焼死した女性の遺体をマネキンと勘違い 警察が廃棄処分に(カナダ)

カナダのケベック州にあるシェルブルック警察が、現地時間7月29日午後に謝罪のための記者会見を開いた。会見を行った署長のダニー・マコーネル氏(Danny McConnell)によると、同月23日の午前10時頃、シェルブルックのカバナ・ストリート付近の工場の裏で火災が発生していると通報を受け、消防隊が現場に向かったそうだ。

消防隊が現場に到着すると、目撃者から「何者かがシリコン製のマネキンに火をつけていた」と証言を受けたという。消防隊はその後、シェルブルック警察に連絡して応援求めたとのことだ。そして回収して焼けた“シリコン製のマネキン”は、一般の人が利用できない同警察署の廃棄物用コンテナに廃棄することとなった。

ところがその4時間後の午後2時15分、同警察署に「パートナーの女性の行方を捜している」という男性から「行方不明者届」が同警察署に提出されていた。警察では女性の携帯電話の電波を追跡し行方を追ったところ、“シリコン製のマネキン”が見つかった付近に停車していた女性の車を発見したという。

そこで以前火災現場に関与していた警察官が行方不明の女性との繋がりがあることを疑い、廃棄物用コンテナから“シリコン製のマネキン”を回収し、それがマネキンではなく行方不明の女性の遺体だということが判明した。開かれた会見で同警察署はこのように謝罪の言葉を述べた。

「我々は今回の件について、本当に心から申し訳なく思っております。遺族にはこの捜査について、助言とともにあらゆる重要な情報を共有していく所存ですので、ご安心頂きたく存じます。また我々の心はこの悲劇的な状況に置かれたご家族、パートナー、そしてお子さん達とともにあります。」

またシェルブルック消防署長のステファン・シモノー氏は(Stéphane Simoneau)は「今回の件については愕然としており、同署のチーム、部門、そして火災現場に向かった隊員の全員がショックを受けている状態です」と話している。

マネキンと遺体を間違えるなど言語道断のようだが、病理解剖学者のロバート・ニコルソン氏(Robert Nicholson)は『CBC News』のインタビューに応じ、このように述べた。

「人間の体は燃えることによって水分量が減り、焼けたマネキンと混同される可能性があります。火傷によって体の水分がほとんどなくなってしまうと、それは普通の人間には見えなくなるとともに人間だとは思えないことでしょう。」

遺体となって発見された女性について、警察からは何らかの捜査の進展があったという発表は今のところ無いようだ。

画像は『CBC News 2021年7月29日付「First responders in Sherbrooke, Que., apologize after mistaking fire victim for mannequin Social Sharing」(André Vuillemin/Radio-Canada)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

2021/8/4 5:00

この記事のみんなのコメント

4
  • グレイス

    8/16 11:43

    単なるマネキンでなく態々シリコン製って言ってる目撃者、怪しくないか?

  • 脱走兵

    8/16 9:18

    なるほど。マネキンの廃棄場所なら死体を遺棄しても発見されないかもしれないのか。ついでに放火しておけば腐る事もない、と。

  • 管仲

    8/5 13:02

    「何者かがシリコン製のマネキンに火をつけていた」という現場の目撃証言から、とんでもない先入観が植え付けられてしまった。現場のプロの警察官でさえ、そうなった。先入観というものは恐ろしい。

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