時間を掛けて向き合った林遣都さんに人見知りする犬が懐いたと『犬部!』大原櫻子さんが撮影を振り返る

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映画『犬部!』は北里大学に実在した動物愛護サークル「犬部」を題材に、行き場のない犬や猫の命を助けるために奮闘する若者の姿を描いています。犬部のメンバーで大学に残って研究者となった佐備川よしみを演じた大原櫻子さんに役作りや現場でのエピソード、伝えたいメッセージについてうかがいました。

<作品概要>

原案は北里大学に実在した動物愛護サークル「犬部」を題材に書かれた片野ゆかのノンフィクション「北里大学獣医学部 犬部!」。「影踏み」「花戦さ」の篠原哲雄監督がメガホンをとり、動物保護をテーマにしたドキュメンタリーを手がけてきた映像作家・山田あかねが脚本を担当した。

主人公・花井颯太を演じるのは、NHK連続テレビ小説「スカーレット」(19)や映画『私をくいとめて』(20)などに出演した林遣都。その相棒で心優しい同級生・柴崎涼介に扮するのは、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)や映画『虹色デイズ』(18)、『砕け散るところを見せてあげる』(21)などの中川大志。さらに、映画『あの日のオルガン』(19)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)に出演するだけでなく、ミュージシャンとしても活躍する大原櫻子、ドラマ「あなたの番です」(19)、映画『劇場』(20)、『滑走路』(20)の浅香航大が犬部のメンバーとして脇を支える。

動物トレーナーとして「ZOO動物プロ」が全面バックアップし、犬たちとキャストの触れ合いがたっぷりと収められた。なお、実際に保護犬出身の犬たちも、役者として出演している。

犬や猫の抱き方を調べることから役作りを始めた

――出演が決まったときの気持ちからお聞かせいただけますか。

もともと動物が大好きなので、かわいいワンちゃんと一緒に撮影するんだと思ってワクワクしました。出演が決まってから原案となった片野ゆか先生の『北里大学獣医学部 犬部!』や脚本を読んだのですが、とても大きな届けたいメッセージがある。それを責任持って伝えなきゃと思ったら、ワクワクだけじゃなく、ちょっとプレッシャーも感じました。ただ、セリフの感じは重たい作品ではなく、笑えるシーンもあったので、私なりにがんばれるはずと思いました。

©2021「犬部!」製作委員会

――役作りのためにどのような事前準備をされましたか。

犬や猫を飼ったことがないので、抱き方を調べることから始めました。実際の現場に行って見学することはありませんでしたが、いただいた資料を読んだり、制作スタッフさんから勧められたドキュメンタリーDVDを見たりしました。

©2021「犬部!」製作委員会

――ご自身の中によしみに近い部分はありましたか。

命に接する現場で仕事をされている方って、すごくガッツがあると思います。私自身もそういうタイプなので、似ているかなと思いました。

©2021「犬部!」製作委員会

メイクやファッションに違いを出して学生と研究員を演じ分ける

――学生と研究員の2つの時代を演じられましたが、演じ分けはいかがでしたか。

よしみの役は1人の人間の成長が見えるキャラクターだったので演じ甲斐がありましたね。

学生のときは犬部唯一の女子部員として、「サークル盛り上げよう!」といった感覚で、元気いっぱい演じました。衣装やメイクも活発な感じに見えるように肌が出るものを着て、髪をアップにしていました。

研究員のよしみは30代。作品には出てこない16年間に悔やむ出来事や肝が据わるようなことがあったはず。学生のときにはなかった責任感を出そうと凛としている女性らしさを意識して、落ち着いたヘアメイクやファッションにして作っていきました。

©2021「犬部!」製作委員会

――よしみを演じる上で気をつけたことはありましたか。

よしみは現実的なセリフが多かったので、責任を持ってひとことひとことを伝えようという気持ちでいました。

過去に経験したことをきっかけにネコのワクチンを研究していることを話すシーンは、よしみの決意が見えるので緊張しましたね。ここは特に感情をしっかり入れて演じました。

©2021「犬部!」製作委員会

――監督から何か演出はありましたか。

篠原監督は基本的に芝居を役者に任せてくださいます。わからなかったら相談に乗ってくださいますが、「ここはこうして」というよりも、こちらが作ってきたものに対してジャッジをされる感じです。

