NHKプロデューサーが語る「紅白歌合戦の存在価値」とは?

 いよいよ目前に迫ってきた第64回紅白歌合戦。今年の紅白出場歌手の選定理由や番組に込められた思いについて、 NHKの山田良介チーフ・プロデューサーにお話を伺いました。

Q. 今年のテーマは「歌がここにある」ですが、どのような思いが込められていますか?

 12月31日に紅白が放送されているとき、東京や実家はもちろん、旅行先や出張先など、日本全国、そして世界中でテレビを見ている状況があると思います。その同じ時間を共有している皆さんの"ここ"に歌を届けて、歌を感じていただきたいという思いを込めました。

Q. 出場歌手はどのように決めているのでしょうか?

 選考の基準は大きく「今年の活躍、世論の支持、番組の企画・演出」という三つがあります。それぞれ比重の差があってトータルで考えています。紅白は時代を映す鏡になればいいなと思っていますので、若い方の初出場もあれば、音楽シーンの変化で出なくなる方もいます。

Q. 最近の紅白は若者向けになっているという声もあります

 若者に見てもらうにはどうしたらいいかということは考えています。でも、別に若者だけを狙っているということはないし、逆にお年寄り向けだけにやるということもありません。紅白は、幅広い層を狙って、すべての方に見てもらうという宿命を背負った番組なんです。

 また、今年はヒット曲が少ないと言われていますが、近年の音楽業界はかつてのように一つのベストテン番組のようなもので状況が分かる時代ではありません。インディーズで活動されている方も、メジャーでヒットチャートを意識している方も、自分なりの地道な活動がベストだと思っている方もいます。いろいろな層やカテゴリーから抽出したピースを使って組み立てたパズルが、2013年の紅白歌合戦です。

Q. 他の歌番組との違いはどこにあると考えていますか?

 「世代をつなぐ話題を作る」ということを、意識していて演出している点です。
僕らが一番理想としているのは、例えば実家に帰って来たお孫さんとおばあちゃんが、AKB48が人気だとかジャニーズのこの人が人気だとか、最近はこういうのが流行っているんだねと会話が生まれることです。そこでは、「サブちゃんってこういう人なんだ」って若い世代が知るきっかけも生まれると思うのです。紅白は、テレビの前に家族が集まってクロストークができる珍しい番組だと思います。そこに、番組の存在価値があると考えています。

Q. 番組を作るうえで、インターネットの影響はありますか?

 ネットのおかげで見えるようになったもの、入手できるようになった情報があります。デジタル社会の中で作る番組として、うまく使うようにしています。出場者を選ぶ基本的なルールは同じですが、ピースを抽出する方法は年々変わって来ていると思います。

 またインターネットに記事を書いていただいて、それを読んだネットユーザーの方が、ちょっと見てみようかなと思っていただけるのはとても嬉しくて、ここは強調したいところです(笑)。

【番組情報】
「第64回 NHK紅白歌合戦」
NHK総合・ラジオ第1
12月31日(火)19:15~23:45(※20:55~21:00は中断ニュース)

  • 12/29 11:04
  • Scoopie News

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