読み返したくなるおすすめの秋の俳句6選。季節の情景が浮かぶ日本の名句特集

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おすすめの秋の俳句をご紹介

吹く風がさわやかになり、作物が実りはじめる日本の秋。そんな季節には俳句を楽しんでみませんか?

普段なかなか触れることのない俳句ですが、作者の思いがつまった味わい深い名句がたくさんあります。今回はおすすめの秋の俳句をご紹介。

「月」「風景」「恋愛」をイメージさせる名句を6作選びました。この季節ならではの趣のある俳句ばかり。今年の秋は、作者の思いを想像しながらぜひ俳句を楽しんでみてください。

おすすめの秋の俳句《月》

おすすめの秋の俳句《月》
出典:https://pixabay.com/

最初は「月」をイメージさせる、おすすめの秋の俳句をご紹介します。秋といえば「中秋の名月」など、月がとても綺麗な季節。俳句で単に「月」といえば、それは秋の月のことを意味しています。

今回取り上げるのは2作ですが、日本には月の俳句がたくさん。「月の名句といえばこれ!」という有名な俳句もあります。俳人たちはどんな思いを月にのせて、俳句を詠んできたのでしょうか。さっそく見ていきましょう。

月にまつわる秋の俳句①松尾芭蕉

名月や 池をめぐりて 夜もすがら

松尾芭蕉

出典:https://yeahscars.com/

松尾芭蕉の有名な秋の俳句。秋の夜長に月を愛でる様子が思い浮かびますが、実はこの俳句にはさまざまな解釈があるんです。名月に見惚れていたら夜が明けてしまった、という意味の俳句ですが、注目なのは「池をめぐりて」の部分。池の周りをめぐっているのは芭蕉自身なのか、それとも月なのか、2通りの解釈ができます。

また、芭蕉が見ているのは空に浮かぶ月か、池に映る月か、いろいろな情景が浮かびますね。月への思い入れが深かった芭蕉は、このほかにも多くの「月」にまつわる俳句を残しています。

月にまつわる秋の俳句②高浜虚子

月を待つ 立待月と いふ名あり

高浜虚子

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明治〜昭和まで3つの時代にわたり、俳人や作家として活躍した高浜虚子。10万句を超える俳句を詠んだと言われています。そんな高浜虚子が残した「月」にまつわる秋の名句がこちら。

「立待月(たちまちづき)」とは、「立って待っている間に出てくる月」を意味しており、別名「十七夜」とも呼ばれています。月は、十五夜の満月を境に出る時間が遅くなりますが、「立って待っていられる程度の遅くない時間帯」に見られる月ということです。「寝待月」と呼ばれる月もあるんですよ。

おすすめの秋の俳句《風景》

おすすめの秋の俳句《風景》
出典:https://pixabay.com/

続いては秋の風景を思いだすような、おすすめの俳句をご紹介します。紅葉や空の色が鮮やかに見られる秋の季節の風景も、さまざまな俳人によって俳句として詠まれています。

ここでは日本を代表する有名な俳人たちの名句を、2作取り上げました。さわやかな日本の秋が思い浮かぶような、趣のある俳句です。目を閉じて情景を浮かべながら楽しんでください。秋の風景を詠んだ俳句はほかにもたくさん。ぜひお気に入りの名句を探してみてくださいね。

風景にまつわる秋の俳句①小林一茶

青空に 指で字を書く 秋の暮

小林一茶

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日本を代表する俳諧師の一人である小林一茶。俳句をあまり知らない人でも、一茶の俳句は聞いたことがあるのではないでしょうか?「一茶調」と言われる独特の作風で、江戸時代の三大俳人の一人として名を残しました。

そんな小林一茶の、秋をイメージさせるおすすめの俳句がこちら。目を閉じると、気持ちのよい秋晴れの大空が思い浮かびます。一茶の俳句の中では、珍しくロマンチックな雰囲気が描かれている名句です。

風景にまつわる秋の俳句②正岡子規

砂の如き 雲流れゆく 朝の秋

正岡子規

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明治時代、俳人・文学者・新聞記者などとして活躍した正岡子規。江戸時代の俳諧文化を「俳句」という形にした、日本を代表する有名文化人の一人です。そんな正岡子規の秋のおすすめの俳句がこちら。

朝の空を流れる雲を眺め、秋の訪れを感じる思いを詠んでいます。秋になると空を流れる雲の様子も、夏とは違ってくるもの。そんな秋の雲が静かにさらさらと流れる情景を、砂に例えた名句ですね。

おすすめの秋の俳句《恋愛》

おすすめの秋の俳句《恋愛》
出典:https://pixabay.com/

最後は恋愛をイメージさせる、おすすめの秋の俳句をピックアップしました。秋といえば、センチメンタルな恋愛の似合う季節。有名な俳人たちも、恋愛の感情を思い思いに俳句に乗せて詠んできました。

女性の俳人が切ない恋愛の俳句を詠むことも多くなってきた現代の俳句文化。わかりやすい言葉で、女心をロマンチックに描いたものがたくさんあります。興味のある人はこの機会にぜひいろいろな俳人の名句に触れてみてください。

恋にまつわる秋の俳句①炭 太祇

初恋や 灯籠によする 顔と顔

炭 太祇(たん たいぎ)

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江戸時代に活躍した俳人・炭 太祇(たん たいぎ)。女性たちに俳諧を教える教授としても活動していました。そんな炭 太祇のおすすめの秋の名句。初恋を思わせる男女が、灯籠の下で顔を寄せ合っている様子が思い浮かびます。

恋愛の初々しさを美しくまとめ、甘酸っぱい初恋を見事に表現。恋愛を詠んだ名句の一つとして知られています。秋を表す季語は「灯籠」。一般的には「とうろう」と読みますが、五七五の語呂を合わせるため、この俳句では「とうろ」と読まれます。

恋愛にまつわる秋の俳句②与謝蕪村

なかなかに 一人あればぞ 月を友

与謝蕪村

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俳人や画家として活躍した与謝蕪村。小林一茶や松尾芭蕉とともに、江戸時代を代表する俳諧師の一人です。そんな与謝蕪村のおすすめの名句がこちら。独り身だからこそ、美しい月を思う存分楽しめるのだ、という意味合いの俳句です。

直接的に恋愛をイメージさせる言葉は入っていませんが、どこかセンチメンタルな気持ちにさせる哀愁漂う名句ではないでしょうか。少し淋しげな思いが垣間見える一方、一人でいることを楽しんでいる様子も伝わってくるようです。

おすすめの秋の俳句まとめ

今回はおすすめの秋の俳句を特集しましたがいかがでしたか?名句と言われる俳句には、さまざまな言葉の表現で作者の思いが込められています。

一つの俳句でも、いろいろな解釈ができるのが俳句の魅力。思い入れのある名句があれば、それをじっくり掘り下げてみるのもおもしろいですね。

秋といえば「スポーツの秋」「食欲の秋」「読書の秋」といろいろありますが、今年の秋は俳句を楽しんでみるのもおすすめです。

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