一生独身は嫌!だけど行動しない30代女性「失敗が怖くて飲み会もムリ…」
こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。
結婚願望がない人が増えていると言われていますが「一生結婚しない」とはっきり決めている人はごくわずかです。
国立社会保障・人口問題研究所が行う第15回出生動向基本調査(2015年)によると、18~34歳の未婚者のうち一生結婚するつもりがないという女性は8%、男性は12%だけです。1987年は女性4.6%、男性4.5%なので結婚したくない人が増えているのは事実なのですが、それでも8~9割の独身男女はいつか結婚したいと思っているのです。
ただ、思っているのと動いているのは別です。
◆苦手科目は、自由研究。褒められても喜べない高学歴女性
ある日、私のところを訪れた佳代さん(仮名・30代前半)。「気が付いたら独身でこんな年だった。どうしたらいいでしょうか?」というご相談でした。どうしたらいいか、いろいろ掘り下げて整理していかなければなりません。結婚したいのか、あるいは彼氏がほしいのか、または別の方向性なのか。
佳代さんは有名大学に入学し在学中にある公的難関資格を取得し、卒業後に大手企業に就職されたそうです。そのことを「すごいね」と言っても「いやいや。資格があれば私でも就職できると思って」と、誉めても喜びません。
「学生時代に一番苦手だったのが自由研究でした。自由に何でもいいって言われるとどうしたらいいか分からなくなって、決めるのがものすごく苦手なんです」
スペックはよいので結婚相談所向きと伝えましたが、佳代さんは「すぐ何が何でも結婚したいわけじゃないから」ということでした。
◆「失敗するかもしれないから」飲み会も断るキャラで定着
佳代さんは学生時代に付き合って欲しいと言われて付き合った彼氏がいました。しかし、ほどなく連絡が減り自然消滅します。
「彼も私のことを好きというより彼女というものが欲しい程度だったと思います。私も付き合おうと言われたけれども彼のことが好きというほどじゃなかった」
と佳代さんは振り返っていました。学生時代の恋愛なんてそんなものかもしれません。
学生時代から静かで目立つことを好まない同士でつるんでいたため、周りも彼氏ができて別れたことにもそんなに興味を持たなかったそうです。社会人になって食事会や同期の集いに誘われたこともあったそうですが、「そういう場に相応しい振る舞いができず失敗するかもしれないから」という理由でほとんど断ったそうです。
断るキャラで定着し、徐々に誘いが減りました。街コンがブームになったときに誘われたこともあったそうですが、自分がそこで失敗する確率の方が高いと考えてお断りしたそうです。こうして30代になります。
◆やりたいことはないけれど、やりたくないことはある
「佳代さんの今の気持ちだと、結婚したい、彼氏がほしい、一生独身は避けたい、孤独死は避けたい、の中でどれが近いでしょうか?」
「孤独死だけは避けたいですね。入籍するかどうかは別として一生独身もできたら避けたいです」
「わかりました。佳代さんはやりたいことは分からないけどやりたくないことだと決められるのでしょうか」
「そうです。どうしたいと聞かれると困るけど、やりたくないことの方がすぐ出てきます」
正直に言うと佳代さんについて、ネガティブな女性だとは思います。ただ、彼女の行動の原動力が「○○したくない」ならばそれは大事にしたいと考えました。
◆褒められたらとりあえず「ありがとう」と受け取ることから
孤独死回避のためと目標ができた佳代さんは、デートをするための服を買いそろえることから始めました。合コンに参加することさえ失敗が怖くてためらう佳代さんは、まずは相手がいなくて失敗リスクが低いことからやっていった方が良いと思ったためです。
買い物の最中も、店員さんに褒められても佳代さんは「いやいや」と否定していました。きっと、男性から褒められても全部否定するんだろうな……その光景が目に浮かびます。
「そこはありがとうって言っておこうよ」
「いやお世辞でしょ」
「お世辞に聞こえても、全部ありがとうと言っておこう。迷惑をかけていないつもりかもしれないけど、こういう卑屈な態度は、相手の気分を害しますよ。せっかく言ったのに余計なこと言ったのかなと思うじゃないですか」
「あ~そうですね。気を付けます」
佳代さんはアドバイスも「○○しよう」より「○○しない方がいい」の方が響く方でした。
佳代さんに限ったことではないのですが、縁遠い女性は「ありがとう」が極端に少ないのです。何か他人にやってもらったら「すいません」と言ってしまったり、誰かが親切で申し出たサポートを「大丈夫です」と断ったり、他人との摩擦を避けてしまう姿勢が染みついているのです。
◆「ありがとう」と伝えることをゴールにしてみたら
佳代さんは人に対し「ありがとう」を言う練習で婚活パーティーに参加することになりました。
マッチングという結果をゴールにすると失敗しやすいですが、初対面の男性に「お話聞かせてくださってありがとうございます」と伝えることをゴールにすれば成功する確率は高いでしょう。こういう小さいステップを繰り返すことで成功体験も重ねていけます。
佳代さんは男女が個室で1対1になって数分会話し、時間が来たら男性が退出して次の男性が席に座るという形式の婚活パーティーに申し込みました。
佳代さんから「マッチングしちゃいました」と連絡が来ました。
みんなにありがとうを伝えるだけのつもりで参加されたのですが、半分ぐらいの男性から佳代さんはアプローチされ、そのうちの一人とマッチングしてお茶して帰ってきたそうです。
◆同じできごとが、失敗になるか経験になるかは本人次第
そのお相手とは1回お茶をしただけで続きませんでしたが、
「どうせ私なんて無理って思っていたけれど、やってみたらマッチングってそんなに難しい事じゃなかったのかも。もう少し積極的に動いてみます」
と佳代さんは行動を続けることにしたのでした。
今までの佳代さんなら1回お茶して終わったご縁を「失敗」と言っていたかもしれません。自分の意志で行動を続けるならば、それは失敗じゃなくて経験になるのです。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt