コロナワクチンの後もマスクは必要?免疫はいつできる?医師が疑問に答える
新型コロナウイルスワクチンの普及が徐々に進み、日本では現在約1750万人が2回接種を完了しています。ワクチン接種によって感染対策を強化できるという安堵の声もあがる一方、「なぜ2回も接種しなければならないのか」「ワクチンを接種した後はどのように生活を送ったらよいのだろう」という疑問や不安を抱える方もいます。
今日の日本に飛び回るこのような疑問を、医師たちによるプロジェクト「こびナビ」で解説してもらいましょう。「こびナビ」は、新型コロナウイルスやワクチンの正確な情報を、文章や動画で発信しています。
聞き手:石井 しおり(シグマ・セブン所属)
解説:木下 喬弘先生(こびナビ副代表)
救急専門医、外傷専門医、公衆衛生修士
◆ワクチン接種後も感染予防は続けて!
石井「高齢者の方のワクチン接種が始まっていますが、接種後は感染予防をしなくて大丈夫なのでしょうか?」
木下「ワクチン接種後も感染予防はしっかりすべきです。コロナウイルスに対する免疫が作られ始めるのは、1回目の接種から1~2週間後。つまり、その期間までは、ワクチン非接種者と同じ免疫状態ということになります。
2回目の接種から更に1~2週間経過すると、95%の有効性が表れ始め、発症確率が接種していない人の1/20になりますが、感染する確率をゼロにすることはできません。たとえ接種済であっても無症状感染し、知らず知らずのうちに他の人にうつしてしまうことはあり得るのです。うつされた人がワクチン非接種だった場合、重症化あるいは命を落とす可能性もあります。
そうした事態を防ぐためにも、ワクチンを接種し日数が経過した方も、従来通りしっかりマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保って密を避けるなどの努力は必要でしょう」
◆ワクチン接種は1回目と2回目で役割が違う
石井「では、そもそもなぜワクチンは2回接種が必要なのでしょうか?」
木下「1回目の接種である程度の『型』を覚えさせ、2回目の接種で『練習試合』をすることで、効果が強くなることがわかっているからです」
石井「2回接種することで、自分のバリアがより厚くなっていくイメージでしょうか?」
木下「はい、まさにその通りです」
◆2回目を打つのが遅れても大丈夫?
石井「1回目と2回目の接種の間隔はどのくらい空ければよいのでしょうか?」
木下「ファイザー製ワクチンは21日、モデルナ製ワクチンは28日です」
石井「現在、日本でのワクチン接種は予約制ですが、もしその適切な間隔で2回目の予約がとれなかった場合、どうすればよいのでしょうか?」
木下「先に述べた日数は、そこまで厳密な規定ではないので、1~2週間接種が遅れる程度なら、特に問題はないかと思います。ただし、2ヶ月など大幅に空いてしまった場合の効果は十分に確立されていないので、おすすめはしません」
◆ワクチンは2回接種を徹底してほしい
石井「ワクチン接種は1回のみでよい人もいるのでしょうか?」
木下「基本的には全員2回の接種が必要です。すでに感染した方には、1回のみの接種でも強い抗体ができることはわかっていますが、そのような方でも2回接種の条件は変わりません。
また、現在世に出回っているワクチンは高性能ではありますが、稀にアナフィラキシーを発症し、2回目が打てない方もいらっしゃいます。ワクチンを『打ちたくても打てない』人のために、周りの方が2回接種を徹底し、集団免疫をつけることが大切です」
◆日本でアナフィラキシーを発症した人はいる?
石井「日本でアナフィラキシーを発症した方はいましたか?」
木下「日本では100万人あたり70人弱が発症しています。発症者の多くは医療従事者です。ただし、彼らの発症理由は特殊で、日常的に使用するゴム手袋や医薬品などに、アナフィラキシー発症の原因となる成分が含まれていたからと推測されています。一般の方の場合は、高齢者と比較して、免疫の強い若者の方が発症率は高くなる傾向にあります」
石井「では、接種するワクチンの種類は、1回目と2回目で変えても大丈夫なのでしょうか?」
木下「これは控えていただきたいです。1回目と2回目のワクチンの種類を変えることで、どれだけ効果が維持されるのかはまだ十分にわかっていません。接種記録を確認し、2回目も同じ種類のワクチンを打つようにしてください」
◆1回目から2回目までの間の過ごし方
石井「1回目接種後から2回目接種までの間の過ごし方で気をつけることはありますか?」
木下「基本的には普段通りの生活で大丈夫です。ワクチンを打った直後は、その箇所を清潔な状態で保っていれば、入浴も通常通りにしていただけます。ただし、副反応である痛みやだるさ、しんどさを感じる場合もありますので、ワクチン接種日の翌日は予定を空けておいた方が安心でしょう」
◆今後ワクチン接種が進んだらどうなる?
石井「今後、国内でワクチン接種が進んでいったらどうなるのでしょうか?」
木下「段階的に感染対策を緩めていくことになると思います。
例えば、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、ワクチン接種者同士であれば、室内でのマスク着用は不要とし、小規模な集まりも可能と発表しています。また、ハイリスクな高齢者がワクチンを2回接種してから14日経過すれば、非接種の親族と接触しても問題はないという発表もあります。
そのように日本でも今後、接種状況と感染状況を踏まえ、バランスを見ながら正式な発表があるのではないでしょうか」
【木下 喬弘先生】
日本救急医学会、外傷学会専門医。2010年大阪大学医学部医学科卒。大阪の救命救急センターで9年間勤務した後、2019年にハーバード公衆衛生大学院に入学。日本のHPVワクチンに関する医療政策研究で、2020年ハーバード公衆衛生大学院卒業賞を受賞。
【こびナビ】
新型コロナウイルスやワクチンに関する、正しい情報を発信するプロジェクト。医師たちによる文章や動画で情報発信している。「コロナ漫画大賞」を開催、作品募集中
<こびナビ 構成/ブラインドライターズ 史奈>
玉葱
7/16 21:57
変異株も伝染を重ねさえしなければ収まる。スペイン風邪やSARSでも学んでるはずなんだわ。だから感染対策、予防が大事だって事を。そうしてる内にワクチンや特効薬の開発が追い付いて来る。まだその段階になってないだけの事。大人しくしてりゃインフルエンザ程度の扱いになって行く。
トリトン
7/16 18:44
確か半年しか持たないとか言ってましたね年間2回射たないとね。
いち(
7/16 18:21
で、効果はいつまで?来年もまたワクチン接種の予約が殺到するんですよね?それと平行して、感染者1000人でも2000人でもドーンと来い!て、体制を整える事も重要ですよね?