『ジョーカー』を見た後だと刺さるフレーズばかり!喜劇王チャップリンの深すぎる名言5選!

拡大画像を見る

絶賛公開中の『ジョーカー』。悲惨な境遇から魅惑のヴィランに変貌する男の物語に共感が集まっている。 そんな『ジョーカー』の中で引用的に流されているのがチャップリンの『モダンタイムス』。 なぜこの映画が流されているのかの解説と、『ジョーカー』の物語と不思議にシンクロするチャップリンの名言を紹介したい。

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BMTU2NjgwMjQwM15BMl5BanBnXkFtZTcwMTM1MjM0Nw@@._V1_.jpg

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BMjAyMTkxNjI5OF5BMl5BanBnXkFtZTYwMjI2MjA5._V1_.jpg

『ジョーカー』の中で『モダンタイムス』が流れるのは、既にゴッサムシティで金持ちへの不満が爆発した民衆のデモが起きている中、主人公アーサーが市長に立候補する予定のトーマス・ウェイン(バットマンことブルース・ウェインの父で大富豪)にとある理由で会いに行く場面。

富裕層が集まる劇場にアーサーが警備員に成りすまして侵入すると、名画座の特集なのか、金持ちたちが『モダンタイムス』を見てゲラゲラ笑っている。

チャップリンは元々、貧しい市井の人間や浮浪者を演じ、人生の悲哀を描きつつそれを喜劇にしてきた男だ。

そんな彼の作品の中でも資本主義社会の非情な働かせ方、貧困、格差を真っ向から扱った『モダンタイムス』を、暴動が起きるくらいに貧富の差が広がっているゴッサムシティの支配層が見て笑っているという皮肉のこもった場面になっている。

流れている場面はチャップリン演じる主人公が夜間のデパートの警備員をして、誰も見ていないのをいいことにローラースケートで遊びながら、実はギリギリのところで下の階におちそうになっているという場面。

既に暴動の機運が高まっている状況に気づかず、呑気に映画を楽しんでいる富裕層たちそのものを皮肉っているのだろう。

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BZGFlNzEzMzMtZjQzNy00ZjM1LTliYmItZjExMWJmZWM3NTEyXkEyXkFqcGdeQXVyNjAwODA4Mw@@._V1_.jpg

そして筆者が『ジョーカー』をきっかけにチャップリンのことを少し調べていると、彼が残した名言が『ジョーカー』の物語と大きくシンクロしていることに気づいた。

それだけチャップリンの言葉が本質を突いているということだろうが、もしかしたらトッド・フィリップス監督も影響を受けているのかもしれない。

そんな名言の数々から5つを選んでご紹介したい。

ジョーカー(2019)

原題 :JOKER

2019年10月4日より全国にて公開

2019年/アメリカ/122分

more

あらすじ
孤独だが心優しいアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は、母と二人暮し。「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見ている。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィー(ザジー・ビーツ)に秘かな好意を抱くアーサーは、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがいていた。だが彼は、白い顔のピエロメイクに緑の髪という異様なルックスと劇場型犯罪で人々を戦慄させ、世界のすべてを狂わそうとする唯一無二の悪のカリスマ“ジョーカー”へと変貌していくのだった……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/92396

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BYWYxMTJiYWYtYzk3NC00ZDY4LWE5NzQtMzBjYWJjYjk5OTA3XkEyXkFqcGdeQXVyMTk2MzI2Ng@@._V1_SY1000_CR0,0,1333,1000_AL_.jpg

「人生はクロースアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇だ」    (Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.)

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BYjU1YTU5MjctMzcxNi00NmRjLTk2YjgtYzkyNzc3M2I1MTA4XkEyXkFqcGdeQXVyNjg2NjQwMDQ@._V1_SY1000_CR0,0,1586,1000_AL_.jpg

チャップリンの言葉の中でもかなり有名で今でも引用されることが多い。

『ジョーカー』で全てを失ったアーサーが「(I used to think that my life was a tragedy, but now I realize, it's a comedy.)俺の人生は悲劇だと思っていた、だが気づいた、これはコメディだ」というセリフは明らかにこの名言へのオマージュだろう。

人を笑わせるためのピエロメイクをしながらアーサーが涙を流しているOP、チンピラに看板を奪われ追いかけるという悲惨な出来事をサイレント映画のコメディのように撮っている点など、この名言は『ジョーカー』に大きな影響を与えているのは間違いない。

「心から笑うためには、自分の痛みを取り上げて、それで遊べるようにならなくてはいけない」(To truly laugh, you must be able to take your pain, and play with it!)

