【クセが強い】「わたしのこと好き?」と彼に確かめる実家住まい女がやりがちなのは…

「こういう人、いるよね…」

出会いの場に足を運んでいると、たまに遭遇する“ひと癖あり”な人。

だけど、そんな“ちょっと癖ありな言動”には、理由があった!?

先週は“恋愛経験ゼロ”を隠し通そうとする、ひと癖ありな男が登場した。

さて、今週の体験談は…?

▶前回:「彼のこと気になってたけど“ナシ”だわ…」女がそう判断した、男の言動とは?

Vol.2 「彼の気持ちが分からなくて不安…」と女が嘆くワケとは?

今週の体験者:坂東孝之(27歳男・不動産会社勤務)

― そろそろ来る頃かな…。

孝之は、ウェスティンホテル最上階にある『鉄板焼 恵比寿』で、美鈴を待っていた。チラリと店の入り口に視線を向けると、ちょうど彼女が入ってくるのが見える。

すでに孝之が到着しているのを見つけるなり、小走りで向かってきた彼女。白いワンピースを身にまとい、ゆるく巻かれた髪がフワフワと揺れている。

「待たせちゃってごめんね」

その言葉に首を横に振ると、改めて彼女の全身を眺めた。

― 今日も可愛いなあ。

美鈴は最近付き合い始めた、孝之の恋人だ。少し気は早いかもしれないが、将来は結婚を考えている。

3ヶ月ほど前に友人の紹介で知り合った彼女は、上品でほんわかとしており、まさに孝之のタイプだった。出会ってすぐにアプローチしたところ、まさかのOKをもらったのだ。

そして3回目のデートである今日。食事の後にはもちろん、ホテルの部屋も取っている。…ふとそのことを思い出しただけで、胸が高鳴った。

「あれ、どうかした?」

すると美鈴は、孝之の目を見て不思議そうに問いかけてきたのだ。

「えっ?いや、何も…」

孝之は、彼女のことをもちろんちゃんと愛している。だけどひとつだけ、どうしても気になっていることがあった。

孝之が美鈴に対して、疑問を抱いていたこと。それは…

こんなふうに時々、彼女は不安そうに様子を伺ってくるのだ。なぜそんなことを聞いてくるのかわからず、孝之は毎回反応に困ってしまう。

「今…?いや、特に何も考えてなかったけど」

何か、気になることでもあるのだろうか。それならハッキリ言って欲しいと思い、美鈴に尋ねようとする。

すると続けざまに、彼女はこう言ってきたのだ。

「孝之くんはさ、私と一緒にいて楽しい…?」

そう言う彼女の目は、悲しそうに揺れていたのだった。

尾形美鈴(26歳女)の場合~3回目のデートの数日前~

「…うん。じゃあね。また金曜日楽しみにしてる。おやすみ」

とある平日の夜。孝之からの電話を切ると、ベッドに寝転がった。

付き合ってもうすぐ2ヶ月ほどになるが、彼はこうして会えない日も他愛ない話で電話をかけてきてくれる。

― こういうマメなところは、嬉しいんだけどなあ。

美鈴は、彼の“ある態度”に対してモヤモヤすることが多く、この日もボンヤリと考えごとをしていた。

部屋の電気を消すために起き上がると、今度はLINEの着信音が鳴る。画面を見ると、そこには母からのメッセージが表示されていた。

『美鈴、元気にしてるかな?ゴールデンウィークかお盆には帰省できそう?』

長崎で暮らす家族にはしばらく会えていなかったから、久しぶりのメッセージに心が温かくなるのを感じた。

『たぶん、お盆には帰れるよ。ママとパパとレオンに早く会いたいな~♡』

すると、実家で飼っている愛犬・レオンの写真が送られてきた。

『レオンも、美鈴に会えるのを楽しみにしてるって』

レオンは、美鈴が中学生の頃から実家で飼っているゴールデンレトリバーだ。学生時代、帰宅すると必ずしっぽを振って頬ずりしてくれるのが、とても可愛かった。

どんなときでも最大限の愛情表現をしてくれたレオンは、彼女にとって今でも愛おしい存在なのだ。

― 孝之くんも、レオンみたいだったらいいのになあ。

そんなことを考えていたせいかもしれない。

彼との3回目のデートで、美鈴はついにモヤモヤをぶつけてしまったのだ。

ついに不満が爆発した美鈴。そのとき孝之が見せた反応は…?

それは、メインの牛ロースステーキがちょうど目の前に出てきたときのこと。彼が唐突に、家族に関する質問をしてきたのだ。

「美鈴って、長崎出身って言ってたよね。家族はどんな感じの人たちなの?」

― 私のこと、深く知りたいと思ってくれてるのかな?

嬉しくなった美鈴は、一昨年に家族でグラバー園へ行ったときの写真をカメラロールから探し出し、彼に見せた。そこには両親と祖父母に囲まれた、レオンと美鈴が映っている。

「これが私の家族だよ。このワンちゃんはレオンって名前で、私が中学生の頃から飼ってるの。今はもう、おじいちゃんなんだけど…」

そこまで話すと、孝之は写真を見ながら黙り込んでしまった。

― えっ。家族のことが知りたいって言ったから話したのに、何で…?

そう。美鈴が彼に対して不満に思っていることは、これなのだ。

彼はマメだし誠実な人柄に見えるが、デート中のリアクションの薄さや口数の少なさが、どうしても気になってしまう。

メインディッシュを食べ終え、デザートが運ばれるのを待っていたとき。思わず美鈴はこう口にしてしまった。

「ねえ。孝之くんって今、何考えてるの?」

「今…?いや、特に何も考えてなかったけど」

「孝之くんはさ、私と一緒にいて楽しい?」

そう問いかけると、彼は困ったような表情を見せる。

「もちろん楽しいよ。何か気に触るようなこと、言ったかな」

どうやら彼は、まったく自覚がないようだ。正直に話すかどうか迷ったけれど、今後のことを考え、美鈴は自分の思いをそのまま打ち明けることにした。

「孝之くん、口数が少なくなるときがあるから不安になるの。私のこと、どう思ってるのかなって」

「えっ!ごめん、全然気づかなくて」

「さっき私の家族の話をしてから急に黙ったけど、何か気になった?」

そう尋ねると、彼からは意外な答えが返ってきた。

「家族写真を見てたらね。こんなに愛されてきた子を、俺もちゃんと大事にできるのかなって、ちょっと責任感じちゃって」

― えっ、そんなこと考えてたんだ…。

彼の言葉自体も意外なものだったが、美鈴のことを「大事に愛されてきた子」と言ったことに驚いた。子どもの頃から家族に可愛がられたり、レオンに甘えられたりすることが当たり前だったからだ。

彼のその言葉に、今まで「自分は愛されて当然」と思っていたことに気づかされる。

― 当たり前って思ってたら、ダメだよね。

美鈴は少しだけ、自分のことが恥ずかしくなった。

「そんなふうに言ってくれて嬉しい。まぁいちばんに愛情を表現してくれていたのは、レオンかもしれないけどね」

そう言うと、彼は目を見て笑ってくれた。

“これからは私が大切な人に愛情を注いでいく番なのかもしれない”と、彼の横顔を見て美鈴は思う。

「…ごめんね。私、孝之くんを責めるようなこと言っちゃって」

彼は首を横に振り、照れ臭そうな表情でこう答えた。

「僕のほうこそ不安にさせてたことに気づけなくて、ごめん。…改めて、今日この後も一緒にいてくれる?」

美鈴は黙って頷き、テーブルの下で彼の手を握った。

今週のひと癖エピソード:実家で飼っていた犬についてよく喋ってくる女子には、要注意!感情表現豊かな犬と比較して、男の態度に不安を抱きやすいかも?

▶前回:「彼のこと気になってたけど“ナシ”だわ…」女がそう判断した、男の言動とは?

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あなたの職場にもいるかも…?“こだわり強め”なこじらせ男子をオトす、必殺の一言

2021/4/19 5:04

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