渡辺麻友から小栗有以に「王道アイドル」が引き継がれた瞬間【アイドルセンター論】

なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉

アイドルセンター論

AKB48 小栗有以(後編)

 AKB48の王道アイドルと聞いて真っ先に名前が挙げられるのは渡辺麻友だろう。3期生として加入した渡辺は、多様な個性が集結したAKB48において唯一王道アイドルを貫いてきたメンバーである。そんな渡辺が後継者として指名したのが小栗有以だった。

『夕陽を見ているか?』『ポニーテールとシュシュ』や『47の素敵な街へ』などチーム8の楽曲のMVを担当している高橋栄樹も彼女について「’07年頃の渡辺麻友のような雰囲気を感じました」と『B.L.T.』(東京ニュース通信社)のインタビューで発言していたのが印象に残っているが、加入当初から小栗には王道アイドルの資質が備わっていた。

 小栗が渡辺から王道アイドルとして指名されたのは2017年10月の卒業コンサート。渡辺のラストシングルとなった『11月のアンクレット』の演出において、マイクパフォーマンスをする渡辺の後ろに小栗が位置していることで話題となっていたが、同公演の囲み取材で渡辺は「AKB48の王道アイドル」として小栗に期待していると語っていた。

 その後『11月のアンクレット』をパフォーマンスする際には小栗がセンターを務めることが多く、渡辺の後継者として笑顔溢れる「王道アイドル」としてのパフォーマンスをしてきた。

 渡辺が卒業した後に52ndシングル『Teacher Teacher』でセンターに抜擢されたのは、もちろん彼女の努力に他ならないが、AKB48の新たな「王道アイドル」としての期待の現れでもあったのだろう。

 天然キャラとしてもバラエティで魅力を発揮している小栗だが、王道アイドルは決してその佇まいだけで判断されるものではない。小栗は自分のアイドル像としているのは泣いている姿や弱さを見せないということだ。

 小栗は自身のアイドル像について「いろんなチャンスを与えていただいているので、失敗したとしてもみんなの前では泣きたくないし、前を向きたいです」と語っており、アイドルでいる限りはアイドルを全うするという強い心意気がそこには感じられる(『BUBKA』2018年9月号)。

 これは「裏側を見せない」ことを王道アイドルの理想としていた渡辺とも通ずる部分ではないだろうか。

 センターに抜擢されて以降、小栗はグループを牽引していく覚悟にも芽生えてきた。抜擢直後の「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で25位にランクインした小栗は、スピーチで「私は、AKBを進化させる先頭を走りたいです。いや、絶対に先頭を走ります」と力強く決意を表明。

 彼女のこの言葉からはAKB48の未来を担う強い覚悟を感じた。

 今やAKB48の新たな王道アイドルのアイコンとして先頭を駆け抜けている小栗。その魅力はAKB48に新たな可能性をもたらしてくれることができるはず。渡辺と比較されることも多いだろうが、これからも自分らしくあり続けてほしい。

2021/4/21 17:00

この記事のみんなのコメント

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  • まゆゆはわかるが小栗なんたらは、さっぱりわからん。かわいさなら小栗帽子のほうが上だな!

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