「交通事故レベル」の大ケガも……危険すぎる守備交錯事故

 2014シーズンが開幕したプロ野球。開幕ダッシュを狙って、アツい戦いを繰り広げていた3月30日の巨人vs阪神(東京ドーム)では、味方同士が激突するアクシデントが起きた。

 2回裏の巨人の攻撃。大竹寛の放った打球は二塁手と右翼手の間へフラフラッとあがった小フライとなった。これを阪神の二塁手・西岡剛と右翼手・福留孝介が追いかけ、2人は激突。福留は軽傷だったものの、西岡は衝突直後からしばらく動くことができず、東京ドーム内が騒然となり、救急車が登場する騒ぎとなった。左肩を脱臼、鼻と肋骨を骨折していることが検査の結果わかり、長期離脱の可能性も出てきた。

 これまでの守備交錯事故について『週刊野球太郎』編集部に聞いてみた。

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◎今センバツでも起きた激突事故

 実は龍谷大平安の優勝で幕を閉じたセンバツでも守備交錯事故が起きていた。3月28日の大会7日目、白鴎大足利高(栃木)の右翼手・大川善弘が中堅手・周東貴人と打球を追って激突。その後、一旦は守備についた大川だったが、大事を取って試合の途中で退いた。試合後の検査で肋骨2本にひび、1本が骨折、そして、肺の中に出血が見られ、緊急入院する事態となった。

◎不屈の闘志で激突事故から復活

 プロ野球の世界で、最も印象に残る守備交錯事故といえば、巨人の吉村禎章と栄村忠広の激突事故だ。1988(昭和63)年7月6日、札幌円山球場で起きた事故で、吉村は主治医が「交通事故レベル」とまでいう大ケガを負った。

 その大ケガとは吉村の左膝を繋ぐ4本の靱帯のうち3本が完全断裂。損傷は神経までに及び、選手生命を脅かすほどであった。その後、吉村が現役復帰を諦めずに2度の手術と1年以上のリハビリを経て復帰した。吉村の不屈の闘志を若手に見習ってほしいとの願いで、リハビリ中に使用したギプスは今でもジャイアンツ寮に飾られているという。

◎ラバー制フェンスができたきっかけ


 ちなみに選手同士の激突事故ではないが、過去にはこんな激突事故もあった。1977(昭和52)年4月29日、川崎球場で行われた大洋vs阪神で、打球を追った阪神・佐野仙好は、当時コンクリート製だった外野フェンスに頭から激突。フライを直接捕球しながらも、気を失い、頭蓋骨を骨折する重傷を負った。

 当時は川崎球場だけでなく、ほとんどの外野フェンスはコンクリートで固められていたことで大事故に発展してしまった。この佐野のフェンス衝突をきっかけに、安全対策として各球場でクッション性の高いラバーフェンスを導入するようになったという。

 2006(平成18)年5月6日の平野恵一(オリックス)のように思いきりフェンスにぶつかれば、今でも大事故になってしまうが、それでもラバーフェンスを導入することで緩和できるようになった。しかし、選手同士の交錯事故を防ぐには、まだまだ課題が多い。いずれにせよ、今回の交錯事故で負傷した選手の、一日も早い回復を祈るばかりだ。


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