ゴキブリが潜んでいるのは「エアコンの中にも」。秋からできる対策は

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 涼しくなってくると徐々に見かけなくなる「ゴキブリ」。夏は最盛期と呼べるが、じつは秋冬もいなくなったわけではない。姿を潜めているだけなのだ。今回は、ゴキブリ対策専門サイト「ゴキラボ」編集長・和田まりさんに、今からやっておくべき対策を聞いた。

◆冷蔵庫の隅やシンク下の排水管付近に潜むゴキブリ

「ゴキブリは雑食で、食べカスはもちろん、小麦粉やドックフードなど、何でも食べます。ですので、完全な根絶はできないんです」(和田まりさん、以下同)

 夏よりは減っている気もするが、ゴキブリはいったいどこに潜んでいるのだろうか。

「ゴキブリは9月くらいまでは繁殖期で、動きが活発です。成虫は寒さに弱いので秋冬はほぼ死んでしまいます。一方、幼虫(※生まれたばかりの幼虫は除く)と卵は死なずに休眠(冬眠)状態に入ります。屋外の場合、その居場所がどこなのかと言えば、夏と同じ場所の可能性は高いです。ただし、休眠するためには、ある程度低い温度である必要があります。彼らは、低温かつ風などの影響をうけず、じめっとしている暗いすき間を好むので、そういった場所で休眠していると考えられます。

 屋内でも、同様の環境がそろえば休眠して冬を越すことがあります。たとえば、冷蔵庫の隅や、台所のシンクの下にある配水管の周りに生息しているかもしれません」

 通常、冬の間は活動自体がストップしてしまう性質だという。

「冬の休眠中は、成長も止まるので、卵もかえらないし幼虫も脱皮しません。エサや水も口にすることはないです。ちなみに、ゴキブリは脱皮をして大きくなるのですが、脱皮した皮は自分やほかのゴキブリが食べてしまうので、見かけることは少ないんです。脱皮したてのゴキブリは真っ白で、めったにお目にかかれないので、私は『幸せのゴキブリ』と呼んでいます」

◆快適なエアコンや床暖房、本来は休眠中のはずが…

 ゴキブリの幼虫は、寒くなっても存在が消えるわけではなく、休眠しているだけだという。幼虫は休眠中、成虫ならば死んでいるはずだが、冬になっても姿を見かけることがあるのはなぜだろうか。

「温暖化の影響もありますが、今は気密性の高い住居が増え、そのなかで暖房や床暖房をよく使っていることで、冬の間でも成虫のゴキブリが活動しているんです」

 部屋が暖かいほど居つきやすいらしいが、その生命力は強い。昆虫の寿命は一般的に1年未満と言われているが、ゴキブリはそのなかでも長寿。

「全国的に主流のクロゴキブリの成虫は、環境(※)さえ整っていれば200日近く生きるものがいるという報告があります。

 国内では九州など暖かい地域を中心に分布するワモンゴキブリは、休眠しないんです。寒さに弱いので本州においては屋外で冬は越せないと言われていました。しかし、近年は都心のマンホールの下や暖房設備のあるビル内など、暖かいところで捕獲されたという報告もあります。そういったケースもあるので、東京などの都市部では、年がら年中ゴキブリがいると考えられます」

(※)25℃の環境

◆来年に向けて「秋」からできる対策

 そんな夏の間に退治ができなかったゴキブリ。秋冬に対策をするなら、どうしたらいいのだろうか。

「ゴキブリ対策は、卵が孵化し、また休眠していた幼虫が活動をし始める4月〜5月にベイト剤(※)を置いて過ごすのがいちばん効果的です。秋、冬になると効果は下がります。でも何も対策をせずに放置していると、来年の春に一気にゴキブリが出るので、ゴキブリ対策は秋頃までにしておいた方がいいです」

(※)「ブラックキャップ」「コンバット」「ホウ酸団子」などの駆除剤

 具体的には、春同様にベイト剤を置く対策でいいという。

「ゴキブリが休眠に入る前の秋なら、まだ殺虫剤などが効きます。ベイト剤を置いたり、くん煙剤を焚いたり、スプレー式駆除剤を散布するなど、対策を行ってください。休眠に入ると、幼虫にはあまり効果が期待できません。ただ、成虫に関しては、元気に動いていればベイト剤や殺虫剤も効果はあります」

 ゴキブリ対策として便利で手軽なベイト剤だが、ペットがいる場合は気軽に置けないこともあるだろう。

「忌避効果のあるハッカ油を使えばゴキブリ対策になります。使い方としては、スプレーで散布する、脱脂綿に染み込ませて置いておくなど。しかし、ネコを飼育している場合は絶対に使わないでください。ハッカ油は猫の肝機能を低下させる可能性があります」

