南野拓実が生む閃光の輝き。ザルツブルク衝撃の6得点を呼んだ日韓アタッカーの貢献

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UEFAチャンピオンズリーググループリーグE組第1節のザルツブルク対ヘンクが現地時間17日に行われ、6対2でザルツブルクが大勝した。ザルツブルクは南野拓実が、ヘンクは伊東純也が先発出場し、奥川雅也も後半から出場して日本人対決が実現。絶好調と言えるザルツブルクの攻撃陣の中で、南野は確かな輝きを放っている。(文:加藤健一)

久々の本戦出場権を手にした両チーム

UEFAチャンピオンズリーググループリーグE組第1節のザルツブルク対ヘンクが現地時間17日に行われ、6対2でザルツブルクが大勝した。ザルツブルクは南野拓実が、ヘンクは伊東純也が先発出場し、奥川雅也も後半から出場して日本人対決が実現。絶好調と言えるザルツブルクの攻撃陣の中で、南野は確かな輝きを放っている。(文:加藤健一)
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 お互いに久々となるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループリーグへと駒を進めた両チーム。2011/12シーズン以来、9シーズンぶりのヘンクに対して、ザルツブルクは初出場を果たした1994/95シーズン以来、実に26シーズンぶりの本戦出場となったこの試合は、両軍合わせて8得点が生まれる乱打戦となった。

 ザルツブルグは4-4-2の布陣でハーランドとファン・ヒチャンが2トップを組み、南野拓実は右サイドハーフで先発。一方のヘンクは4-3-3の右ウイングで伊東純也を先発起用した。

 今季からザルツブルグの指揮を執るヘッセ・マーシュ監督は昨季、このシーズンのみの限定でRBライプツィヒの指揮を執ったラルフ・ラングニックのもとでアシスタントコーチに従事。米国人指揮官はCL初戦に、ラングニックが標榜するプレッシングサッカーを持ち込んでいる。

 オーストリア・ブンデスリーガで開幕7連勝34得点と、圧倒的な成績をあげてCL初戦を迎えたザルツブルクに対して、3勝3敗1分けで9位に甘んじるヘンク。両チームのここまでの戦いを表すような結果がこの試合にも表れた。

プレッシングサッカーが炸裂

 ザルツブルクのスタイルは、ラングニックが十八番とする4-4-2のそれだった。2トップと両サイドハーフが前線からプレッシャーをかける。ボールを奪うと、直線的に縦に攻め込み、サイドハーフは中央へ、サイドバックは高い位置をとり、2-4-4のような形に。狭い局面でダイレクトパスをつなぎ、ボールを奪われてもゲーゲンプレスで回収する。お手本のようなラングニックのフットボールを披露した。

 両チームのシステムはどうなっているか、伊東純也と南野拓実のポジションは戦前の予想通りかどうか。確認し終わるや否や、というタイミングで先制点が生まれた。

 開始2分、南野がバイタルエリアに下がってボールを受けると、寄せてきたDFをワンタッチでかわして前を向き、ハーランドへパス。これをダイレクトでゴールへと流し込み、開始早々にザルツブルクが先制に成功する。

 その後も攻勢を強めるザルツブルクは、クリステンセンが奪ったボールを受けた南野が、クリア気味にボールを敵陣に送ると、ダイアゴナルランでファン・ヒチャンが反応してマイボールに。これをフリーのハーランドに渡すと、GKの位置を見極めながら冷静に左足を振り抜いて追加点をゲット。直後には相手CBのパスをカットしてダイレクトで前線にボールを送ると、ファン・ヒチャンが抜け出して3点目をあげた。

初のGS突破へ、期待を膨らませる勝ち点3

 ヘンクは40分にFKから1点を返すが、その後、ザルツブルクはDFマキシミリアン・ウーバーが自陣でボールをインターセプトすると、そのままドリブルで持ち運ぶ。ペナルティーエリアで相手2人に囲まれたものの、こぼれ球がファン・ヒチャンのもとへ。これを折り返すとゴール前で待つハーランドがゴールへと流し込んで4点目を決めた。

 さらには前半アディショナルタイム。相手のFKをマイボールにしたザルツブルクは、南野にボールを渡す。左サイドで長い距離を運んだ南野は左足でクロスをあげると、ファーサイドで待つドミニク・ショボスライがこれを合わせて5点目を奪った。

 後半もザルツブルグがチャンスを作る展開が続く。ヘンクは左サイドからのクロスにヘディングで1点を返す。しかし、66分に左サイドバックのウルマーが味方とのワンツーで抜け出し、左足で6点目を奪ってヘンクの息の根を止めた。

 同時刻に行われたナポリ対リバプールは、ホームチームがディフェンディングチャンピオンを撃破。2強2弱と目されるグループEにおいて、ホームで戦った初戦で勝ち点3を掴んだザルツブルクは、2度目の本戦出場にして初のグループリーグ突破への期待を膨らませた。

3得点に絡んだ南野拓実

 日本代表で2試合を戦った南野は、リーグ戦再開となった14日の試合ではスタメンを回避。この試合で先発に復帰すると、得点こそ奪えなかったものの、3得点に絡む活躍でチームを大勝に導いた。

 今季リーグ戦で7試合3得点をあげている南野だが、7戦34得点をマークしているチームには、ハーランドという絶対的な存在がいる。今季、公式戦4度目のハットトリックで、得点を量産するストライカーがいることで、南野には得点の前のプレーを求められる。

 ザルツブルクの戦術による部分も大きいが、各選手の平均ポジションを見ると、2トップのすぐ後ろ、中央に南野が位置している。攻撃時はサイドハーフというよりもトップ下のように攻撃に関わる形によって、ヘンクは混乱へと陥った。

 さらには、ハーランドと最前線でコンビを組むファン・ヒチャンの存在も大きい。ハンブルガーSVへの期限付き移籍から復帰した今季、ここまでリーグ戦4得点6アシストをマーク。この日も1得点2アシストをあげた韓国代表FWは、南野同様にハーランドと近い位置でパスを引き出すことで、決定的な仕事に関わっている。

 この日ベンチスタートとなった奥川雅也は、3点リードで迎えた62分に登場。交代したショボスライに代わって左サイドハーフに入った。すでに試合の大勢が決した中でのプレーとなったが、アグレッシブなプレーでチームにエナジーを与え、時計の針を進めた。

 伊東のハイライトは1度のみ。43分に右サイドからの折り返しにシュートを放つもボールはクロスバーの上。想定外の前半5失点の中で攻撃に絡むことができずに、前半のみでベンチに退いた。

 高い決定力を誇るストライカーの存在に加えて、労をおしまないハードワークと的確なポジショニングを見せた日本代表、韓国代表アタッカーが、この試合の攻撃陣を牽引した。

(文:加藤健一)

【了】

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  • 9/18 10:40
  • フットボールチャンネル

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