ストーリーをリアルに表現! 彫刻された文庫本アートがスゴい

 一冊の文庫本にうねうねとした波と傾く船が彫刻されている。『十五少年漂流記』の本だ。このように作品の持つ世界観をリアルに本に彫刻した、竹田朝子さんの『ものがたりの断片』が話題を集めている。

 竹田さんに話を聞いてみると、本をくり抜いて表現するという奇抜な発想が浮かんだのは意外にも「自分自身があまり感動できないタイプで、なかなか創作意欲がわいてこなかったとき、ぶった切られた本の断面をたまたま見つけて、とても美しく感じたのがきっかけでした。好きな本を切るという手作業で、本を素材としてとらえられないかと考えたのです」とのこと。

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 制作の過程で苦労したことについて「いざ切ってみると、思っていたより美しくないことが多かったです」と振り返るが、結果的に『ものがたりの断片』シリーズは大好評を得た。毎日広告デザイン賞2010年優秀賞や、KANABIクリエイティブ賞2009を受賞したほか、今年のCannes Lions(カンヌライオンズ) 2014 デザイン部門GOLD受賞作『Mother Book』を生み出すきっかけにもなった。

 『ものがたりの断片』に影響を与えた好きな作家は、日本のアートユニットNerhol(ネルホル)やフランスの映像作家ミシェル・ゴンドリーで、「質感やぬくもりを感じる作家さんに惹かれます。私自身、気の遠くなるような手作り作業が好きなのです」と話す。

 「ただ紙を切っているだけの変態で終わらないよう、仕事でも人の心を動かせるよう頑張ります」と締めくくった。

●竹田朝子(ともこ)プロフィール
1985年石川県生まれ。2010年金沢美術工芸大学卒業。電通入社。アートディレクターとして活躍中。『Mother Book』で第17回「アジア太平洋広告祭」(ADFEST 2014)デザイン部門グランプリ、Cannes Lions 2014 デザイン部門GOLDほか多数受賞。

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