カーマニアを喜ばせるイタフラ車は壊れやすい幻想

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆イタフラ車に対する偏見があるから、我々は安くてステキな、中古車に巡り合える!

 フェラーリ(伊)、ランボルギーニ(伊)、BMW(独)、シトロエン(仏)を所有する永福ランプこと清水草一が、またまたクルマを買い替え! シトロエン→ルノーへとフランス車を乗り継ぎました。イマドキのイタフラ車はビビらなくても大丈夫! 中古なら安く買えるし、まず壊れない。仮に修理しても、トータルで考えればお得なのです!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi

◆イタフラ車オーナーの叫び!

担当K:またクルマ買い替えたんですか!

永福:また買い替えけど、今回も節約なお買い物だよ。

担当K:去年カウンタック買ったばっかりで、どこが節約なんですか!

永福:カウンタックは値下がりしないから節約なの。んで今度のルノー・トゥインゴは、4年半落ちの中古で車両本体115万円。シトロエンDS3の下取りを差し引くと60万円くらいしか追加で払ってない。キミのポンコツ・アルファ147、今まで修理代いくらかかったの?

担当K:クラッチとオルタネーターが逝ったんで、ついでにタイベルとウオーターポンプも交換して、合計40万円くらいです。

永福:車両本体の28万円と合わせると68万円。オレのほうが安上がりじゃんか。

担当K:部品は激安通販で取り寄せてますし、天井の垂れ、内装のプラスチック表面の溶け、パワーウィンドウの故障は自分で直してるんで、ものすごく節約してますよ! っていうか、4年半落ちのトゥインゴなんかどこも壊れないでしょ?

永福:まだ買ったばっかりだけど、あと10年くらい、どこも壊れそうにないねえ……。

◆ポルシェ911と同じRR

担当K:どこも壊れなかったら、やることなくてつまんないじゃないですか! なんか改造するんですか?

永福:しないよ! MTがあるマニアックなグレードじゃなく素のATのトゥインゴが一番好きで、わざわざそれを買ったんだから。フランス車らしいオシャレ感と軽快な乗り味に癒されながら、ポルシェ911と同じRR(リヤエンジン・リヤドライブ)レイアウトの操縦性を楽しめるのが、このクルマの美点だからね。

担当K:そんなトゥインゴが115万円は安いですよね?

永福:いや、そこまで安くもないなあ。トゥインゴはけっこう人気あるから相場が下がってない。新車価格が200万円ちょいだから、「80万円くらいでイケるかな?」って検索したら、けっこう高くてビックリしたよ。オレが買ったのは走行距離が6万8000㎞で、中古車サイトで見たなかでは一番長かったから、そのぶん安かったけど。

担当K:2万㎞くらいのトゥインゴは、150万円くらいしますよね。

◆マニア人気が高い

永福:やっぱりRRってこともあって、マニア人気が高いんだろうな。6万8000㎞なんて何の問題もないから、安いぶんお得だ。今のフランス車はすごく丈夫だから。

◆イタリア車よりフランス車のほうが丈夫?

担当K:うちのシトロエンも5年目ですがノートラブル。イタリア車よりフランス車のほうが丈夫そうですね。

永福:いや、イタリア車も壊れないんじゃない? キミの147は車齢20歳だけどどう?

担当K:そうですね。そもそも故障じゃなく、部品の寿命が次々にやってきてる感じです。

永福:オレがあげた前の147も、いわゆる故障はしなかったよね?

担当K:ダンパーが完全に抜けたとか、内装がドロドロに溶けたとか、常にオイルが漏れていた以外は、15万㎞までフツーに走りましたし、故障らしい故障はなかったですね。

永福:でしょ。21世紀製のイタフラ車は、ものすごく丈夫なんだよ。たぶん15年15万㎞くらいまでは。

担当K:ドイツ車よりは丈夫ですよね。

永福:ドイツ車なんて、6万㎞ぐらいでいろんなところがダメになってくるからね。オレのエリート特急こと先代BMW3シリーズも、スピードセンサーが故障したり、早くもサスがヘタり始めてる。

担当K:ドイツ車には絶対勝てますね。しかもイタフラの中古車は安い! 国産車より断然安いですから。

永福:国産のフツーの中古車なんて、高いわりにショボく見えるからそそられない。中古イタフラ車は安くて丈夫でオシャレさんだから、本当に狙い目。しかもまず盗まれない。盗む価値がないと思われてる(笑)。

担当K:青森の実家みたい(笑)。家にカギなんかかけてませんでした。

永福:盗難対策ゼロでいいって、気持ちがラクだよね~。

◆【結論!】

 いまだに「国産じゃないなら最低ドイツ車」とかビビってるから、故障で痛い目に合う。レクサスとか買うから盗まれる。激安中古イタフラ車は、オシャレで丈夫で安上がりで、しかも盗む価値なしのパラダイス!

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

【清水草一】

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

2021/4/25 8:52

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