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BOWMyMjI5M2ItMGNjMC00MDhmLTkzMjAtYzVhODMwMTE3ZDMyXkEyXkFqcGdeQXVyNjg2NjQwMDQ@._V1_SY1000_SX1500_AL_.jpg

誰もが抱える心の痛みや悩みとの向き合い方を教えてくれるような名言だが、『ジョーカー』を見た後だと恐ろしく響く。

自分の境遇に押しつぶされないように必死に生きていくうちに笑うことしかできなくなっていたアーサー。

しかし福祉の打ち切りで向精神薬を飲めなくなり、中盤でとある凶行に及び、自分の思い描いていた希望が全て幻想にすぎなかったことに気づいた瞬間、彼はすべてを笑い飛ばす狂気の道化師ジョーカーとなる。

「この邪悪な世界に永遠なんてものはない、たとえ我々の困難であっても」     (Nothing is permanent in this wicked world, not even our troubles.)

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BYTZkZmRmNzktZTcxNC00Yjc3LWE0YjUtYWExZTc1N2RhMmFmXkEyXkFqcGdeQXVyOTk4MDE5NDg@._V1_SX1777_CR0,0,1777,841_AL_.jpg

冒頭からチンピラに殴られ、仕事場ではどやされ、母親の介護に疲れ果て、コメディアンを目指すも才能のないアーサー。

彼が立ち直るような普通のヒューマンドラマであれば上記のチャップリンの言葉は優しく響くだろうが、永遠に続きそうな彼の苦しみは、最悪な形をもって終わる。それは誰かの助けではなく、すべてを失ったアーサーの手自身によってだ。

そしてその先に待っているのは恐ろしい惨劇だ。

「私の苦しみが誰かを笑わせることになるかもしれない。しかし私の笑いが誰かを傷つける原因になってはいけない」(My pain may be the reason for somebody’s laugh. But my laugh must never be the reason for somebody’s pain)

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BYmJhNGYyZDEtNmMzYy00NjkyLTk3ZGMtNTdmNjQxYzAyYmJiXkEyXkFqcGdeQXVyNjUxMjc1OTM@._V1_SX1777_CR0,0,1777,958_AL_.jpg

笑は誰かを傷つける凶器にもなる。笑いに対する高いリテラシーがわかる喜劇王の言葉だが、『ジョーカー』に出てくるアーサーは漫談をしながらも、定番ネタのブラックジョークが言えない。彼が心優しいことの表れだろう。彼は他人のブラックジョークを聞いていてもワンテンポ遅れて愛想笑いするなど、人を傷つける笑いが理解できていないように見える。


しかし彼を取り巻く世界は優しくない。特にロバート・デ・ニーロ演ずるアーサーが憧れるコメディアンのマレー・フランクリンは最悪だ。

マレーは場末のショーで滑りまくったアーサーを自分の番組に呼ぶのだが、笑いを取るために彼を悪意の渦中に置く様は怒りを呼ぶ。

そんなマレーに対してのアーサー、いやジョーカーがとる行動とは・・



『行動を伴わないなら想像力など何の意味もない』(Imagination means nothing without doing.)

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BZGUzMWI4ZDktNTEzYi00ZmNiLThhNzItZDkwZDk2NTg5ZGNiXkEyXkFqcGdeQXVyMTkxNjUyNQ@@._V1_SY960_SX1776_AL_.jpg

これは最近の災害が起きた時の有名人の寄付などに伴う「やらない善よりやる偽善」という言葉も連想させられる言葉。

結局のところアクションを起こさなければ意味はない。第二次大戦時期に『独裁者』でリアルタイムでヒトラーを批判したほどの男チャップリンが言うからこそ重みが増す。

この映画を見て、社会的弱者や孤独な人間たちへの想像力が増した人も多いと思うが、ただ「可哀想」「彼らにも事情がある」ということに思いを馳せているだけでは何も変わらない。

私も含め、アーサーのような人間がはじき出されない社会を目指すために行動していかなければならない。

またこの言葉は、冒頭ではマレーの番組に出る妄想をしているだけのアーサーが、大きな行動を起こして混沌をもたらすヴィラン・ジョーカーに変貌する物語にも重なる。

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BMjk4Nzg5NjktMGMxMS00NjhjLThmNjItM2JjM2VjYjAwMjcyXkEyXkFqcGdeQXVyMTkxNjUyNQ@@._V1_SY1000_SX1500_AL_.jpg

いかがだっただろうか。

チャップリンの素晴らしい名言は他にもあるので是非検索してみて欲しい。

社会で悲劇にさらされている人々の物語を喜劇にして世界に広めたチャップリンの作品。そのままクロースアップで描いて悲劇からの惨劇を描いた『ジョーカー』。

どちらも、格差が広がる現代だからこそ響くのではないだろうか。

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BMjA0NTI5MDE1NV5BMl5BanBnXkFtZTcwMDg3NzE5Ng@@._V1_.jpg

関連リンク

  • 10/17 21:50
  • 映画board

スポンサーリンク

この記事のみんなのコメント

4

記事の無断転載を禁じます