犬に噛まれた傷で弟を亡くした女性、夫も噛まれ両脚切断へ(英)

ポーリーン・デイさんの悪夢の始まりは今年5月、弟のバリーさんがオスの秋田犬“テッド(Ted)”を購入したことだった。その春につらい別れを経験したバリーさんは少しでも慰めになればとFacebookで犬を探し、ロンドンに住むアパートでテッドを引き取った。

ところがそれから6週間も経たない7月7日のこと、バリーさんはテッドを散歩中に腕を噛まれ、患部が酷く腫れ上がった。その後、冷や汗、頭痛などに襲われたバリーさんは体調が急激に悪化、噛まれてから3日後に自宅で心停止を起こして死亡した。

悲劇はさらに続いた。バリーさんの葬儀が行われた8月18日、今度はポーリーンさんの夫マークさん(Mark、61)が朝の散歩中にテッドに噛まれ、その2日後には身体が紫色に変色、3日目には39度の熱が出た。マークさんは当初、二日酔いだと思ったというが、ポーリーンさんは「弟が経験したことが夫にも起きている」と直感しマークさんを連れて病院へと急いだ。

マークさんは当時のことを「両脚がまるで氷の塊のようになり、両手と両脚に寒気が走った」と表現しており、その後は多臓器不全に陥り、心停止を起こした。幸いなことに命は取り留めたが、医師に「犬に噛まれた傷から細菌が侵入し敗血症を起こしたのは間違いない」と告げられて愕然とした。

マークさんはテッドに噛まれてから2か月経った今も入院中で、壊死してしまった左手指5本と右手指2本を切断している。さらに今月末には、真っ黒に変色した両脚の切断手術が予定されている。

弟を亡くしただけでなく、夫までも命の危機に晒されたポーリーンさんは、テッドについて次のように語った。

「弟も夫もテッドに襲われたわけではなく、噛まれたといっても皮膚表面に傷がついたくらいでした。テッドは穏やかな犬でしたが、幼い頃に虐待を受けたのか食べ物を前にするととても攻撃的になりました。バリーが噛まれたのも、テッドがくわえていた犬用の骨を口から取ろうとしたためです。」

「バリーは生後1歳3か月だったテッドを約23万6千円(1500ポンド)で購入しました。売主からは『よく訓練された犬』と聞いていたようですが、テッドはバリーが帰宅して名前を呼んでも何の反応も示さなかったと言っていました。またこれは後で分かったことですが、テッドは予防注射を済ませていなかったのです。バリーは売主から嘘の報告を受けていたようです。」

「テッドはマークの感染症の原因が判明したその日に安楽死されていますが、弟を失い夫までこんなことになるなんて、まるで悪夢を見ているようで信じられない思いです。」

ちなみにこのニュースには、「動物シェルターなら必ず予防注射を済ませているはず」「腕が腫れてもほうっておいた男性にも非がある」「弟が亡くなった原因を探ろうとはしなかったの? 第二の被害者が出ずに済んだのでは?」「犬の口腔ケアをきちんとしていなかったのだろうね」「売主が酷すぎる」「被害者は2人だけではない。犬もかわいそうだ」といったコメントがあがっている。

なお英国民保健サービス(NHS)は「人間だけでなく動物の口腔内にはたくさんの細菌が生息しており、その菌が傷口から侵入すると感染症を起こすことがあります。もし犬や猫に噛まれた場合は傷口を流水で洗うなどの応急処置の後、病院を受診してください。患部が腫れて赤くなったり、熱が出たりした場合は早急な対応が必要になります」と、小さな傷でも病院で治療を受けるように呼びかけている。

画像は『MyLondon 2021年10月20日付「Woman’s brother dies and husband loses both legs after dog barely nips them both」(Image: WalesOnline)(Image: Pauline Day / SWNS)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2021/10/22 6:00

この記事のみんなのコメント

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  • あきひろ

    10/22 19:19

    犬なんかを飼うと不幸が寄ってくるのでしょうね細菌の塊だし。

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