第4回「視聴率は全く見ない、意味がない」藤村忠寿ディレクターが語る『水曜どうでしょう』裏話

拡大画像を見る

―藤村さんは『水曜どうでしょう』を演出する際に、現場でどんなことを考えていますか?

藤村:『水曜どうでしょう』は、もちろんみんな真剣に取り組んでるんだけど、構えてほしくないんだよね。だから、「雰囲気」や「場」を作ることを考えてるかな。例えば、今回のロケは、大泉洋のマネージャがついてくるようになったり、他のディレクターも参加したから、いつもの4人だけとは違う感じになったんだよね。今までもホテルで浴衣でごろっとして撮影することがあったけど、これまでにない目線が気になってか、大泉をはじめとして表情が少し違ったんだよ。だから、俺がベッドで寝ながら「じゃあ始めるか」ってカメラ回しはじめたのよ。そうすると「おまえ何で寝てるんだ、立てよ」「まあいいじゃねえか」って会話が生まれて、みんな自然と俺に目が行くようになって周りを気にしなくなるからね。やるとしたら、そういうことだなあ。

―「こうすれば面白くなるだろう」と、演出として仕掛けることはないんですか?

藤村:それはないね。あくまで、しゃべりやすい雰囲気や場を作るだけなんだよ。もちろん、あんまりダラッとしてると「おい、お前なんか面白いこと言えよ」って脅迫めいたことを言うときもあるけど、そのぐらいだろうなあ。

―番組の視聴率は意識していますか?

藤村:いまは全く視聴率を見ない。意味がないと思ってる。この点は、二郎ちゃん(西田二郎)と話してて全然違うなって思うよね。彼の場合は視聴率が指標にあって、それが企画を生む原動力になっているけど、俺は見ないんだよ。今回の新作も、初回は16.1%で次は10.%台、その次は13%台だったかな。最初はみんな見る、翌週は『リーガルハイ』が拡大してたから時間が被って食われちゃった。「それって内容と関係ねーじゃん」っていうのが俺の中であるからね。そもそも、番組の中身を視聴率で測るっていうことは、今までしたことがないんじゃないかな。

―『水曜どうでしょう』はコアなファンも多く、新作が発表されるたびに様々な反応があると思いますが

藤村:最初は新作を作るたびに批判する人が多かったね。「昔と変わってしまった」って。「そんなわけねえ、分かってねえなコイツ」と思うこともあったんだけど、どうやら昔のファンが「前の方がよかった」って言うのは、新しいファンが入ってくることに対する、ファンとしての立ち位置の問題なんだなと。「俺は昔から知ってるぞ」って言いたいものなんだと分かってからは、意味がないと思うようになったね。実際、『どうでしょう』のお祭りをやった時に、ファンが好きな企画をランキングで発表した時も、新作がたくさんランクインしてたしね。昔のはやっぱり下がってた。そこらへんも分かったから気にしない。

―『どうでしょう』ファンが望むものではなく、藤村さんが作りたいものを作るという感じですか?

藤村:いや、俺が作りたいものとファンが望むものは一緒なんだと思ってる。だから、俺もファンも、いい感じで両方とも寄っていることが、ベストな状態なんだと思う。それは、決して甘えている感じじゃないんだよね。俺は今のファンを本当に信用しているし、裏切るつもりはないから。もし、彼らに「この『どうでしょう』は、まずいっすねえ」って言われたらドキッとするだろうけど、その時は身に覚えがあるはずなんだよ。こっちはもう嘘つけないし、彼らもそれは分かってる。もうそのレベルまで来ちゃってるんだと思うよ。

関連リンク

  • 12/16 8:26
  • Scoopie News

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます