パチスロ機「凱旋」の設置は違法か合法か?毎日“設定1”でも客足は鈍らない

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◆ 全国で「凱旋」が設置されている店舗は約30店舗

 政府のギャンブル等依存症対策の一環として、全国のパチンコ店では出玉性能の高い高射幸性遊技機を優先的に撤去しており、いまではどのパチンコ店に入っても高射幸性遊技機を見ることがなくなった。

 しかし、全国に9000店舗ほどあるパチンコ店の中で、一部のパチンコ店にはまだ「ミリオンゴッド-神々の凱旋-」(以下「凱旋」)を始めとした高射幸性遊技機が残っているという。果たしてこれは「違法営業」なのか。「違法営業」であるなら何故警察は取り締まらないのか。

 パチンコ業界団体によるプレスリリースの内容を見ると、全国47都道府県で「凱旋」等の高射幸性遊技機が設置されている店舗は、約30店舗ほどあると思われる。

 この30という数字はあくまで筆者の推測である。業界団体の発表では、取り決めにより「凱旋」や「沖ドキ」等の撤去を推進していたが、その撤去期限を守っていない店舗が6月中旬の時点で約60店舗あるとしている。その内、高射幸性遊技機ではない「沖ドキ」だけを撤去していない店舗が約半数程度あると聞いているので、そうであれば残りの30店舗には「凱旋」が設置されているということになる。

◆いまだに凱旋を置いている店とは……

 ではどのパチンコ店にまだ「凱旋」が設置されているのか。

 パチスロファンであるならば、「設置されていれば行きたい(打ちたい)」と思う人も少なくないだろうが、少なくともパチンコ店側が「凱旋を設置しています」と堂々と告知している場合は少ない。というか筆者がTwitter等のSNSやパチンコホールポータルサイトであるP-WORLDを参照しても、北海道・札幌市の1店以外の設置情報は見つけることが出来なかった。

 業界関係者の話によれば、いまだ「凱旋」を設置している店舗は、数個のグループ企業に限られているという。北海道、関東地方、関西地方、中部地方、中国地方それぞれに「凱旋」の設置を続けているパチンコ店があるそうで、読者も自ら調べれば分かるかも知れない。

◆「凱旋」設置は違法ではないのか?

 結論から言えば、高射幸性遊技機である「凱旋」が現時点で設置されていても「違法」ではない。

 パチンコ業界団体は「凱旋」の撤去を強く推進したが、それはあくまで内部規制の話であって、法律的には、2020年5月の国家公安委員会規則の改正により現存するすべての遊技機の設置期限が1年間伸びたこともあり、こと「凱旋」でいえば、今年の11月末(一部地域では年初)まで設置することは可能だ。よって警察も違法機設置を理由として取り締まることは出来ない。

 しかし「違法」でないならば、なぜ他のパチンコ店は撤去しなかったのか。
 
 その理由は、既に何人かの業界関連ライターの方々も言及しているが、業界団体が定めた期限での、高射幸性遊技機を含む旧規則機の撤去に応じないパチンコ店に関しては、業界団体側が「中古機流通の停止」というペナルティを課しているからだ。中古機の購入設置をしたければ、業界内のルール通りに旧規則機を撤去しろということである。

 なので今日現在、ホールに「凱旋」を設置しているパチンコ店の中古機流通は、ペナルティにより止まっている可能性が限りなく高い。

◆客側にメリットがないことだけは明らか

 パチンコ店は新台でばかり営業している訳ではない。安価な中古遊技機を購入設置する場合もあれば、グループ企業からのチェーン店移動(これも中古機流通の一環)だってする。

 コロナ禍により客足が激減し、売上や利益が低迷するなかで、高コストの新台ばかり購入するのは経営的なリスクが高いからだ。

 しかし裏を返せば、「凱旋」の設置を続けているパチンコ店にとっては、中古機流通を止められたとしても「凱旋」を設置するメリットがあるという事なのだろう。

 大手ホールや競合店には1台も設置されていない「凱旋」目当てに、お客様が来てくれるという皮算用が立つということ。「エブリデイ設定1」だとしても客足が鈍らない濡れ手に粟の商売。

 筆者は、パチンコ店の経営者ではない。「凱旋」の設置にどれだけのメリットがあるのか、直接取材することは出来なかったが、率直な感想として、たとえ「凱旋」が好きなファンだとしても、たとえ「凱旋」を設置しているパチンコ店が分かったとしても、客側には何のメリットもないということだけは間違いないようだ。

文/安達夕

【安達夕】
フリーライター twitter:@yuu_adachi

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