ウィリアム王子、宇宙旅行する億万長者を痛烈批判

ウィリアム王子が現地時間14日配信のポッドキャスト『Newscast』にゲスト出演し、現地時間17日に開催される第1回「アースショット賞(Earthshot prize)」のプロモーションを行うとともに、気候変動について語った。

王子が2020年にローンチした同賞は、世界の環境問題を解決する革新的なアイデアを提案する5団体や人々に総額5000万ポンド(約78億円)の賞金を授与するプロジェクトだ。2030年までに少なくとも50の主要な環境問題の解決策を見つけることを目的に、毎年100万ポンド(約1億5500万円)の賞金が5団体または人物に授与される。

インタビューに応じたウィリアム王子は「僕達はこの地球を修復するために、世界で最も優れた頭脳と精神を必要としているのです。次に旅行したり住む場所を探すことではありません」と宇宙にロケットを送り続ける人々を強く批判、「地球を救うことを諦め、宇宙に行って未来のための解決策を考えることより、この地球に焦点を当てることの方が非常に重要なのです」と述べた。

現地時間13日には、米アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙開発ベンチャー企業「ブルーオリジン」によるロケットが打ち上げられたばかりだ。宇宙船には人気SFシリーズ『スタートレック』でカーク船長を演じた俳優ウィリアム・シャトナー(90)が3人の宇宙飛行士とともに搭乗し、過去最高齢での宇宙旅行を実現した。

このほか英ヴァージン・グループ創業者リチャード・ブランソン氏は宇宙関連企業「ヴァージン・ギャラクティック」を設立、米テスラの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏は宇宙開発企業「スペースX」を創業するなど、世界の名立たる億万長者達が続々とロケットを宇宙に打ち上げている。

ウィリアム王子はこうした宇宙旅行について「まったく興味がない」と明かし、「宇宙飛行にかかる炭素コストが根本的問題である」と指摘した。

さらに「若者の間では気候変動に対する不安が高まっています。基本的に彼らの将来はずっと脅かされているのです」と言い、「本当にゾッとします。非常に不安な気持ちにさせられますよね」と述べた。

そんな王子は何十年も前から気候変動について語ってきた父チャールズ皇太子の影響で地球環境に興味を持つようになったと明かしており、「父は苦難の道を歩んできました。父にとって、厳しい道のりでした」と加えた。

そして大人達には「屋外で過ごすことがどれほど大切で、未来の世代から何を奪っているのかを思い出してほしい」と呼びかけ、「もしも30年後に息子のジョージがここに座り、環境問題について語っていたとしたら最悪ですよね」と話した。

画像は『The Earthshot Prize 2020年10月8日付Instagram「Welcoming our #EarthshotPrize Council Members - who every year, will award The Earthshot Prize to the five winners」』『Jeff Bezos 2021年10月13日付Instagram「Bill, Audrey, Chris, Glen - you’re about to share an experience that will forever change how you view the world. Godspeed. This is how it starts.」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

2021/10/15 10:33

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