『相棒』今季シーズン20!「四代目・反町隆史」が永久に変わらない理由

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 また、今年も『相棒』の季節がやってくる。ついにシーズンは20。初めて放送されたのが2000年の単発ドラマだったから、21年目ということになる。

 水谷豊(68)と寺脇康文(59)のコンビでスタートしたが、水谷演じる杉下右京の相棒は、これまでに、及川光博(51)、成宮寛貴(38)とチェンジ。そして、2015年に反町隆史(47)が四代目の相棒になって6年、かなり長い間のコンビとなっている。

 一部の報道によると、水谷は反町をいたく気に入っていており、プライベートでも出かける仲。水谷は反町を「ソリ!」と呼び、『相棒』が終わるまでソリと……と漏らしているという。6月22日発売の『女性自身』(光文社)では「反町が相棒であること」が、水谷が『相棒』を続ける”絶対条件”だと報じている。

 視聴者にとっても、反町の続投は嬉しいニュース。『相棒』といえば、タイトル通り右京さんと“相棒”のやり取りが魅力だが、反町が演じる冠城亘は右京さんまわしがうまく、癖がない。何より、キャラ的にも役者的にも、「裏切り」という展開がなさそうなのがいい。

『相棒』の見どころに、これまで何度か繰り返された「相棒の交代」があるが、視聴者の間では、いまだにシーズン13で成宮演じる甲斐享の「ダークナイト事件」がトラウマになっている人が多い。知らない人のためにざっくり説明すると、

「シーズン11の1話から相棒だった甲斐享が、実は初登場時から警察の追及を逃れた犯罪者たちに制裁を下す暴行犯ダークナイトであることが発覚し、懲戒免職。しかも、それまで正体を示唆する伏線などが一切なく、シナリオが唐突で強引すぎる展開だった」

 という事件だ。しかも、役者の成宮自身ものちに個人的なスキャンダルの影響で、芸能界を引退。あらゆる意味で「裏切られた」と感じたファンは少なくない。

■過去と現在の『相棒』は別物

 また、初期の『相棒』と、現在の『相棒』は、よくも悪くも別物になっている。

 当初は一番「変人枠」だったはずの特命係の2人が、いつのまにかゲストの個性派を抜群の安定感で回すドラマになった。さらりと見て、見終わったそばから忘れる、ライトに楽しめるドラマになった印象がある。

 もちろん現在も考えさせられる話や、後味の悪い話はあるものの、亀山や神戸が相棒だった10年代前半ごろはもっとひどかった。シーズン9の第8話『ボーダーライン』の救いのなさや社会風刺ぶりは、いまだに語り草になっている。

 その頃に比べると、現在の相棒はかなりライトになった、と言えるかもしれない。

 約20年のシリーズ継続のなかで、刑事(デカ)のドラマから、警察組織のドラマに変容し、都会的になった一方、ストーリーの感情移入の余地は減った気もするが、同時に刺激が少なく見やすいドラマになったともいえる。

 そして、その理由の1つが反町演じる冠城なのだ。ゲストや右京さんを粛々と器用に回し、物語をスムーズに動かしている。キャラ的に嫌味や違和感もなく、水谷が気に入るのも納得である。

 また、レギュラーキャストや主演の水谷の高齢化もある。劇中時間が現実通りなら、17年のシーズン16で右京さんは60歳でとっくに定年を迎えている。水谷自身ももう68歳で、年齢を考えると変わるとしても相棒はあと一人が限界だろう。

 リスクを冒すより、抜群の安定感を継続させながらシリーズそのものを、どうきれいに終わらせていくかを考えるのもアリだ。尻切れトンボで終わるより、よほどいい。

 水谷さんやベテラン陣が築き上げた空気感に違和感なく溶け込んでいける、「ベテランだけど若い空気感の相棒」という無理難題を探すより、反町で締めたほうが作品にとってもプラスになるだろう。

■大団円に向けて取り組むのもアリではないか

 また、水谷・反町コンビの場合、これまでに相棒にゲストとしてオファーしてこなかった主演級大物俳優などを犯人役に迎えてもうまくハマる。大団円に向かっては、そういう取り組みをするのもいい。

 もっとも、そう言いつつも、最後の相棒として、たとえば阿部寛(57)や唐沢寿明(58)が起用されるサプライズ人事があれば、それはそれで盛り上がることは間違いない。そのレベルのキャストなら世界観にすぐ馴染めるのは想像できる。

 結論としては、以前にあった「相棒交代の楽しみ」も、シリーズ長期化の中でもはや「シリーズ終了へのクライマックスへの期待」に変わりつつある。『水戸黄門』(TBS系)的エンタメとしてのマンネリは、内藤剛志(66)が同じくテレ朝の刑事ドラマ『警視庁・捜査一課長』で近年極めてきているので、相棒は相棒らしく、おふざけすることなく、脚本、ゲスト、キャストの一部入替で活性化を図りながら、伏線回収だけでなく、人間模様などもう一段深みのあるドラマに回帰していってほしい。

 視聴者が心待ちにしているのは「新しい相棒」ではなく、「これまでの相棒を締めくくるクライマックス」なのかもしれない。それだけに、反町には今秋のシーズン20で頑張ってほしい。(ドラマライター・綾瀬オードリー)

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  • 7/11 12:15
  • 日刊大衆

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