巨人・原監督の「恐怖政治」再び…開幕1か月で激変!真のチーム力&監督力

 プロ野球開幕から約1か月がたち、各球団は20試合超を消化。だんだんと、それぞれのチームの戦い方が見えてきた状況だ。

『週刊大衆』3月22日号では、開幕直前にセ・パ12球団の今季の戦力を分析したが、いざ開幕を迎えると、下馬評通りの力を見せるチームもあれば、思わぬ苦戦を強いられるチームもある。

 そこで今回は、現時点でのチーム戦力、そして監督の采配力を再検証。改めて、今季の真の実力をあぶり出そう。

 まずはセ・リーグ。なんといっても注目は、首位をひた走る阪神だ。

「打率、本塁打、総得点と、チームの打撃成績は、どれもリーグトップ。課題だった打線の得点力不足を解消しつつ、チーム盗塁数もリーグトップで、足を絡めた多彩な攻めも目立ちます」(スポーツ紙記者)

 片や投手陣も、そんな強力打線に引けを取らない。阪神OBで野球解説者の江本孟紀氏は、「出来すぎですよ」と前置きしながら、こう分析する。

「まだ先発ピッチャーが5回持たずにノックアウトされるというケースがない。これがチームの好調を支える柱になっているんです」

 実際、他球団と比較して失点が圧倒的に少なく、チーム防御率は2点台前半だ。

「4月20日の巨人戦で3勝目を挙げたエースの西勇輝が4失点したのが最多失点。それ以外、先発陣はほぼ2点以内に抑えていますから、“先制すれば勝てる”という自信につながっているのでは」(前出の記者)

 投打ともに絶好調の阪神だが、指揮官・矢野燿大監督の采配も見逃せない。

「やはり、開幕投手に藤浪晋太郎を抜擢したのが大きかった」こう話すのは、あるベテラン記者だ。さらに続ける。

「まだ不安の残る藤浪でしたが、キャンプでの投球を見て、だいぶ早くから決めていたようです。結果的に、藤浪は5回2失点とゲームを作り、チームも勝利した。再起をかける藤浪の復活劇で、チームに勢いが出たのは間違いありません」

■阪神を追う巨人はイマイチ

 ただし、もともと矢野監督は石橋を叩いて渡るタイプで、らしからぬ大胆起用に、周囲も驚いたという。

「矢野監督は今年が契約最終年。何より結果が求められます。藤浪の復活こそが優勝のカギになると信じ、“心中”覚悟で起用したんでしょう」(前同)

 その後も藤浪は好投を見せ、防御率1点台で2勝をマーク。矢野監督の期待に応えている。

 その阪神を追うのが、巨人。開幕前は優勝候補の筆頭だったが、いま一つ、波に乗れない戦いが続く。

「投手陣は安定していますが、やはり問題は打線。破壊力がウリどころか、一時は1割打者だらけ。まったく点が取れる雰囲気がありませんでしたからね」(スポーツ紙デスク)

 そんな危機的状況を立て直したのは、誰であろう原辰徳監督だ。

「先発を3回で見切って降板させたり、結果が出ない若手をどんどん入れ替えてオーダーを組んだりと、チームに刺激を与えていった。原監督の“恐怖政治”が戻ってきたと、もっぱらですよ」(球団関係者)

 選手間の競争をあおり、常に緊張感を与えるのは、原監督の真骨頂。その陰には、こんな逸話も。

「4月13日からの中日戦の前、大不振にあえぐ梶谷隆幸を監督室に呼び、2人でじっくり話したそうです。その後、梶谷を3番で起用すると、3連戦で9打数7安打の大当たり。復調のきっかけをつかんでいます」(スポーツ紙巨人担当記者)

 しかし、この“美談”には裏話がある。「監督室に呼んだのは、実はスタメン落ちを伝えるためだったとか。実績のある選手でも容赦なくベンチに下げる“鬼采配”もさることながら、原監督の選手操縦力の高さをも証明するエピソードですね」(前同)

 4月26日発売の『週刊大衆』5月10・17日号ではセ・パ12球団の開幕前から現時点での戦力を徹底分析している。

2021/4/25 7:00

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