ロメロが残した超問題作 遊園地で老人を襲う惨劇『アミューズメント・パーク』予告解禁

 ゾンビ映画の第一人者でホラー映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた幻の未発表映画『アミューズメント・パーク』より、老人が遊園地で大変な目に遭う姿を収めた予告編と、新たな場面写真が解禁された。

 本作は、もともとは年齢差別や高齢者虐待について世間の認識を高めるために、ルーテル教会がロメロに依頼した企画だった。しかし、出来上がった作品には老人の悲惨な状況が容赦なく映されており、そのあまりにもストレートに当時の米国社会を描いた内容に、依頼者はおののき、未発表のまま封印されていた。ロメロがある意味での教育映画を撮っていたという希少性に加え、ホラー映画ではないがロメロの視点で現実を映し出した貴重な作品といえる。今回4Kレストアが行われ、日本初公開される。

 予告編は、まず「遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう。」と本作のあらすじをシンプルに説明するところから始まる。続いて、白い部屋で白いスーツを来た2人の老人(リンカーン・マーゼル)が会話する場面に。後から部屋に入ってきた老人が「こんにちは。外出することは?」と問いかけると、なぜか傷だらけでボロボロのもう1人は「ない。外は楽しくないぞ」と答える。それを聞いた老人は「自分で確かめます」と、外のにぎやかなアミューズメントパークへ意気揚々と繰り出していく。

 外へ出てみたものの、人混みに圧倒され戸惑う老人。ぶつかりそうになった女性から「前を見て歩いてよ」と冷たく言われ、落としたメガネを踏まれ、「65歳以上はバスに乗れ」と言われ、しまいにはスリの被害にも遭う。そんな中、画面には死神のような姿をした謎の男の姿も。やがて老人は追い詰められ、ボロボロになりむせび泣く。最後は肩を落としてヨボヨボと歩く老人の後ろ姿に続き「誰もが行き着く先…」というテロップ、「何も…何も…何もないんだ」と嘆く老人のセリフ、そして「老人は大切に。」というキーフレーズで締めくくられている。

 なお本作は、一般公開に先駆け、新宿シネマカリテで開催される映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション2021」 内にて、ロメロの命日である7月16日に、同監督の1973年作品『ザ・クレイジーズ』と1977年作品『マーティン/呪われた吸血少年』と共に上映される。

 映画『アミューズメント・パーク』は、新宿シネマカリテほかにて10月15日より公開。

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