岸和田だんじり報道に地元民から疑問の声「悪い面ばかり報道している」
◆岸和田だんじり祭を地元の人はどう見ていたのか
大阪府岸和田市の伝統行事「岸和田だんじり祭」が岸和田春木両地区で9月18〜19日に再開された。今年は見物客が集まらないよう道路に沿って目隠しの幕を設けるなど、感染対策をとり厳戒態勢での開催となったが、「実際はかなり密で大声を出したり路上飲みをしている者もいる」などネット上では批判する声が相次いだ。
半ば強行突破ともいえる形になった今年のだんじり祭だが、これに対して地元の人はどう思ったのだろうか。祭り後、シルバーウィークが明けた岸和田の町を取材した。
◆酒の提供はほぼされなかった
まず、岸和田の駅前商店街を見て驚いたのはほとんどの店が休業となっていること。コロナ流行前のだんじり祭では飲食店に多くの法被姿の参加者が集まって酒を飲んでいたのだが、今年は各商店に「緊急事態宣言のため8/2より休業」という貼り紙が掲げられていた。
今年は、祭りの日に飲み会は行われなかったのだろうか。営業をしていた飲食店の従業員に話を聞いた。
「うちは祭りの日に営業をしていたので、だんじりを見に来ていたお客さん達で賑わっていました。でも、アルコールの提供をしていないので、皆、だんじりを見に来たついでに昼食を食べに来た……という感じでした。お客さんは特に騒ぐこともなく大人しく食事をして帰っていきました。
だんじり曳行中も見物客は多いものの、騒いでいる様子もなく静かに見ていました。商店街しか見ていないので通りの状況は分かりませんが、ネットで騒がれているような大声や路上飲みは私が見る限りなかったですね」
なんと、地元の人からは「意外と大人しかった」とネットの声とはまるで反対の意見だったのだ。
◆だんじり参加者にはワクチン接種。地区ごとの感染対策も万全
一方で、岸和田に住んでいる女性からはこんな声も。
「緊急事態宣言に従って岸和田商店街はほとんど休業しています。今年4月にだんじりの入魂式が行われたときにも世間からかなり叩かれてしまったので、今年は祭りがあってもうちの店は我関せずとばかりに休業する店が多かったようです。
もちろん、中には予約客のみで営業している飲み屋もあるんでしょうけれど、今年は見物客が集まらないように地区側も感染対策をきちんとしていたので開催する分には別にいいのでは……と思いました。
ネットに書かれているように、だんじりを曳く人の中にはノーマスクで掛け声を出している人がいましたが、祭りの運営団体が参加者を対象にワクチンの職域接種を行ったというのでそこまで目くじらを立てることでもないのかなと思いました」
◆悪いことばかり報道される……
一方で「悪い面ばかり目立って報道されているのでは……」と語る地元住民も。
「緊急事態宣言中での祭りの開催が、批判の対象になってしまうのは仕方のないことかもしれません。でも、報道を見ていると悪い面ばかりが目立っているのかなとも思いましたね。
確かにだんじり曳行する町もありましたが、宮本町や北町などは自粛して曳行はせずに参加者達が歩いてだんじりの宮入りをしていました。参加者は全員マスク着用で、ソーシャルディスタンスを守って無言で歩く姿には見物客からも拍手が起こっていましたね」
ネットでの書き込みとは裏腹に、取材した地元民からは意外と反対の声は聞こえなかった今年のだんじり祭。筆者も祭の様子は映像でしか見ていないのだが、だんじり祭よりも東京の新大久保や大阪ミナミの商店街のほうが観光客でよほど密に見えた。なにはともあれ、来年は通年通りのだんじりが開催されてほしいと思うばかりだ。
取材・文/日刊SPA!編集部
いち(
9/23 15:09
この3連休どこもかしこも人出がおおかったよね。