三浦春馬、生田斗真の少年時代も。NHK朝ドラ再放送が今アツい3つの理由

 月曜から金曜まで、日本の朝のお茶の間を彩っているNHK朝の連続テレビ小説・通称「朝ドラ」。1961年から放送されている歴史のある番組は、現在放送されている杉咲花主演『おちょやん』で103作目になります。

 名作が数多くある朝ドラは、旧作の再放送も大人気です。総合テレビでは、月~金曜午後4時20分から1日2話ずつ、BSプレミアムでは月曜~土曜午前7時15分から1話ずつそれぞれ旧作がオンエアされています。

 なかでもBSプレミアムでの再放送はその直後に始まる新作の放送と合わせて視聴する人々も多く、『おしん』が再放送された昨年は有志でファンの集いも開催されるなど、時代を超えて人気を集めました。

 なぜ今、朝ドラ再放送が人気を集めているのでしょうか? 朝ドラ再放送の楽しみ方に注目します。

◆1. 生田斗真や三浦春馬、人気俳優の少年時代

『おしん』の再放送以来、20年~30年前の比較的昔の作品を続けて放映しているBSプレミアムの朝の再放送。3月29日(月)からは田中美里さん主演の『あぐり』が放映されています。

『あぐり』は1997年に放映された、女優・吉行和子さんの母である洋髪美容師の草分け的存在・吉行あぐりさんの自伝的エッセイがモチーフとなっている作品です。当時は野村萬斎さん演じるヒロインの夫役・エイスケさんが人気を博し、全国に旋風を巻き起こしました。

 そして野村さんに並び注目を集めたのは、あぐりの息子・淳之介の少年時代を演じる生田斗真さん。当時はジャニーズJr.で活躍していた中学生でした。その美少年ぶりは「第2のキムタク」とマスコミに報じられるほどでした。

 また、この作品は昨年急逝した三浦春馬さんのデビュー作(当時7歳)ということでも有名です。1話のみ、たった1分半ほどの出番ですが、セリフもあり、顔もしっかり映っています。彼が出演する第31話は5月初旬ということですので、ファンならずとも必見ですね。

◆2. 名女優の演技力や存在感に圧倒

 のちに活躍した役者さんの新人・無名時代を見るのは、旧作朝ドラの再放送の見どころのひとつです。一方で、3月まで再放送されていた『澪つくし』(1985年放送)のヒロイン・沢口靖子さんのような、当時も美しく、今もなお美しい女優さんの変わらなさも楽しめます。

『その女、ジルバ』(東海テレビ/フジテレビ系)の出演が記憶に新しい草笛光子さんも、『澪つくし』では心優しく力強い漁師一家の女親方を熱演。内面からの美しさを感じさせる凛とした佇まいは今も昔も変わっていません。

『おしん』(1999年放送、2019-2020年再放送)のヒロイン・田中裕子さん、『はね駒(こんま)』(2020年再放送)のヒロイン・斉藤由貴さんも、美しさはもちろんの事、当時からずば抜けた演技力や存在感があったのだと、この再放送で改めて思い知らされました。また、『はね駒』の二谷友里恵さん、『澪つくし』の桜田淳子さんなど、今ではあまり見られなくなった美人女優さんの姿も話題になり、Twitter上では「アイドルの姿しか知らなかったけど、女優としても素敵」「復帰して欲しい」などいう声も見られました。

◆3. 時代遅れが逆に新鮮? 過激な演出やストーリー

『澪つくし』では、尺調整(放送尺の15分に合わせるため時間を穴埋めしたり、カットしたりすること)のため不定期に挿入歌『恋のあらすじ』の映像が流れていました。

 突然流れるカラオケビデオのような映像は、当初違和感があったものの、次第に病みつきになる再放送視聴者も多く「恋あらタイム」などの造語も作られ、時折朝のツイッタートレンドをにぎわせました。

 このように現代では見られないちょっと強引な構成や演出は昔の朝ドラならではのものです。また、今であればコンプライアンス上許されない描写や過激な演出も見られるのも昔のドラマの注目点。

 現代の優しい演出に慣れ切っている自分にとって、いじめやイビリ、セクハラのシーンは視聴に耐えがたい部分はありますが、放送当時や舞台の時代のリアリティをありありと感じることができます。

『おしん』の子供時代のいじめのシーンは、今だったらもっと柔らかい演出になっていたでしょう。『おしん』が記録した62.9パーセントの最高視聴率は、そんな主人公に同情し、心から視聴者が話に入り込んで応援したことが、理由のひとつなのかもしれません。

◆昔のドラマの新たな発見を楽しんで

 温故知新という四字熟語がありますが、その言葉通り昔のドラマを見て、新たな発見をすることが数多くあります。多少堅苦しいと思う部分もあるかもしれませんが、数回見れば話の中に入り込み、ハマってしまうこと間違いなしです。

 朝ドラファンの中には、新作より旧作の再放送を楽しみにしている人も多いとか。3月29日から放送している『あぐり』もまだまだ序盤。今からでも追いつけるので、三浦春馬さん、生田斗真さん目当てのみなさんもぜひドラマを楽しみながら登場を待ってみてはいかがでしょうか。

<文/小政りょう>

【小政りょう】

映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

2021/4/16 8:45

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