今夜金曜ロードSHOW「崖の上のポニョ」宮崎駿は何をやりたかったのか

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2019年8月23日よる9時から、宮崎駿監督作品『崖の上のポニョ』が、金曜ロードシネマクラブ・日本テレビ系列で放送。
というわけで『崖の上のポニョ』を楽しむためのQ&A。

【Q1】「水没した町のシーンに登場する人たちはみんな死んでる。死後の世界だ」って説を聞いたけど、本当?
【A1】
たしかに、津波の後の水没した町を描く後半は、以下のようなシーンが続いて極楽浄土のようなイメージである。
・歩けなくなっていた「ひまわりの家」のおばあちゃんたちは、なぜか走り回っている。
・小金丸の船員が「船の墓場ですよ、きっと。あの世の入り口が開いたんですよきっと」と言う。
・その後、巨大なグランマンマーレが通過したのを見て「観音様が見えた」「観音様の御神渡だ」と言う。
・津波に水没した町がそのまま綺麗に残っているし、水も濁りがなく綺麗。
・トンネルを潜ろうとすると、ポニョが魚にもどっていく。
だが、宮崎駿は、インタビューで次のように語っている。
“死は匂うけど、そういうものの中に同時に自分たちが描きたいキラキラしたものもあるから。あんまり生と死っていう言葉を使いたくないですよね”(「CUT No.234」宮崎駿4万字インタビュー)

【Q2】つーても、めちゃくちゃな話だったんだけど!?
【A2】
ロバート・ホワイティングとの対話で、宮崎駿は、こう語っている。
“どこへたどり着くか、わからないけれど、出かけてみるしかない。そういうふうに、スタッフへ言いました。スリリングすぎて辛いですけども、全部見通すまで、ひたすら歩き続ける”(『ジブリの森とポニョの海』)
全体の構成を組み立てて制作するのではなく、絵コンテを作りながら制作し、物語を生み出していくという作り方でやっているのだ。

【Q3】
だから話の理屈が通ってないの?
【A3】
“理屈が通ってるのが好きだっていう人たちはいるんですよ。その人たちは映画を観なくてもいいと思うんだけどね、僕は(笑)”(「CUT No.234」宮崎駿4万字インタビュー)
はなから理屈を通そうとしてないのだ。
『崖の上のポニョ』は、映画のダイナミズムや絵の動く楽しさが全開で、展開も大暴走。すごい法螺話か神話のようなものとして受け止めればいいんじゃないかと思う。
宮崎駿はこうも語っている。
“やっぱりアニメーションの王道っていうのは、子どもたちが観て楽しかったと言ってくれることだと。全部、筋がわからなくていいんだっていういことは、いつも思っています”(「CUT No.234」宮崎駿4万字インタビュー)

『崖の上のポニョ』は、67歳のベテランの少年、宮崎駿が作ったじじいリアリズムの超問題作なのではないか。
“年寄りの若僧として目の前の扉がギーッて開いちゃいましたから。この薄明の天地の境も定かじゃないところに向かって行くんだなあって感じの扉が開きましたからね”(「CUT No.234」宮崎駿4万字インタビュー)

生も死も理屈も非理屈も過去も未来も現実も寓話も老いも若きも渾然一体となった薄明の天地の境も定かじゃない世界が、後半のシーンなのだろう。米光、ポニョ、大好きー!

エキレビの記事【今夜金曜ロードSHOW「崖の上のポニョ」結局あれなんなの? 疑問解決Q&A】と【今夜金曜ロードSHOW「崖の上のポニョ」は死後の世界なの?】リミックス圧縮バージョンでした。(テキスト:米光一成)

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