ジャニー喜多川さんが逝って2年、ジャニーズが世界進出できなかった原因と皮肉な変化

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 あれからもう1年――。今週の女性週刊誌全誌に踊った“三浦春馬”の名前。自死から1年がたったことで、さまざまな角度からの特集記事が企画されている。こうした記事を目にして、改めて1年前の衝撃を思い出した。

第550回(7/8〜7/13発売号より)
1位「独占レポート ジャニー喜多川さん 死去から2年、ジャニーズ事務所では“変化”が起きて――『60年来の悲願』と事務所を蝕む“消費期限”」(「週刊女性」7月27日号)
2位「新 われらの時代に 秋篠宮妃紀子さまと小室佳代さん あぁ、丙午の女たち」(「女性セブン」7月22日号)
3位「大谷翔平 家族が明かす 酒、恋人、プレゼント」(「週刊女性」7月27日号)

 7月9日、ジャニー喜多川氏の命日だ。ジャニーさんが逝って2年の年月が過ぎたことになる。「週刊女性」では、この間ジャニーズ事務所にはいくつもの変化があったとして、その内情をレポートしているが、その切り口としてクローズアップしたひとつが“アメリカ進出”だ。

 確かにジャニー喜多川氏はジャニーズ事務所を設立した当初から、自社タレントをアメリカに進出させることが夢であり、さまざまな試行錯誤をしてきたのは周知の通りだ。しかし、その夢は叶うことがなかった。が、記事では、その遺志は引き継がれ、例えばSnowManやSexyZone、King&Princeなどは世界進出に挑戦する動きを見せていることが紹介される。まあまあ好意的に。

 でも、実際はどうだろう。というのも、つい最近の7月3日に放送された『THE MUSIC DAY 音楽は止まらない』(日本テレビ系)を見てしまったから。そこでBTSが圧巻のパフォーマンスを見せたから。ネットでもジャニーズアイドルのパフォーマンスと比べ、“レベルが違いすぎる”“ジャニーズにとって公開処刑”などの声が上がったほどだ。

 もちろん、これまでも世界進出に成功したK-POP、BTSにあって、日本、ジャニーズにない“要因”はさまざまに指摘されてきた。数年前までネットには見向きもしなかったジャニーズの世界戦略の未熟さ。日本にばかり目を向けたドメスティック体質、パフォーマンスの質の違い、圧倒的語学力のなさ、社会的活動や発言のタブーなどなど。

 しかし、日本メディアはほとんど指摘しないが、ジャニーズが世界進出できなかったのには、それ以上の問題や原因があったと思う。それは、ジャニーズ事務所が長年行ってきた執拗な男性グループアイドル潰しだ。

 長い間、いや、つい最近まで日本の男性グループアイドルはジャニーズの独占状態にあった。ジャニーズ以外では存在すら許されない、デビューできない、デビューしても潰されるというのが常識だった。たとえば1997年のデビュー直後から大きな人気を博したDA PUMPは、ジャニーズに睨まれ、テレビ局や音楽番組にまで圧力かけられ、その後は長い低迷期を送らざるを得なかった。

 DA PUMPの弟分で2001年にデビューしたw-inds.も、ジャニーズとの共演はNG、地上波での出演はほとんどなく、05年結成のAAAに女性メンバーがいるのもジャニーズの圧力対策だといわれた。また三浦大知も1997年デビューの Folder時代からジャニーズに目をつけられ、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に初出演したのはデビューから19年もたった2016年のこと。このように長年ジャニーズは、ジャニーズ以外の“踊って歌える”男性アイドルグループを敵視、排除してきたのだ。

 その結果、何が起こったのか。日本ではジャニーズとメディアの癒着関係において、ジャニーズの男性アイドルグループが独占状態になったが、しかし大きな目で見ると、日本のエンタテインメント界においては、大きな痛手だったのではないか。新しい才能が“ジャニーズではない”という理由だけで潰され続けてきたからだ。ライバルがいなければ、それ以上の成長もない。世界進出なんて夢のまた夢――。

 しかし、こうした状況も少しずつ変わりつつある。SKY-HIがオーディションを行う「THE FIRST」や、『PRODUCE 101 JAPAN』によって誕生したJO1など“ジャニーズ以外”の男性グループが注目を浴びつつあるからだ。日本でもワールドワイドな男性アイドルグループが誕生する可能性も!? だが、こうした状況もジャニー喜多川氏の逝去から生じた“変化”だとしたら――皮肉なことだ。

 まだまだ続く“小室圭さん騒動”。なにしろ女性週刊誌においては、毎週のようにこのネタが続き、今週も3誌そろって大きく取り上げられているほど。圭さん本人はアメリカ留学中で、たいした情報もないということなのだろう。代わって「週刊文春WOMAN」(文藝春秋)で肉声が伝えられた母・佳代さんに再びスポットが当てられている。でも、こんな切り口って――。 

 「女性セブン」のルポ企画「新われらの時代に」で、佳代さんと紀子さまがそろって1966年の“丙午”生まれだという切り口の記事を掲載しているから。丙午というのは60年に一度だけ巡ってくる干支で“丙午生まれの女は男を食い殺す”とか“この年は天災が多い”などとの迷信が言い伝えられる年だ。

 そんな“丙午”という切り口で紀子さまと佳代さんという2人の女性をルポしようとするのだから――ビックリ。しかしルポを読むと、2人以外の丙午生まれの女性たちの“生き方”や“時代論”も描かれており、興味深いものだった。

 高度成長期真っ只中だった66年、中国では文革が始まり、大人気のビートルズが初来日、そんな時代に生まれた丙午生まれの女性たち。その後も日本はイケイケ経済成長をとげ、バブルに突入、女子大生ブームも到来した。男女雇用機会均等法も施行され、就活もイケイケ。そして女性の生き方、結婚観も変わっていった時代だ。このルポでは、そんな時代考証もなされていて面白い。

 そして記事には丙午生まれの有名人が列挙されているのだが、確かにそれを見ると――小泉今日子、斉藤由貴、広瀬香美、三田寛子、江角マキコ、鈴木保奈美――なるほど。ちなみに筆者も丙午生まれです。

 野球に興味がなくてもうれしくなる大谷翔平の快進撃。そんな大谷の素顔をリトルリーグ時代の恩師、祖母、父親が語っている。みんなうれしそうに大谷を語るが、同時にみんな控えめだ。そうした周囲が今の大谷を生んだのだろう。かつて“なんとか王子”といわれた人の両親が、さかんにメディアに登場し育児論の本などを出していたことを思い出した。

  • 7/13 21:00
  • サイゾーウーマン

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