【Can you speak English?】オススメの英語学習映画4選
『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)
家族の中で自分だけが英語を話せないことにコンプレックスを感じていた専業主婦の主人公は、姪の結婚式の手伝いのため、1人でニューヨークに向かうことになる。
彼女は夫と子供に尽くしてきた良妻賢母。なのに、英語がわからないというだけで娘にバカにされ、手作りお菓子を販売するほどの手腕があっても夫から認めてもらえず、しかもその不満や寂しさを口に出すことができないでいた。
そんな彼女が異国の地で味わった屈辱を胸に、「4週間で英語が話せる」というキャッチコピーを信じて一念発起。英会話教室に入るのだが、家族に内緒でそれができたのは、自分で稼いだお金があったからというのがカッコイイ。
額にビンディ。服はサリー。夫から何を言われても従順で、自分のことより家事や家族の世話を優先する古風な女性だった彼女が、広い世界に飛び込んだことで自信を取り戻し、アイデンティティに目覚めていく。新しい価値観に触れてイキイキしてくる姿がまぶしい。
ところが、彼女のような貞淑なインド人妻が、自分に好意を寄せるフランス人男性といいムードになってしまうからさあ大変。この意外なメロドラマ的展開がどうなるの?どうするの?
この作品には、監督の母親への想いが込められているという。まさに主人公のようなタイプだった母親。そして監督も、この娘のような態度をとっていたらしい。さすればこれは、一種の贖罪か。
アラフィフとは思えぬ主演女優の若さと美貌に見惚れながら、勉学心と勇気がムラムラ湧いてくる。インド映画のお約束である歌と踊りもちゃんと楽しめる映画。
『クレイジー・イングリッシュ』(1999)
学生時代に独自に編み出した英語学習法“瘋狂英語(クレイジー・イングリッシュ)”を掲げて、中国全土を講演して回るリー・ヤンの活動を追ったドキュメンタリー。
1969年生まれのリー・ヤンが、1988年から始めた英語学習のための講演行脚。彼は農村から北京大学、紫禁城、解放軍キャンプ、万里の長城に出かけ、大袈裟なジェスチャーをしながら、英語を大声で発音する学習方法を伝授して回った。その数は延べ1300万人以上。
大きな声で堂々と話す。そのためには、恥を捨てること。しかしその前にもっと必要なのは、なぜ英語を学ぶのかというモチベーションを高めることだ。
彼が提示する動機は、ズバリ「お金儲け」。中国人が英語を取得して世界で成功すれば、今度は英語圏の人たちが中国語を話すしかない時代がやって来るだろう。自信に満ちた中国人になるんだ!中国が一番だ!祖国を失望させるな!絶対成功を目指そう!
今やその予言が遠からず当たっているわけだが、実に中国人らしい思考回路と価値観である。英語が話せるのに、恥ずかしくて外国人に話しかけられない日本人としては、彼らのプライドの高さとハングリー精神を見習わなければならないのかもしれない。
話し方は「できる限りはやく」「大きな声で」「明瞭に」。特に短母音は「腹に力を込めて鋭く」という“中国語訛り矯正トレーニング”は、具体的でわかりやすく、これならすぐにでも始められそうだ。
強烈な煽り方が目からウロコ。カルチャーショックも受けつつ、たるんでいた学習意欲にハッパをかけてくれる究極の英語学習映画である。
『英語完全征服』(2003)
英語が苦手な主人公は、仕事で外国人に英語で話しかけられても対応できなかったことから、職場を代表して英会話教室に通わなければならないハメになる。
そんな彼女が一目惚れしたのは、美人英語教師に猛アタックしているお調子者のクラスメイト。「プロポーズは必ず英語で」と決めている彼との恋を成就させるため、彼女は英語の猛勉強を始めたものの、彼の心の中にもう1人別の女性がいるとわかり、ショックを受けてしまう。
英語に対するコンプレックスは日本人に近いように思えるが、教室で英語のニックネームをつけられることに拒否反応を示す彼女には、ハッとさせられる。「韓国で英語ができないのは、そんなに悪いことなのか」というセリフも、英語至上主義に対する皮肉のようだ。
英会話教室が舞台なだけに、韓国人がどのようにして英語を取得するのかを知ることができて面白い。セリフがたまに漫画の吹き出しのようになったり、英語の訳がハングル語で表記されたりして、ポップでヴィジュアル的な映像も斬新で楽しい。
2人の恋の行方は、彼女の妄想と思い込みでどんどん脱線していくのだが、その背景には韓国ならではの複雑な事情もあり、ただの恋愛コメディではない一面も。恋の力が最強のモチベーションというベタなところがカワイイ。
『スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと』(2004)
娘のためにメキシコからロサンゼルスにやって来たシングルマザーは、住み込み家政婦として働き始めた裕福な家で、心がバラバラになっている家族の姿を見てしまう。
スパングリッシュとは、ヒスパニック系の言語とイングリッシュが入り混じった言葉のこと。英語ができない主人公は、アメリカ人の文化や価値観の違いに戸惑い、雇い主とぶつかり合って何か言いたいことがあるたびに、娘に通訳してもらうしかなかった。
そんな彼女が、自分の気持ちを英語できちんと伝えなければならないと痛感する出来事が起きる。そもそも英語を話すのが嫌だと思っていたのに、英語教材を通信販売で購入し、猛勉強を始めたそのワケとは?
住み込み先の家族との交流が、彼女を変えていく。自分のレストランが4つ星を獲得したのに、3つ星半くらいがよかったと落ち込む父親。スタイルの維持に精を出す母親。体重を気にするぽっちゃり娘。元ジャズシンガーで酒浸りの祖母。みんな個性派ぞろいだ。
アメリカ人の母親が自分の娘よりもメキシコ人の娘を気に入り、あれこれ世話を焼くのが不思議だ。メキシコ人の母親も、雇用主に対してわりと言いたいことを言うし、厳しい上下関係や差別があまり感じられないのも興味深い。
この物語のもう1つの要は、アメリカ人の父親とメキシコ人の母緒が、自然な流れで心を通わせてしまうところである。ところが彼女は、娘のために彼と恋愛関係に陥ることをきっぱり押しとどめる。その潔さ。
理性的で強くて、娘の将来を第一に考えながら生きている母親。彼女は英語という翼を得たことで、また広い世界に羽ばたいていくのだろう。女性の生き方としても考えさせられる作品。
関連リンク
- 4/19 18:51
- 映画board
