「私って結婚したいの?」39歳・高学歴女性が婚活して気づいた心の内

◆「未婚」欄にマルをつけて気づく、結婚していないことへの不安

 こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。

 婚活のアドバイスをしている私ですが、相談にいらっしゃるのは結婚したい方ばかりではありません。

 直子さん(仮名・39歳)もその一人。第一印象は化粧っ気がなく地味な恰好、ボサボサヘアで白髪もあり、実年齢より年上に見えました。

 見た目を気にしないのは今に始まったことではないようでした。中高時代は有名女子校に通っており、周りは女子ばかり。他校の男子と積極的に交流したがる派手なクラスメイトもいたそうですが、「別人種」と思って自分と似たような友人と仲良くしていたそう。その後も有名大学・大学院に進学し、研究職として就職。学生時代の友人はいまだに皆独身だそうです。

「どうして婚活しようと思ったのでしょうか?」

「アンケート記入がきっかけです。年齢を書く欄の横に<独身・既婚>の選択肢があって。それを書いたときに、『あ、私は39歳独身なんだ』って思ったんです。この先結婚しないままでいいのかなと不安に思って」

◆婚活のハードルがとにかく高い

 結婚する気配もないまま39歳になりましたが、すぐに婚活とはいかなかったと言います。

「街コンや婚活パーティーはかわいい子がモテるって聞いて、私が行っても相手にされないと思いました。結婚相談所も結婚できる人って1割程度らしいし、ネガティブな口コミも多くて」

 直子さんの話す情報はウソではないですが、そこまで悲観することはありません。年齢を区切っている婚活パーティーもあると提案しても、イマイチ気乗りしないようです。

「知らない男性と何を話したらいいか分からないし、失敗はしたくないので」

◆提案しても、すべて「でも」で返される

 そこで、結婚相談所の提案をしてみました。仲人みたいなお節介する人がいなくて、安い相談所もあるのでおすすめなのです。

「でも、登録しても絶対に結婚できるわけじゃないんですよね」

「もちろん努力は必要です。婚活で成功する確率を上げるために、メイクや服装も年相応の女性に見られるようにしましょう」

「でも、この格好で不都合を感じたことはないです

 何を言っても、こちらの提案を全て断ります。直子さんの枕詞は全て「でも」でした。

◆自分のスケジュールがわからないアラフォー女性

 それでもなんとか説得し、結婚相談所で一歩踏みだしてみると決めました。結婚相談所在籍の女性で一番多いのは30代後半、さらに直子さんは高学歴でスペックが高いため、相談所での婚活は向いています。

「今月中に写真が用意できたら、来月からは開始できると思いますよ。写真撮影はいつ頃行けますか?」

 何てことない質問をすると、直子さんは考え込んでしまいました。なんでも、職場でスケジュールを確認しないと分からないと言うのです。

「プライベートな時間管理ってどうしていますか?婚活を始めると、デートするので忙しくなるんです」

 直子さんに限ったことでなく、婚活女性で手帳を使っていない方は珍しくありません。自分の時間を管理しない結果、期限を決めなければいけないことを「今度やろう」と後ろ倒しになり、決めたことさえ忘れてしまうのです。

「でも、手帳に書くほど予定ないし……。」と不満をぶつぶつ呟いていましたが、その後季節外れの手帳を購入したという連絡がありました。その手帳が婚活の予定で埋まることを期待しつつ、直子さんの婚活が上手くいくことを願っていました。

◆3回目のデートまでに気持ちを決めなきゃいけない?

 約1年後、直子さんはまたご相談にいらっしゃっいました。そして一言。「本当に結婚したいのか分からなくなったんです」

 残念ながら、手帳がデートの予定で埋まることはなかったようです。結婚相談所で申込みが来ても会わずに断り、1年間で会った男性はたった一人だけ。その男性は10歳程年上で、悪い人じゃないと思い2回目も会ったそうです。

「また今度お出かけしましょうと言われて、このまま会い続けていいのか不安になりました。好きか分からずこんなに悩むのに、会っていたら相手に悪いし。断った方がいいのかなと思いつつ、一人で決める前にと相談に来ました」

 たった2回しか会っていない、ましてや告白もされていない男性のことを悩んでいました。

◆真面目すぎるがゆえの悩み

「お相手も複数の女性と会っているでしょうし、向こうから断られるかもしれません。告白されてから断ることだってできるから、考えすぎないでくださいね。あちらだって直子さんのことを好きか分かりませんよ。ちなみに直子さんはどう思っているんですか?」

「混乱しています。嫌いじゃないし、失礼なことをされたわけでもないです。ただ、今の状況で付き合うか結論を出すには至りません」

 真面目すぎるがゆえの悩みなのでしょう。難しく考えず、次のデートでその気持ちをそのまま伝えるようアドバイスをしました。<嫌いなわけじゃない、混乱していて変化についていけない、決められない>という3つを伝えれば良いだけです。

 直子さんからはその後「相手からはのんびり行きましょうと言われました。とりあえず会ってみます」と連絡が来ました。しかし、婚活に疲れてしまい、結婚相談所は退会したそうです。

◆アラフォーより50代の婚活の方が楽?

 こうして直子さんの婚活は一旦休憩に入りましたが、では40代で結婚しない人生を選ぶとこの先1人なのでしょうか?

 実は、そういうわけではないのです。確かに婚活は若い方が有利です。しかし、40代女性と50代女性を比較すると、50代女性の方がスムーズに婚活を卒業していくのです。「IBJ成婚白書2018」によると、結婚相談所を利用する50代前半女性は4~5か月で成婚退会される方が多いようで、30代後半の6~7ヶ月や40代前半の7~8ヶ月よりも短いのです。

 結婚相談所では30代の男女比だと女性が圧倒的に多いのですが、50代になると男性の方が多くなります。(しかし、50代男性がみんな同年代女性と結婚したがるわけではありません……)

 加齢とともに子どもを望まなくなったり、親も口出しをしなくなったりと、結婚相手に求める条件も減ってくるのです。もし、直子さんがこの先結婚したくなったら、その時が直子さんのタイミングかもしれません。周りと比べて焦るより、自分のペースを大切に婚活・結婚していきましょう。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<取材・文/菊乃>

【菊乃】

恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

2021/4/26 15:47

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます