映画『キャプテンハーロック』公開記念 松本零士先生インタビュー 中篇

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――今回の『キャプテンハーロック』映画公開と合わせて自選作品集も出版されましたが、こちらはどのような基準で選ばれたのですか?

 この『松本零士の大宇宙』(小学館クリエイティブ発行)では、代表的なキャラクターが登場している作品を選びました。これを読めば、僕がこれまで描いてきた世界観と物語の基本がわかるようになっています。

――改めて収録されている作品をご覧になられていかがですか。

 ずいぶん長いこと描いてきましたからね......(パラパラとめくりながら)僕の作品では未来都市なんかをいっぱい描いているわけですよ。自分の未来や夢への憧れがあって、それを若い頃、四畳半の部屋で描き続けてきました。ここで描いた高層ビル街は、僕が当時「未来は現実としてこうなるだろう」と考えた予測と、SF的なファンタジーへの思いが合体したものです。不思議なもので、僕が予想した通り高層ビル街も当たり前のものになりましたよね。

――作品で描かれる町並みも、現在と似ているところがあるように見えます。

 そうですね。そういえば、こんな面白いことがありました。こないだ、最先端の技術で製造された船を見る機会があったんです。そしたらブリッジの部分が僕の作品で描いたものとそっくりだったんですね。僕が驚いて「似ているなあ」と若い技師に声をかけると「先生の作品を見て育ったんだからしょうがないです」と言ったんです(笑)。

――次の世代に思いが受け継がれている、と。

 ええ。なるほどなあと思いましたね。僕自身も若い頃に影響を受けた漫画やアニメーション、SF、映画から作品を作り上げていったように、彼らもまた僕の作品に影響を受けているんですね。文明や文化というものはそうやって受け継がれていくんだとおもいます。これはバトンタッチですね。永遠のバトンタッチ。

――松本先生ご自身の世界観ともつながっていますね。

 そう。僕のペンネームである松本零士は「終わりなきサムライ」という意味です。「零=0」と書くと無限大でしょう。終わりはないわけです。僕はそういう「時の輪」をめぐる物語を描いてきましたから。僕や彼らも、先人の思いを受け継いで新たなものを生み出していくわけです。

――今回の書籍で、これまでファンだった方はもちろん、初めて作品に触れる読者もいるかと思います。どのように読んでもらいたいですか?

 まずは、僕が色々なものを、色々な時代に書いているなということを感じて頂けるだけで十分です。そのうえで全体を通じて流れている「作品の核」を理解していただけたら嬉しいですね。

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