月10万円を節約。ゲーム感覚でFIREを目指す方法

拡大画像を見る

今、労働に縛られずに自由な生活を夢見る人が増えている。欧米を中心に世界的流行を見せる「FIRE」理論は「節約し、カネを貯め、そのカネを投資に回し、カネにカネを稼いでもらい早期リタイアする」というもの。日本版FIREを目指す人がまず着手すべきは節約だ。浮いたお金を投資に回せば、着実に夢に近づける。

◆イニシャルコストを極力抑えて月10万円を節約する

 家計再生コンサルタントの横山光昭氏に、節約の秘訣を聞いた。

「男性の中には、妻から渡される小遣い3万円の世界で完結している人が目立ちますね。ですが、家族で協力して戦略的に節約すれば、標準家庭で、月に11万円を浮かせて投資に回すことも可能ですよ」

 さまざまな家庭の家計を再生してきた横山氏は確信を込めて言う。

「節約というと、真っ先に食費などの変動費をカットすると考えがちですが、最初に見直してほしいのは『固定費』。なかでも最大の固定費は住居費で、賃貸の場合は月収の25%に抑えるのが理想です。手取り月40万円なら10万円前後の家ですが、それ以上払っている家庭が多いので、まず見直すべき。駅から遠い立地や、もし場所に関係なくできる仕事なのであれば、地方移住も選択肢に入れましょう」

 また、大手キャリアのスマホを使っている人は、今すぐ格安SIMに乗り換えるべきだとか。

「スマホ代も立派な固定費。大手キャリアの格安プランが話題ですが、それでも3000円前後します。格安SIMだと月額1500円程度のプランもあり、さらに抑えられます。手続きが面倒だからと思考停止に陥ってはいけません」

◆「節約をゲーム感覚で楽しめるようになる」方法とは?

 固定費の見直しが終わったら、次は変動費の節約。日々の光熱費も、工夫次第で安くなるという。

「家族なら、ガス会社の『ガス・電気セット割』など、電力自由化のプランを利用するとお得になります。シャワーヘッドを節水仕様に替えるだけで、4人家族ならガス代と水道代を年間4万円弱も節約できることも。地味ですが、やってみる価値はあります」

 横山氏は、男性は一度ハマれば節約が楽しくなるはずという。

「単に節約するだけではなく、そのぶんを投資に回すという目的意識が生まれると、節約をゲーム感覚で楽しめるようになってきます」

 これがFIREへの第一歩だ。

◆節約のポイント(4人家族の場合)

①住居費→マイナス5万円/月
住居費は月収の25%に収める。月収40万円なら家賃は10万円が理想。今15万円の家に住んでいるなら5万円の節約。

②食費→マイナス2万円/月
週に2万円の食費がかかっている家庭で、1週間の予算を1万5000円に下げる。余った分は翌週に繰り越や貯金をする。

③水道光熱費→マイナス3000円/月
アンペアを下げ、LED電球に替える。節水シャワーヘッドに変えて月3000円節約。電気代とガス代はまとめる。

④スマホ代→マイナス2万2000円/月
4人家族で大手キャリアで2万8000円以上かかっていたところ、全員格安SIMに乗り換えて月6000円前後に節約。

⑤保険など→マイナス1万5000円/月
保険の見直しは必須。学資保険や貯蓄型保険は解約を検討するのが吉。4人家族で月4万円かかっている場合は方法次第で2万5000円まで抑えられることも。

◆持ち家vs賃貸。最短でFIREするならどっち?

 人間にとって住まいは最重要だが、持ち家と賃貸の選択となると、人生設計次第で結論が大きく分かれるところ。だが、ことFIREのカギとなる固定費圧縮の観点からは、賃貸がベストだとか。サイト「絶対賃貸派」を運営する大原瞠氏に聞いた。

「持ち家は周辺環境の変化や、老朽化によって資産価値が毀損するリスクがあります。災害で多数の修繕・建て替え負担が生じたら、それだけで人生設計はご破算。

 冷暖房、給湯器などは経年で定期的な更新費用がかかり、その前に予期せぬ故障があれば支出は増えます。本格的に水回りをリフォームすれば100万円近くかかります。

 このような不測の支出があると投資に回す資金が減るので、計画性が最重要なFIREにおいて持ち家はリスクが大きすぎます」

 さらに持ち家の場合、毎月のローン返済の負担の他に、“隠れ家賃”の存在を考慮しなくてはならないと大原氏は指摘する。

「まずは固定資産税。加えて、分譲マンションであれば管理費、修繕積立金など一定の固定費がかかります。これらは年間数十万円かかり、物件の老朽化などによって負担総額が上がることはあっても下がることはありません。一方、賃貸物件では家賃が急上昇することはほぼありえないので、支出を一定にできます」

◆家賃はリスクから解放され、身軽でいるための“保険料”

 また賃貸住まいであれば安い物件への引っ越しで、貯蓄や投資に回す資金を増やすことも可能だ。

「賃貸は持ち家のような老朽化や損害、修繕によるリスクをオーナーが背負っている。家賃はそうしたリスクから解放され、身軽でいるための“保険料”なのです」

 FIREを目指すなら、住まいは賃貸一択である。

【家計再生コンサルタント・横山光昭氏】
マイエフピー代表。お金の使い方を改善する独自のプログラムを生み出し、2万件以上の家計を再生。著書に『はじめての人のための3000円投資生活』など

【行政評論家・大原 瞠氏】
学習塾講師や資格試験スクール講師を経て行政評論家として活動。著書に『公務員試験のカラクリ』『住みたいまちランキングの罠』(ともに光文社新書)

<取材・文/真島加代・沼澤典史(清談社)>

―[セミリタイアする技術]―


関連リンク

  • 4/22 15:54
  • 日刊SPA!

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます