「M字」を見極めて月利100万円超。億りFXトレーダーの稼ぎ方

ビットコインだけじゃなく、FX界も今年は波乱の幕開け。予想外の相場に翻弄されているFXトレーダーたち。だが、そんな波乱の相場でも着実に稼ぎ続けているnori氏。個人で月100万円以上稼ぐ「ドM」トレーダーとは?

◆SMAの“丸み”と「M字」を見極めて月利100万円超!?

「チャートは『M』と『W』と『N』で成り立っていると言っても過言ではありません!」

 突如、笑顔で独自の「M理論」を語りだしたのはnori氏。国内FXファンドのプロップディーラー(ファンド資金を運用する契約ディーラー)として活躍する傍ら、個人のトレードでも月に100万円以上の利益を稼ぎ続ける億り人だ。その理論の神髄はチャートの形にあるという。

「相場は常に上下するものですが、①上げて、②下げて、③上げて『N』の形をつくったときには、①の上げと③の上げが同じ値幅になりやすいと分析するN計算値をご存じの人も多いでしょう。でも、ずっとチャートを見ていると『M』や『W』の形をつくるパターンのほうが多いことに気づいたんです。Wトップと同様、『M』の形なら最初の上げと最後の下げの値幅が同じになりやすい。『M』だらけのチャートもあるんですから」

 そう言いながらnori氏が見せてくれたチャートには、無数の『M』の字が……。若干、狂気を感じたが、綺麗にM字型の値動きを繰り返すチャートも少なくない。そんなMっ気たっぷりのパターン分析に、移動平均線(SMA)を組み合わせるのがnori氏のトレードだ。

「20、40、75、200の4つのSMAを表示させ、20と40SMAで囲われたゾーンを色付けする“MAリボン”というツールを使っています。なんで、これを使っているか? 先輩が使っていたのをマネしただけです(笑)」

◆カバーディーラー時代に培った相場感覚を生かす

 今年38歳になるというnori氏はFX歴18年という大ベテランだ。それも若くしてプロの世界に足を踏み入れた経験を持つ。

「大学の入学祝いにもらったお金でFXを始めて、卒業後にはサイバーエージェントFX(現YJFX)でカバーディーラーとして働かせてもらったんです。FXは24時間稼働なので、ディーラーは3交代制。体力のある若手は深夜担当に回されがちだったので、昼夜逆転生活を送りながら3年近くディーリングを担当しました」

 一般にFX会社は、顧客からドル円の買い注文が入ると同じ注文を銀行や別のFX会社に入れる。顧客の注文を執行して発生する自社ポジションを放置すると、相場の変動リスクをモロに食らいかねないからだ。このように自社のポジションを相殺する取引を「カバーディール」という。一見すると流れ作業でこなせそうな取引だが、このカバーの仕方でFX会社の利益は大きく変動する。

「会社がドル円売りポジションを持ったら、当然のことながらドル円が下げたところでカバー取引(この場合は、ドル円売りポジションを相殺するためのドル円買い)したほうが利益が出る。絶えず、先の値動きを予想しながらカバーのタイミングを見極める必要があるんです」

◆長く同じテクニカルを使い続けることが重要

 そんなカバーディーラー時代の先輩に倣って、まったく同じSMAを利用し続けているというnori氏。実は、長く同じテクニカルを使い続けることが、相場で生き残るうえで重要だとか。

「70SMAや100SMAなど、期間を変えてサポートやレジスタンスとして“効く”SMAを探すトレーダーが多いと思いますが、毎回サポ&レジとして機能するSMAなんて存在しません。だから、同じ設定のSMAを長く使い続けることのほうが重要。使い続ければ、SMAのクセがわかり、その後の値動きを予想しやすくなる」

 一般的なSMAの使い方は、短期線が長期線を上抜くゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売るというものだが、nori氏の使い方は少々異質だ。

◆SMAを参考に注文を入れ「M理論」で利益確定

「20SMAがスプーンの形のように丸みを帯びて上向きかけたら、それに合わせて買いで入るんです。逆に伏せたスプーンのように弧を描いて垂れ始めたら売りでついていく。綺麗にトレンドが発生する場面では、このSMAに“乗っかる”ようにローソクが上げ続けたりするんです」

 M字だったり、スプーン型だったりと少々感覚的……。ただ、実際のトレードを見せてもらうと、この理論が見事にハマることを知る。例えば、下落トレンドにあるユーロ/ドルでは、20SMAと40SMAが収束してゴールデンクロスしたにもかかわらず、20SMAの垂れ方を見て売りエントリー。直後から下げ始めて、利幅を伸ばすことに成功していた。

 このようにSMAを利用してエントリーしたら、お次はnori氏がドハマりしているM理論。M字のチャートパターンから、利確ポイントを探すのだ。

「2つの山をつくって下げ始めたチャートなら、2つの山の高値を結ぶラインを引き、その平行チャネルを、1つ目の山の直前の押し目だったり、トレンド発生地点などの節目に合わせて引くんです。すると、その後のローソク足の到達点が見えてくる」

 平行チャネルを引くコツは、中央を走るラインがM字の谷間や直近安値などの節目に重なるようにすることだという。感覚的な分、慣れが必要だが、M理論もSMAの使い方も、あらゆる局面で活用できる分析法だ。ここまで極めたらあなたも常勝ドMトレーダーになれる……かも!?

◆●nori氏 FX歴18年

大学生時代からFXを始め、卒業後はFX会社のカバーディーラーに。’09年に専業。以降、月に100万~400万円を着実に稼ぎ続けて’21年に資産1億円超えを達成。昨年からはFXファンドのプロップディーラーとしても活躍

★必殺技

ドMトレード(SMAとパターン分析)

★トレード通貨

ドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円、豪ドル/ドル、豪ドル/円、ポンド/ドル、ポンド/円ほか

★資産・成績

1億円/月利100万円超

★使用テクニカル

移動平均線(20、40、75、200)、パターン分析、エリオット波動、タイムサイクル理論など

★SNS

@nori_nosuke

◆nori流 FX3か条

★チャートはM・W・Nで成り立っている

★SMAは傾きでなく“丸み“こそが重要

★1つのテクニカルを使い続けて極めるべし

取材・文/¥SPA!編集部 図版/ミューズグラフィック チャート提供/TradingView

―[億超えFX神5人衆]―

2021/7/14 8:53

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