夢は破れたものの、かけがえのないものをつかんだ球児たち……地方大会こそドラマがある!

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 連日、日本全国で熱戦が繰り広げられている高校野球地方大会。甲子園出場をかけたアツい戦いは、日を追うごとにヒートアップ。勝ち残るチームも次第に少なくなってきた。

 勝利したチームとは反対に、当然ながら夢半ばにして敗れ去ったチームもある。今回は高校野球のニュースを事細かに配信しているスマホサイト『週刊野球太郎』編集部に、甲子園出場はならなかった敗れた選手たちについて取材した。

     *   *   *

◎6日間の高校野球生活

 宮城大会では、こんなドラマがあった。黒川高vs岩出山高の試合は、5-1で黒川高が勝利。昨年のドラフト9位で楽天に入団した今野龍太の母校でもある岩出山高は、残念ながら敗退してしまった。

 プロ選手を輩出した岩出山高。しかし、今大会は直前で出場辞退する可能性もあったという。部員9人で迎えた夏の大会の開会式前日、1年生部員が突然退部。部員8人となり、試合ができない状態になってしまったのだ。

 急遽、“助っ人”として指名されたのが、175センチ140キロと堂々とした体躯の佐々木晶吾。砲丸投げで宮城県10位に入賞した経験を持つ異色選手だ。体格はまさに“助っ人”級の佐々木のおかげで、出場辞退は免れた岩出山高。実はこの佐々木は、岩出山高の主将で唯一の3年生・山田貴之の中学の頃からの友人でもあった。「最後の夏」の出場にこぎつけた佐々木はまさに救世主、チームメイトは感謝してもしきれなかった。

 チームは敗れたが、勝利以上のかけがえのない“何か”を得た岩出山高ナイン。佐々木にとってはわずか6日間の高校野球生活となったが、一生の思い出として、これからの人生を過ごしてほしい。

◎背番号21……女子球児の夏

 熱戦が続く神奈川大会では、スタンドから声を枯らして応援する女子部員の姿があった。松陽高vs綾瀬高の試合は3-0で松陽高が勝利。スタンドから精一杯の声援を送った綾瀬高野球部員・宅見知悠(たくみ・ちはる)の夏は終わった。

 兄の影響で小学校3年生から野球を始めた宅見は、6年生時には一塁手のレギュラーを掴むなど、その実力もなかなかのもの。中学時代も野球部に入部し、高校でももちろん、野球を続けるつもりだった。

 しかし現実は厳しく、選手として受け入れてくれる高校野球部はごくわずか。結局、入学希望した5校のうち唯一、受け入れてくれたのが綾瀬高だったという。

 入部後は男子部員と同じ練習を積むなど、その努力はチームメイト全員が認めるところ。1年生の夏には、1日1000スイングもこなした。その努力が認められ、今大会のベンチ入りは20人までだが、宅見には異例の背番号21が手渡されたそうだ。チームは敗れてしまったが、宅見は大学進学後も、準硬式で男子部員と一緒にプレーすることを夢見ているという。

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この記事のみんなのコメント

1
  • 悠彼方

    7/25 15:12

    なぜ、大会直前に辞めてしまったのか…3年生には最後の大会、自分がやめれば出れなくかもとは考えなかったのだろうか。せめて、大会後まで待てなかったのだろうか。よっぽどの理由があったんだろうか。

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