田原俊彦のライブに行って衝撃。還暦トシちゃんの生命力にワオ!|辛酸なめ子

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【いまどきの男を知る会 ファイルNo.30 いまどきの還暦男子・田原俊彦】

 昭和を代表するスターといえば、田原俊彦。マッチさんの身辺が騒がしくなると、田原俊彦は元気なのか気になったり、時々心の中に浮上する存在です。先日、田原俊彦のデパート屋上でのライブを中学時代に観たことがある、というトシちゃんファンの女友達に「田原俊彦ニューシングルリリースパーティ」に誘っていただき、今のトシちゃんのお姿を拝みに伺いました。

◆ちょっと面白いトシちゃんグッズを発見

 会場は豊洲PIT。会場に行くと女性客が数百人、グッズ売り場に列を作っていて、トシちゃん人気は健在です。長年のファンが多い印象ですが、中には20代の女性も。そういえばトシちゃんも、20代美女との密会を撮られていたので(でもなぜかダメージはなし)、還暦を迎えても全世代にアピールする存在なのかもしれません。

 グッズ売り場ではCDやDVD、写真集、トシちゃんの顔がプリントした不思議な素材のタオルなど販売。さらにカード会社のブースがあって、なんと田原俊彦オリジナルクレジットカードが出ているのを確認。トシちゃんのシルエットがプリントされたマスターカードで、ポイントがたまるとトシちゃんグッズと交換できるようです。

◆さすがレジェンド!な注意事項のアナウンス

 トシちゃんはカード会社とも連携していて経済的に安泰なのでは?と思ったのですが、会場に入ってモニターに流れる新曲「HA-HA-HAPPY」のPVは、背景の色が変わるというシンプルな演出で、節約傾向にあるようでした。

 コロナ禍なので、「プレゼント、差し入れ、ファンレター、ケーキ、お祝い花の受付をご遠慮させていただきます。入り待ち出待ち、駅周辺の公共機関での見送りも禁止させていただきます」といった注意事項がアナウンスが流れました。

 これは、言わなかったら通常プレゼントや入り待ち出待ちがすごいのでしょうか。さすがレジェンドです。客席にはトシちゃんのテーマカラーである赤を身につける人が多く、明るい雰囲気です。

◆還暦とは思えない足上げ! 回転! ジャンプ!

 ライブが始まり登場したトシちゃんはネイビーのスーツ姿で、シュッとしています。60を超えてこの体型をキープしているのはすごいです。声の張りも感じられました。最初の曲はロボットダンス風の今っぽい動きから始まり、安定の足上げアクションが入りました。

 回転力、ジャンプ力もあり、一昔前の還暦のイメージを完全に塗り替えた感が。自分の祖父が60歳の時、このように足上げや回転、ジャンプをする姿は想像すらできません。ちなみにスクールメイツではなく男性4人がバックで踊っていました。

◆過去の価値観も懐かしむ日なのかも…

 次の曲はバラードで、その後MCになったのですが、「ハグしたいけれど太くて手が回らない」とお客さんの体型いじりが炸裂。今なら若干アウトな発言ですが、昭和リバイバル感で会場のお客さんは暖かく受け止めているようでした。その後も、長年のファンを「おすもうさんみたい」といじったり、ファンを「みんな59キロくらいでしょ」と、からかっていましたが……。

 往年のスターだと価値観の急激な変化に対応するのは難しそうです。変わらないトシちゃんを応援しにきたので、過去の価値観も懐かしむ日なのかもしれません。また、歳を重ねても小難しいことを言わない、精神状態が青年のままなのもトシちゃんの魅力だと再確認。

「エル・オー・ヴィ・愛・N・G」のセクシャルな歌詞も違和感なく歌いこなすトシちゃん。次の曲でもほとんど息を切らすことなく、回転や足上げを連発していました。MCでは「久しぶりだったからストレッチをバッチリやりました」と語っていました。そのあと、意外なカミングアウトが。

◆「冗談抜きで本当にお金ないんです」

今日のお昼ご飯は、チーズバーガーとポテトとコーラ。今日も赤字だけど最後までがんばります!

 えっ赤字……? まさかスターの口からそんな生々しい言葉が出るとは。感染症対策でお客さんの数を制限しているからでしょうか。トシちゃんは「オレは年齢知らず」と元気をアピールし、「よろちくび!」など昭和なギャグを叫んだりしていましたが、また切実なトークが再開。

冗談抜きで本当にお金ないんです。本当に。資産は俺の方が30倍持ってるけど」と、マウントをかましつつ自虐。去年、コロナで準備していたコンサートが緊急事態宣言で中止になったことに加え、本人の浪費癖が原因のようです。同情した方が良いのかわかりませんが、とりあえずグッズを買ってくれ、ということでしょうか。

◆トシちゃんの生命力にあっぱれ

 自虐という新たなトークスキルを身に付けたトシちゃん。とはいえトシちゃんというと「ビッグ発言」が忘れられません。1994年、長女出産会見で「僕ぐらいビックになっちゃうとそうはいきません」と、真顔で語った言葉がマスコミによって悪意を持って取り上げられ、炎上。しばらく干されてしまいました。

 今回のライブでは直接的なビッグ発言はなかったですが「僕くらい才能と笑顔があれば乗り越えられないことはない」という自己肯定発言が。変わらないトシちゃんの精神に感動すら覚えます。トシちゃんは今までも、これからもずっと自分を肯定し、ポジティブに生きる大切さを体現しているのかもしれません。

 最後、新曲を歌う中で、「ハハハハ!」という笑い声が響いていました。一瞬ムリして笑っているように見えても、笑うという行為が重要なのです。足上げの健康効果とともに、トシちゃんの生命力に触れて、老後に学ぶことが多いライブでした。

<文/辛酸なめ子>

【辛酸なめ子】
東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著者は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。

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