ドン引きされないSNS、中年男性が気をつけるべき3原則とは

コロナにより、ますます存在感を増し、いまやビジネスでもプライベートでも欠かすことのできない「SNS」。だからこそ、今後は“見る”専門ではなく“発信”することが重要になる。食わず嫌いから脱却し、未来を切り開くSNS活用術とは?

◆中年にもSNSが必須の時代が到来!

 SNSのユーザー数は全世界で42億人を突破。総務省の「情報通信白書」によると、国内のSNS利用率は約7割に及び、もはや日々の生活や仕事に欠かせないインフラとなっている。

 しかし一方で、アカウントは持っているが他人の投稿を漫然と眺めているだけ、いまさら何を発信すればいいのかわからない―そう感じている中年も実に多い。noteプロデューサーの徳力基彦氏は、次のように語る。

「SNS経由で企業の経営層と交流をしたり、ヘッドハンターから転職の誘いがあるのは、当たり前の時代。SNSを利用しないことは、もはや大きな機会損失です」

◆実名でのSNS利用は不可避

 自らもSNSを活用し、企業のSNSトラブルにも精通する産業医・大室正志氏もこう語る。

「スタートアップ界隈では、SNSでの経歴出しは常識。日本は接待ゴルフのように公私の境目が曖昧なので、SNSも“緩やかなビジネス利用の場”になっており、ビジネスチャンスを摑むためには、実名でのSNS利用は不可避です」

◆実名でのSNS、注意点は…

 では、“大SNS時代”に、中年はどのように取り組むべきか? 徳力氏は、注意点をこう述べる。

「今の10~20代は、物心ついたときからSNSがあるため、『ネットとリアルは地続き』と知っている。そのため誹謗中傷などマナーの悪い使い方をする人は少なく、むしろバーチャルと思い込んでいる中年のほうが過激な発言をすることが多い。

 ネット弁慶のごとくそうした発言や他人の批判をしていると、良好な人間関係や仕事のオファーは望むべくもありません」

◆「一貫性」と「安定感」がブランディングのカギ

 これを踏まえた上で、「中年がセルフブランディングをする際に心がけるべきは『一貫性』と『安定感』」と大室氏は説く。

「まず、得意分野や専門性のあるトピックを一貫して書き続けること。これを続ければ、フォロワー数1000人はいきます。ただ、途中で告知マシンになったり、スタイルがブレ始めると、途端に見限られるので、初期段階で設定したスタイルは簡単には変えない安定感が重要。

 SNSといえば『いいね!』やフォロワー数に目がいきがちですが、目先の数を追ってブレると、他者には情緒不安定な痛い中年に映ります。

 逆に、モノをいうのは、フォロワーひとりあたりの“熱量”。どの層に確実にアプローチしたいか考えて発信することが大切です」

◆中年が気をつけるべき3原則

 その際、中年が気をつけるべきは、「非ホモソ・非審査・非自慢」の3原則だと続ける。

「体育会系のノリに代表される同質性の高い連帯を見せつける『ホモソ(ホモソーシャル)』は、ドン引かれるリスク大。また、中年は無意識に審査する側に立とうとしがちですが、上から目線に若者は非常に敏感。同様に、自慢話や自分語りも、よほどのスキルを持っていないかぎり控えるべきです」

 徳力氏も「SNSは自己主張を押しつける場ではない」と指摘。

「強気な自己顕示で影響力を発揮する一部のインフルエンサーは、あくまで特殊な事例。基本は『他者に見てもらう』というバランス感覚がベースになります」

◆多様化するSNS

●140字以内の短文投稿サイト「Twitter」。国内月間アクティブアカウントは4500万超え、いまや企業や行政も積極的に活用している

⇒文章系では最大のSNSだが、炎上や誹謗中傷もたびたび話題に

●写真・動画共有型の「Instagram」の国内月間アクティブユーザーは約3300万人。24時間で消える「ストーリーズ」でより投稿が手軽に

⇒ファッション、美容など「映える」もの中心。中年にはハードル高し

◆まずは見て覚える!オススメSNSアカウント その1

●家入一真氏 @hbkr

「非ホモソ・非審査・非自慢の好例。経営者は私情を出すと経営リスクに、出さないと告知文になりますが、その配分も見事」(大室氏)

◆まずは見て覚える!オススメSNSアカウント その2

●成毛 眞氏 @makoto_naruke

「中高年にとっては、Facebookも主戦場。成毛さんは、日々のニュースについての投稿も解説と私見のバランスが抜群」(大室氏)

【noteプロデューサー 徳力基彦氏】

NTTやIT系コンサル会社を経て独立。ビジネスパーソンや企業のnoteやSNS活用のサポートを行う。著書に『普通の人のためのSNSの教科書』など

【大室産業医事務所代表 大室正志氏】

産業医科大卒。ジョンソン・エンド・ジョンソン、医療法人社団同友会を経て独立。NewsPicks「OFFRECO」にも出演中、サブカル事情にも精通する

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/外舘翔太 モデル/岩井ジョニ男(インスタ撮影/キンマサタカ)

※週刊SPA!7月13日発売号の特集「セルフブランディング術」より

―[セルフブランディング術]―

2021/7/13 15:53

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます