熱海よりヤバイ地域も!「全国水没危険MAP」で水害に備えよう

 7月2~3日に東海、関東甲信越地方で激しい雨が降り、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生した。

「この土石流は、全長約1キロ、最大幅約120メートル、面積は約12万平方メートルに及び、13日時点で、死者11人、行方不明者17人、被害を受けた家屋131棟が報告されています」(全国紙記者)

 未曽有の災害に襲われた熱海だが、株式会社危機管理教育研究所・代表の国崎信江氏によれば、水害は日本のどこで起きても、おかしくないという。

「日本は、梅雨前線や台風の影響で雨が降りやすい季節があるうえ、河川の氾濫や浸水、土砂災害などの水害が、とても起きやすい地形なんです」

 では具体的に、どのような場所が水没しやすいのか。今回、土石流が起きた熱海のような山地や丘陵地で危険なのは、盛り土されている斜面の近くや、山地付近の新興住宅街だという。

「そもそも日本の約7割は山地や丘陵地ですから、土砂災害が起きやすいという認識を持つべきです。加えて、熱海のように、盛り土や乱開発により、山がため込んでくれる雨の量が低下してしまっているところは危険です」(前同)

 山地が多い日本は、平野部に人口や産業が集中しているが、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏は、その中でも沿岸の、海抜0メートルまたは、それ以下の場所は水没リスクが高く、最悪の場合、被害規模は熱海を凌ぐと指摘する。

「こうした場所では“内水氾濫”という、町の排水機能がパンクし、マンホールや水路から水があふれ、辺りが浸水する現象の危険があります。さらに、蓋の外れたマンホールに人が落ちたり、地下鉄や地下街の電源が喪失して都市機能がマヒするケースもあります」

 一方で、川の近くも、やはり危険だ。日本の河川は長さが短く、急勾配なため、雨が降るとすぐに増水し、氾濫危険水位に達しやすいという。特に、二つの河川が合流する地域は要注意だ。

「こうした土地では、18年の西日本豪雨の際に起きた、バックウォーター現象のリスクがあります。これは、本流の水位が上がり、支流から本流への水の流れが阻まれて、逆流する現象。それによって水同士がぶつかると、川が氾濫を起こし、周辺に甚大な被害を与えます」(前出の国崎氏)

 現在発売中の『週刊大衆』8月2・9日号を読んで正しい知識を身につけ、水害から身を守ろう。

2021/7/19 18:15

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