ロシアのサーカス団、クマが調教師に襲いかかるもショー続行「繁殖期に入っているだけ」

ロシアのケメロヴォ州ベレゾフスキーで今月17日、ロシアのサーカス団「ハーレクイン・トラヴェリング・サーカス」がショーを行っていたところクマが女性調教師に突然襲いかかった。この時の様子を捉えた動画を18日に地元メディア『The Siberian Times』がTwitterに投稿したところ、多くの注目が集まることとなった。

20秒ほどの動画には、女性調教師が2本脚で歩行するクマを誘導する姿が捉えられている。しかしその直後、クマは突然豹変し女性に飛びかかった。女性はとっさに身を交わしたがクマに脚を鷲掴みにされ、床に倒れ込んだ。あわや大惨事になるかと思われたが、周りにいた団員がクマを女性から引き離して落ち着かせたようだ。

驚くことにショーはそのまま何事もなかったかのように続けられた。だが一旦落ち着いたかと思われたクマは、再び同じ女性調教師に飛びかかった。またもや男性団員が数名駆けつけてクマを取り押さえたが、ショーは再び続けられたという。

のちに同サーカス団のスポークスマンは、メディアのインタビューに応じ「全く問題はありませんでした。単刀直入に申し上げますと、クマはちょうど繁殖期に入っているだけなのです」と述べている。また襲われた女性調教師には、病院に行くような怪我もなかったという。

しかしながらロシア調査委員会では、同サーカス団が行うショーの安全面について問題がなかったか調査中とのことだ。ちなみに英メディア『Mirror』は、動画を見る限りではショーを行うエリアと観客との間に柵などの隔てるものが一切無いことを指摘している。

またモスクワに拠点を置く動物愛護団体「ヴィータ(VITA)」のイリーナ・ノヴォジロヴァ氏(Irina Novozhilova)は、ロシア全土のサーカス団に対して動物を使ったショーの禁止を呼びかけており、次のように述べた。

「サーカスを取り巻く環境が人道的とは言えない理由は、動物の訓練がいかに残酷であるかというところにあります。動物らがギリギリのところまで追い詰められるような残酷なことをしているのです。そんな動物を使ったサーカスのショーは禁止されるべきです。」

ロシアでは今回だけでなく、過去に何度か同様の事故が起きている。昨年10月には、サーカス団の調教師の男性が飼育しているクマの檻の中で襲われ亡くなっている。また2018年10月には、観客席にいた4歳女児がサーカスのショーに出演中の雌ライオンに襲われるという事故が起きていた。

画像は『The Siberian Times 2021年7月18日付Twitter「Every month Russian media report at least one attack of travelling circus animal ‘artists’ on trainers.」「The circus ‘prides itself on humane training of the animals’」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

2021/7/21 21:50

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