「マネジメント能力」の正体

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「管理職にはマネジメント能力が必要」と、よく言われます。アラサーで管理職が目標に入ってくる人は多く、上司との面談で「マネジメント能力を付けていきましょう」とか「何人かを率いる経験が必要」とか言われるのではないでしょうか?

日本能率協会の『日本企業の経営課題2019』調査での、「組織・人事領域で重視する課題」では、最も重視する課題として「管理職層(ミドル)のマネジメント能力向上」が1位として挙がっています。

ここからも分かるように、多くの企業が「マネジメント能力」を課題としているのです。

■ マネジメント能力とは何か?

重要課題と位置付けられるマネジメント能力ですが、コミュニケーション能力と同じくらい「ビジネス曖昧語」ともいえます。

「マネジメント能力が必要」と言ってる上司本人にマネジメント能力が無いのでは? なんてことはよくあります。

そんなビジネス曖昧語代表選手である「マネジメント能力」ですが、いったいどんな能力のことを指しているのか確認しましょう。

マネジメントスキルとは、対象を管理するスキルを意味する言葉です。これだけではしっくりこないですね。

管理対象は、ただ人や物に限らず、部下の教育や目標を達成するための人材配置、また事業全体の成功や収益増大も含まれます。どの程度大きな範囲を管轄するかは、その人のスキルや職位に依存します。

逆にいうと「マネジメント能力」といったときに「いったい何を、どう管理・達成することなのか?」を明確にしないと、曖昧な言葉に踊らされ続けることになります。

上司が期待する役割と職位で期待される役割は、個々の状況によって変わるからです。

■診断しよう! マネジメント能力がある人の特徴

とはいえ「状況によります」では話が終わってしまうので、一般的にマネジメント能力があるとされる人にはどんな特徴があるかを確認しましょう。

いくつか例を挙げるので、自分にマネジメント能力があるかどうか診断してみてください。

◇(1)適切なゴール設定ができるか

「何をするか」を明確にして、ゴールを握ることは全てのマネジメントの基本です。この内容は職位や業務範囲が広くなればなるほど、掴みづらくなります。

逆に曖昧な中で範囲を決めて、ゴールを設定することができるだけで一歩前に出られます。

◇(2)優先順位の判断と進捗管理が的確

何をするか? が分かった後に考えるべきは、優先度です。管理するレベルによりますが、重要度を大中小で切り分ける能力が管理職には求められます。

また、整理とリスト化だけではなく、それらが計画に沿ってどう動いているかの進捗管理ができる点も必要です。

◇(3)人材配置スキルがある

部下を率いることも含めてマネジメントと称することが多いですが、「人の特徴」を掴めるかどうかは非常に大きいです。人がどんな仕事や思考の癖があるかを考えると、どう動かすべきかが見えてきます。

マネジメントスキルがある人は、誰をどこに配置するべきか? を見極めることが上手です。

◇(4)コーチングスキルがある

「教育」「コーチング」のスキルは、育成面で重要です。

「あれやって」と単に命令を出すのではなく、自発性を尊重し、部下の性格や得意分野を考えながら導くことができる人は、マネジメントスキルが高いといえます。

■マネジメント能力を向上させるコツ

実際に自分の能力を高めるためにはどうしていけばいいのでしょうか。

◇(1)ゴール設定をする

まずは自分が必要としているマネジメント能力が何か? という点をクリアにし、ゴール設定をします。

人を育てる方向を強めたいのか、案件リード・プロジェクトマネジメント力を高めたいのかでも話は違います。

また、全てを総合的に高めるとなると時間も掛かるので、まずは何をゴールにするのかを明確にしましょう。

◇(2)記録する

ゴールを設定したら、いつまでにやり、その進捗がどうなのか? という自分のログを取りましょう。

自分のゴールから逆算した目標に対して、できていること、できていないこと、それらの改善点などを記録していきます。

人にはどうしても癖があるので、癖の把握と矯正に役立ちます。

◇(3)結果を確認して修正する

重要なのは振り返りです。設定した目標、進捗、それに対する記録を確認し、客観的に再度マネジメント力を高めるために自分がすることを振り返るのです。

計画を守ることが目的ではないため、実行が難しいと感じた場合は現実的な形に変更することが大事です。

■管理職になりたいなら「人を頼ろう」

どうやったら管理職になれるのか? の秘伝のタレは私も聞きたいのですが……。ここまで見てきたマネジメント力を高める方法と真逆のように思えるかもしれませんが、最短距離を走りたいならば「人に頼る」が一番です。

単純に管理職になるためには、「職位を上げてくれる人」の把握やその人が求める昇進要件を把握することになります。

上司も人間なので「意欲があり、それを満たしていると上司が思える人」を上げようとします。このイメージの擦り合わせは目先の昇進に必須です。

とはいえ、単純に職位を上げるだけではなく、その上で成長していくのに重要なのは、自分の視座を高めるための助言を先輩たちに求めること。また、自分のマネジメント能力を周囲(部下)にフィードバックしてもらうことです。

管理職・マネジメントと聞くと「上に立つこと」「支配すること」と勘違いしてしまうことがあります。

しかし、職位が上がるにつれ1人でできる範囲は限られますし、「自分は何ができて、何ができないのか把握し、適切に人を配置して成果を上げられる状態にすること」こそがマネジメント力なのではないかと私は考えています。

■マネジメント能力とは周囲を動かす力

極論を言えばマネジメント力とは、人に頼り任せる能力といえます。

そして「頼って任せる」をするためには、それができる相手を周囲に置いておくことにも繋がります。マネジメントにとって「育成」が大きな課題になるのは、こういった背景があるからです。

自分でやった方が早いことを、いかに部下に配分して将来的に自分が楽になることを見越せるかは重要な視点だと思います。

もちろん、まずは自分自身がマネジメントとしての管理能力を付けることはもちろんながら、「全部自分でやっていく」という個人主義の感覚から脱していくことも求められる能力です。

(ぱぴこ)

※画像はイメージです

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