撮影以外も触れ合う時間を作り、ニコとの距離感を縮めた林遣都さん

――現場でのエピソードがあったらお聞かせください。

ニコと呼ばれるようになる、獣医学部の外科実習で使われるはずだったワンちゃんが出てくるのですが、演じたワンちゃんが人見知りで、私たちが数メートル近づくだけで逃げてしまうんです。遣都さんは撮影以外も触れ合う時間を作り、ニコとの距離感を縮める努力をされたところ、最終的に遣都さんには懐いたのです。ここまでワンちゃんに寄り添ってお芝居を作る姿を見て、すごいなと思いました。

そんな颯太さんとニコですが、颯太さんがニコにシャワーを掛け、ニコがぶるぶるっとしたら颯太さんがセリフを言うことになっていたのですが、ニコがなかなかぶるぶるしてくれなくて、何度もテイクを重ねてしまうことがありました。

©2021「犬部!」製作委員会

――動物はこちらの言うとおりに動いてくれないから大変ですよね。

生きているワンちゃん、ネコちゃんは次に何をするかわかりません。ワンちゃん、ネコちゃんの動きをきっかけにセリフを言うときはなかなか予定通りの動きにならなくて、テイクを重ねてしまうことはほかにもありました。特にネコちゃんは自由なので、あばれちゃうこともあるのですが、それはそれでリアルですし、楽しくもありましたね。このシーンはこうでないといけないというのではなく、私はネコちゃんに合わせてアドリブを入れていきました。

動物が登場するシーンはリハーサルなしでぶっつけ本番のことも多かったです。でも本番でしか生まれない奇跡もあって、人間以上のお芝居を見せてくれるワンちゃんやネコちゃんに感動することもありました。

©2021「犬部!」製作委員会

もっともっとたくさんの命を救いたい

――犬部のみなさんが動物の命を救うために奮闘する姿を描いていますが、命の重さを感じたシーンはありましたか。

大学卒業後に動物愛護センターで働いていた柴崎が「救っても救っても犬猫が来てしまう」と追い詰められていったシーンが心に残りました。動物の殺処分について、ニュースで聞いたことはありましたが、身近なこととしてとらえていなかったのです。

遣都さんが演じた花井颯太のモデルとなった太田先生はお一人でがんばっていらっしゃって、とてもたくさんの命を救ってきました。1人の力はちっぽけに思えるけれど、太田先生がしていることはこんなにも大きい。だからこそ、映画を通じて今のこの状況を多くの方に知っていただき、救ってあげたいと思ってくれる人が1人でも多くなれば、もっともっとたくさんの命が救えるのではないかと思います。

©2021「犬部!」製作委員会

――これから作品をご覧になる方にひとことお願いします。

この作品をご覧になると動物への愛情が増すと思います。学生時代の動物に触れているシーンでは自然と笑顔になりましたが、ワンちゃんやネコちゃんを飼うというのは人生の喜びが増えることだと演じていて強く感じました。

もちろん動物を飼うのは大変です。しかし、それはけっしてネガティブな大変さではなく、ポジティブな大変さです。周りに動物がいるようでしたら、より愛してほしいと思いますし、そばにいない方もこういう現状があることを知っていただいて、少しでも殺処分がなくなればと思います。

(取材・文:ほりきみき)

林遣都と中川大志が各々のアプローチで役を作り上げてくれたと映画『犬部!』篠原哲雄監督が語る | 映画board

メガホンをとった篠原哲雄監督にも作品に対する思いや犬部の主要メンバーを演じた林遣都さん、中川大志さんについてうかがいました。

<プロフィール>

大原櫻子

©2021「犬部!」製作委員会

1996年1月10日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部映画学科卒業。映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(13/小泉徳宏監督作)のオーディションで約5,000人の中から選ばれ、俳優&歌手デビューを果たす。2014年には、第56回日本レコード大賞・新人賞を受賞。以降も精力的に俳優活動と音楽活動を並行して行い、映画『舞妓はレディ』(14/周防正行監督作)、ドラマ「恋仲」(15)ほか、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(17/河合勇人監督作)、『あの日のオルガン』(19/平松恵美子監督作)、「あのコの夢を見たんです。」(20)などに出演する。

『犬部!』

©2021「犬部!」製作委員会

出演:林 遣都 中川大志
大原櫻子 浅香航大 / 田辺桃子 安藤玉恵 しゅはまはるみ 坂東龍汰
田中麗奈/酒向 芳 螢 雪次朗 岩松 了
監督:篠原哲雄
脚本:山田あかね
原案:片野ゆか「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊)
主題歌:「ライフスコール」Novelbright(UNIVERSAL SIGMA / ZEST)
配給:KADOKAWA
©2021「犬部!」製作委員会
7月22日(木・祝)全国ロードショー

映画『犬部!』公式サイト

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  • 7/17 20:00
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