物。

 自分の敵は自分しかいないと言い放ち、過去の自分にも拍手をする彼が、いったいどんなグループへと牽引(けんいん)していくのか楽しみだ。

◆高卿塵(Nine/ガオ・チンチェン)愛され力を発揮

 さらに、今話題のタイドラマに俳優として出演していた、表現力と演技力が申し分ない高卿塵(Nine/ガオ・チンチェン)と尹浩宇(Patrick/イー・ハオユー)。

 Nineはかわいらしいキャラクターで、オーディション中も愛され力を発揮。彼の部屋には練習生が続々と集まるなど、慕われている姿も印象的だった。

◆尹浩宇(Patrick/イー・ハオユー)メンターから高評価

 序盤からメンターのNing Jing先生に、ボーイズグループにいるべき存在と言われていたPatrick。同じタイ人のNineと共に、恐るべき速度で習得した中国語を流暢(りゅうちょう)に話し、まったく言葉の壁を感じさせないところはさすが。

◆林墨(リン・モー)情に厚く友達に欲しいタイプ

 おちゃめだけど仲間想いで、普段は涙をみせずに明るく振舞っているのに、ずっと一緒に過ごしてきた同じ事務所のメンバーを思い出すと涙が溢れてくる情に厚い林墨(リン・モー)。友達に欲しい。

◆伯遠(ボー・ユエン)あきらめきれなかった夢を叶えた

 これまでもずっと活動してきたにも関わらず芽が出なかったが、それでも諦めきれなかった夢を叶えるために参加し、ついに今回の参加で両親にこの夢を認めてもらった伯遠(ボー・ユエン)。

 デビューメンバーの発表がされたときに、周りの練習生が一気に彼に抱きついたところに、彼の人望がかいま見えた。

◆張嘉元(ジャン・ジャーユエン)ダンスでセンターを務め成長

 バンドとして活躍し、楽器のイメージが強かった張嘉元(ジャン・ジャーユエン)は、ダンスチーム『Therefore I am』のダンスパフォーマンスでセンターを務め、新たな殻を割り成長。そのあか抜けっぷりも印象的だ。

◆周柯宇(ジョウ・クーユー)圧倒的なビジュアル

 圧倒的なビジュアルと高身長、そしてクールな雰囲気が目を引く周柯宇(ジョウ・クーユー)。一時は1位を獲得するものの、ランキングが下降。それでも自分らしくいることを忘れずにデビューをつかんだ。顔がいい。

◆劉彰(AK/リュウ・ジャン)ドラマチックな人生のラッパー

 劉彰(AK/リュウ・ジャン)は、ラッパーとしてアイドル、ボーイズグループをディスった過去があり、知らない世界を知るために番組に出演。最初はほかの練習生に怖がられていたが、自己紹介でこれまでの自分は間違っていたとラップで表明し、会場の心をグッと掴んだ。

 その後、ボーイズグループの素晴らしさや、苦しさなどに開眼し、本気でデビューメンバーに選ばれたいと願うようになり、デビューをつかんだ、映画化待ったなしの人生を送っている。

◆決勝まで進んだ日本人メンバーも大きな活躍が期待

 そのほか、決勝には、JO1が誕生した『PRODUCE101 JAPAN』に出演していた井汲大翔や、元ジャニーズJr.の羽生田挙武なども勝ち上がった。

◆井汲大翔 中国で圧倒的な人気を集めた

 井汲大翔は、メンターやほかの練習生からもとびきりかわいがられ、部屋割りの時はみんなから引っ張りだこの状態に戸惑いつつ、「かわいいだけじゃないところを見せたい」と、ワイルドなダンスにも挑戦。

 あまり感情を表に出すシーンが少なかったからこそ、順位発表でデビューがないことを察し、他の練習生の合格を必死に涙ぐみながら拍手をしていた姿が印象的だった。中国で圧倒的な人気を集めたため、中国での仕事も増えることだろう。続報を楽しみにしたい。

◆羽生田挙武

 出演が決まった時から話題となり、最初のクラス分けで吉川晃司の『モニカ』をキレッキレのダンスで披露した羽生田挙武。中国人からは“アンディ・ラウ”に似ていると話題を集めていた。

 彼は同じく日本から参加した喜内優心と仲良くなり、喜内が脱落した後に落ち込みながらも、周りの優しさに触れ、さらに成長していく姿が映し出されていた。今後、彼もいったいどんな仕事を選んでいくのか、注目していきたい。

◆Caelan(ケーレン)ディカプリオ似で話題に

 デビューメンバー入りするだろうと誰もが思っていたCaelan(ケーレン)。レオナルド・ディカプリオに似ていると練習生からことあるごとに言われ、そのビジュアルが話題に。

 終盤は、デビューメンバーに選ばれなければ、これまでずっと一緒に過ごしてきたMIKAと離れ離れになってしまうかもしれないからこそ、一緒にいたいとMIKAの部屋へと移動を希望。仲間以上、家族の様な存在である2人の関係もしっかりと映し出されていた。

◆ここまで日本勢が支持を受けるとは

 番組の開始当初は、ここまで日本勢が支持を受けるとはだれが想像していただろうか。

 コロナ禍のため、すぐに日本への凱旋(がいせん)ライブは難しいだろうが、いまや配信ライブなどで世界中が各国のアイドルグループを応援できる時代。活動期間は2年間と決まっているため、このグループを推す人たちは後悔のないよう応援して欲しい。

 そしてこの2年間で、さらに彼らがどう成長するのか、どう世界に羽ばたいていくのか、楽しみで仕方がない。

<文/吉田可奈>

【吉田可奈】

80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、出版社に入社、その後独立しフリーライターに。音楽雑誌やファッション雑誌などなどで執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。長男に発達障害、そして知的障害があることがわかる。著書『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』Twitter(@knysd1980)

2021/4/27 8:46

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