◆意外な場所がゴキブリの隠れ家

 コロナ禍の巣篭もり需要で人気の観葉植物も、秋冬の間は要注意だという。

「観葉植物やプランター、外に置いてある鉢の中などで、成虫が卵を産んで残っていれば休眠しているかもしれません。そのため冬でも外に置きっぱなしはやめた方がいいです。家の中も同様に、夏の間にゴキブリが卵を産んでいれば、春に幼虫が出てくる可能性があります」

 もちろん、寒くなっても野外にはゴキブリが生息している地帯がある。公園や街路樹、神社などにある木のうろ(穴が空いている部分)に、ゴキブリの卵が隠れているそうだ。

「都内の公園の木にもゴキブリは潜んでいます。公園に産み付けられていた卵が孵化して、そこから巣立ったものが家に入ってくることもあります」

◆「うっかり遭遇」を防ぐために

 季節を問わず、どこかに生息しているゴキブリ。夏が終わった頃に使わなくなったエアコンからゴキブリが出てきた……なんて経験も一度はあるはずだ。

「エアコンの内部にゴキブリの卵があったという事例もあります。外から入ってきたというよりも、家の中に居ついたゴキブリが、たまたまエアコンの中に潜んでいて、産卵した可能性が高いです。

 とはいえ、外からゴキブリが侵入する可能性も。防止策としては、エアコンのドレンホース(屋外につながっている排水ホース)に、ネットかキャップをつけておくのがいいですね。台所の排水口用ネットを輪ゴムでつけるだけでも違います。エアコンを使わない時期でも、対策はしておくにこしたことはないです。なお、ネットやキャップをつけると、ホコリやゴミが溜まってしまうので、定期的に交換やお手入れをしてくださいね」

 夜寝ている間に「カサカサ」と忍び寄る不快な音。気づけば、布団から出ている手や足の近くにいるなんて場合もある。

「ゴキブリは夜行性なので、そういったケースもありますね。『ゴキブリの気配がして寝れない』『ゴキブリを見つけたけど、逃がしてしまって寝れない』時は、寝具の近くにハッカ油を含ませた脱脂綿を置いておくのはどうでしょうか。ゴキブリはハッカ油の匂いが苦手なので、近づいてこないと考えられます。

 そして、翌日にくん煙剤やベイト剤で駆除しましょう」

 これで夜も安心して眠れそうだ。

 うっかり壁にいるのを見つけてしまい、倒そうと思ってもバタバタと飛び跳ねる。殺虫スプレーで狙う時に、何かコツはあるのだろうか。

「ゴキブリはほとんど上には飛べず、“上から下”に滑降します。必ずどこかに着地するので、いったん待って、着地したところを狙ってスプレーを吹きかける。決して慌てないこと。

 殺虫スプレーには、狭い隙間からも興奮して出ていく“追い出し効果”がある成分が含まれているものがあります。これによってゴキブリはジタバタするんです。その後に息が絶えます。もしも逃げ出してしまっても、ある程度薬剤がかかっていれば、そのうち死ぬことが多いのでご安心を」

◆倒したゴキブリをトイレに流すのはオススメしない

 ゴキブリを倒したあと、死骸の破棄方法はどのようにすればいいのだろうか。

トイレに流すという人が意外と多いのですが、あまりオススメしません。ゴキブリは泳げるので、殺しが甘いと復活して戻ってくる可能性もあるんです。きちんと潰して殺し、ビニール袋や新聞紙などで包んでから、ゴミ箱に捨ててください」

 どうしても死骸に触れたくない場合には、便利なグッズがあるという。

「セリアやFLET'Sなどの100円ショップで売っている『ゴキすぅ~ぽん』(バリアホーム)という商品があります。掃除機の先に装着してゴキブリを吸い込むのですが、掃除機本体までは入らず、この中に死骸がおさまるのでそのまま捨てられますよ」

 また、退治した後は、ゴキブリが歩いた箇所をよく拭いた方がいいという。

「ゴキブリは汚れや菌を体中に付着させています。ゴキブリが触れたところや、スプレーがかかったところも掃除してください。ちなみに、殺虫スプレーは、エアコンには絶対にかけないでください。薬剤で壊れてしまう可能性があります」

 秋を迎えて姿を消しても、あらゆる場所で生息している可能性があるゴキブリ。ベイト剤を置いたり、ハッカ油を用意したりする対策ならば、これからでも間に合うはずだ。

<取材・文/池守りぜね、協力/ゴキブリ対策専門サイト「ゴキラボ」>

【池守りぜね】
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。Twitter:@rizeneration

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  • 日刊SPA!

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この記事のみんなのコメント

1
  • ***

    9/22 13:30

    昆虫は一年位で死ぬか、確かにそうだが皆が知っている昆虫でも長生きするのいっぱいいますよ。毎年必ず見るのはセミかな、7~8年生きている。クワガタとかヒラタ、大クワガタ、小クワガタなんかも幼虫だけで複数年生きている。何でも20年位幼虫でいるセミもいるとか。大スズメバチも越冬してるの見たな。ゴキの話だが卵、小豆に似ていて混ぜたらわからなくなるだろうと前から思っていた、気色悪い

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