コートジボワール戦で途中交代の香川が実力不足を猛省も「あきらめたくない。嫌でも前を向く」

「初戦が終わってから気づくのはすごく悔しい」


 日本代表MF香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)が14日(日本時間15日)のブラジルワールドカップ初戦で不発に終わり、「これが自分の実力」と自虐気味に猛省した。アルベルト・ザッケローニ監督が4年間費やした主導権を握る攻撃的サッカーをピッチ上で表現できなかったことを嘆いた。

 大雨降りしきるレシフェのピッチ上で味わったのは苦々しさだけだった。「やっとこの時がきた」。万感の思いで君が代を聞いた日本代表の「背番号10」は1-2でリードされた後半41分、交代を告げられた。是が非でも1点が必要な最終局面でお役御免を言い渡されたエースは、後悔の思いを口にした。

「このために調整してきましたし、これでできないのも自分の実力なのかなと、すごくね……。初戦が終わってから気づくのはすごく悔しい。でも前を向いて。スタジアムのサポーターも声援送ってくれているんで」

 必死に言葉をつなぐような所作だった。前回のワールドカップ南アフリカ大会ではバックアップメンバーとして帯同し、16強入りを果たしたチームのサポート役を務めた。4年間で独強豪ドルトムントでの大活躍を経て、マンチェスターUという世界的名門に移籍。ブラジル大会で主役となるために4年間、心身を研磨し続けてきたが、自慢の突破力も決定力も見せられず。ピッチ上でその成長の跡を刻むことはできなかった。

 香川だけではない。試合の入り方の悪かったコートジボワールの隙を巧みに突き、本田の一撃で先制したはずのチームも実にナイーブだった。

「なんか自分たちですごく相手の前線の選手を脅威に感じてたし、攻撃の姿勢を見せられなかったって感じている。守備もなかなか踏ん張りどころが見つかりにくかった。取った後、自分たちのミスで自滅してしまっていた」

「トライしなかった」ことに対する深い後悔


 トップコンディションではなかったアフリカの誇るタレント軍団の身体能力の影におびえたのだろうか。ボールを保持できず、主導権を明け渡し、相手のエースFWデディエ・ドログバの投入を契機に致命的な2失点を喫した。

「(ドログバ投入で)雰囲気がさらに攻撃的にきましたし、先制(相手1点目)の起点にもなってたんで、そこをなかなかつぶせなかった」

 自分たちのサッカーを押し進めることに全身全霊を傾けてきたザックジャパンだが、圧倒的なフィジカルを誇るドログバに対抗する術はなかった。吉田麻也、森重真人のセンターバックら誰もが競り合うことすら難しかった。

「すべてにおいて、特に攻撃において、4年間やってきたことができなかったし、トライしなかった。悔しいですね。そこでできなかったというのをすごく感じるし、しようとしなかったというのもすごく感じる。明らかに慎重になってましたし、去年のコンフェデのブラジル戦のように失点しないように戦って、今日は先制点を取りながらも、自分たちのスペースで1回も試合を進められなかった。とても悔しい」

 開幕前は日本代表の目標をワールドカップ優勝と公言してはばからなかった香川にとっては、4年間を費やし、体現しようとした日本サッカーを4年に1度の祭典の初戦で表現できなかったことが最大の後悔だ。いや、「トライしなかった」という言葉が指す状況が一番深刻だろう。

「悔しいですし、言葉にならないですけど、あと2試合ある。あきらめたくないし、次に向けてやるだけ。こんな形で終わりたくない。それだけです。開き直れるか? これで気づくようでは遅いですけど、あと2試合あるし、チャンスはある。嫌でも前を向いて、切り替えてやっていきたい」と必死に前を向いた香川。

 19日(日本時間20日)の第2戦ギリシャ戦での連敗は1次リーグ敗退を意味する。ザックジャパンの浮沈を左右するであろう「背番号10」の奮起を期待するしかない。

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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